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ハギーに似つかわしくない所作

 なじみのフリー雀荘で「講釈おじさん」というあだ名の常連がいました。

 手の空いているときには観戦に回り、対局終了後に「あの手作りが良かった」「あの鳴きは悪かった」などと解説してくれました。

 けれども、まともに耳を貸す者はいません。その理由はおじさんの所作にありました。

 おじさんは時々、役作りがうまくはまってリーチしたとき、鳴き仕掛けの人に蹴られると、イライラを隠せずに点棒を放り気味に渡していました。私も経験しましたが嫌な気分にさせられました。

 的確なアドバイスでも態度の悪い人から話を聞こうとする気が起こらないのは当然。だから「講釈おじさん」と揶揄されてしまったのです。

 麻雀はメンタルのゲームでもあります。イライラしている人は勝てません。この悪い癖が出るとおじさんは必ず沈みます。最初は不愉快でしたが何度か打っているうちに調子を判断する材料として逆に利用していました。

 Мリーグ2021の2022年2月7日(月)の第1試合を観戦していて、久しぶりに「講釈おじさん」のことを思い出しました。TEAM雷電・萩原聖人プロの所作が見苦しかったからです。

 東3局1本場(供託1)のことです。KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳プロ、U-NEXT Pirates所属・朝倉康心プロ、TEAM雷電・萩原聖人プロ、EX風林火山・松ヶ瀨隆弥プロの並び順。持ち点は南家・松ヶ瀨33300、東家・萩原23000、西家・岡田22600、北家・朝倉20100です。

 2着目で親の萩原プロが絶好の手でリーチしました。

見苦しい1

 高めのドラの4索をツモれば、リーチ・ピンフ・一気通貫・ツモ・ドラ1の6000オールです。チームポイントが大きく低迷しているTEAM雷電にとって、ぜがひでもあがりたい手です。

 しかし、厳しい結果が待っていました。萩原プロのリーチ直後、鳴き仕掛けで聴牌していた下家でトップ目の松ヶ瀨プロがツモあがりします。

見苦しい2

 タンヤオ・ドラ1・赤ドラ2の2000、4000(+2300)のあがりです。萩原プロは点棒を丁寧に置くのではなく、乱雑に松ヶ瀨プロに渡していました。萩原プロのイライラが顕著に伝わるほめられない渡し方でした。

 萩原プロは南2局に満貫をあがった岡田プロへも対面から点棒を卓上に滑らして渡しており、感心できませんでした。

 この所作に麻雀ファンから批判の声が上がっています。知り合いの熱烈な雷電ファンも「とても残念。見たくない行為だった」と話していました。

 東3局1本場ではチャンス手で渾身のリーチにもかかわらず、1回もツモれないうちにあがられ、親被りする最悪な展開です。チームのためトップを持ち帰ろうとしていた萩原プロの悔しい気持ちはよく分かります。

 けれども、それをぐっとこらえて見苦しい態度をせず、Мリーグという最高の舞台で戦うのが選ばれしプロの務めなのではないでしょうか。Мリーグの人気を広めた功労者のハギーに見苦しい所作は似つかわしくありません。

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