瑞原プロが歓喜のMVP 沢崎プロの猛追及ばず
U-NEXT Piratesの瑞原明奈プロがМリーグ2021のレギュラーシーズン最終戦となる2022年3月11日(金)の第2試合でKADOKAWAサクラナイツの沢崎誠プロとの直接対決を制し、個人МVPを獲得しました。
KADOKAWAサクラナイツが前日にトップと12.8ポイント差で個人ポイント2位の沢崎プロを第2試合に出場させることを予告。U-NEXT Piratesがその「宣戦布告」に応える形で1位の瑞原プロを起用しました。
МVP争いが最終戦の直接対決となり、多くの麻雀ファンが喜びました。両チームの選手と監督には感謝の気持ちでいっぱいです。
この日、瑞原プロは今季の好調を象徴するかのように東場で追い風に乗ってあがりを連発。KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人プロに南場で逆転され、トップこそ取れなかったものの、沢崎プロの点数を上回って2位に入り、タイトルの栄誉に輝きました。
一方、沢崎プロは瑞原プロに29000点差離されたところから驚異の猛追を見せ、あわや逆転というところまで迫った粘りはさすがでした。その執念と強さは多くのファンを魅了しました。
瑞原プロがМVPを決めた第2試合を振り返ります。TEAM雷電の萩原聖人プロ、KADOKAWAサクラナイツの沢崎誠プロ、U-NEXT Piratesの瑞原明奈プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人プロの並び順です。
瑞原プロがスタートからあがりを重ねます。
東1局に西家で親の萩原プロとのリーチ合戦を制し、リーチ・タンヤオ・ピンフ・ツモ・裏ドラ1の2000、4000(+1000)をあがります。
東2局は南家で高め一気通貫の3筒・6筒・9筒待ちの手を聴牌。高めの9筒が親の沢崎プロの現物だったので黙聴に構えます。
北家の萩原プロが3筒を切って放銃。ピンフのみの1000点です。МVP争いで当面のライバルの親をあっさりと終わらせる巧みな打ち回しです。
東3局では親の瑞原プロにドラの3索が暗刻のチャンス手が配牌で入りました。
2巡目に役牌の白を重ね、4巡目に鳴き、あっという間にイーシャンテンです。
その後、5筒、3萬、1萬を引き入れ、7巡目に3筒・6筒待ちで聴牌します。
9巡目に3筒をツモり、白・ドラ3の4000オールです。
この親満で持ち点は瑞原48000、沢崎19000、寿人18000、萩原15000。瑞原プロは沢崎プロに29000点の大差をつけました。МVPはもう決まったと思っていました。
ところが、東3局1本場から流れががらりと変わります。まず、寿人プロが「魔王」の異名にふさわしい強烈なあがりを見せます。
南家でドラの4萬単騎のチートイツの手でリーチし、ツモあがりします。
裏ドラが7筒でリーチ・チートイツ・ツモ・ドラ2・裏ドラ2の4000、8000(+1300)。瑞原プロは痛い親被りです。
この日は東日本大震災が発生から11年です。宮城県仙台市出身の寿人プロが「東北魂」であがった見事な倍満。麻雀ファンはもちろん、東北の人たちにはさらなる元気を届けたと思います。
東4局は沢崎プロの1人聴牌で流局。南1局を迎え、持ち点は西家・瑞原38900、北家・寿人34300、南家・沢崎16900、東家・萩原9900です。
ここから沢崎プロが猛追します。ドラの1筒暗刻の手でリーチし、ツモあがりします。
リーチ・ツモ・ドラ3の2000、4000(+1300)です。
続く南2局の親では執念の聴牌を見せます。7巡目に6筒をツモった沢崎プロの手牌です。
沢崎プロは瑞原プロに一気に迫ろうと5索・6索のターツを続けて外し、筒子のホンイツに向かいます。
9巡目に西を暗刻にしてイーシャンテンです。
ところが、ここから全く聴牌できません。最後のツモ番で引き入れたのが西です。沢崎プロは西を暗槓し、聴牌できる牌が来ることを望み、必死の形相でリンシャン牌をツモります。
するとツモったのがドラ9筒です。4筒を切って5筒・8筒待ちでなんとか聴牌にこぎつけました。槓ドラは西というおまけまで付きました。
1人聴牌で流局し、沢崎プロは親番を維持。ものすごい粘りと執念です。持ち点は南家・瑞原35800、西家・寿人31200、東家・沢崎29200、北家・萩原3800。沢崎プロは瑞原プロに6600点差まで迫り、逆転トップとМVP獲得が射程圏内に入ってきました。
続く南2局1本場では個人3連勝を目指す寿人プロが4巡目に5筒・8筒待ちでリーチします。
沢崎プロは早いリーチに必死に対応。自風の東を鳴き、カンチャンの4筒待ちで聴牌しました。
東・ドラ1・赤ドラ2の親満の手です。しかし、山にはあがり牌は残っていませんでした。
寿人プロが8筒をツモあがりします。裏ドラが乗り、リーチ・ピンフ・ツモ・赤ドラ1・裏ドラ1の2000、4000(+300)です。
寿人プロがこの満貫でトップ目に浮上しました。沢崎プロには厳しい親被りです。
南3局は寿人プロが發・赤ドラ1の500、1000をツモあがりしました。瑞原プロは東場の好調とは一転し、南場に入ってからずっとあがれません。
南4局を迎え、持ち点は東家・寿人41500、北家・瑞原32700、西家・沢崎24600、南家・萩原1200です。
親の寿人プロが發、中を鳴き、8巡目に筒子のホンイツを聴牌。カンチャンの8筒待ちで親満確定の手です。
沢崎プロが11巡目に白をツモった手牌です。
ドラの3筒をトイツで持ち、5萬を引き入れて萬子の一気通貫を確定すれば逆転トップも狙える勝負手のイーシャンテンです。
大三元の可能性もありましたが、沢崎プロは白を意を決して切りました。МVP獲得を最後まであきらめません。
けれども、沢崎プロは聴牌することができませんでした。寿人プロの手は最終的に2筒・5筒・8筒待ちに変わりました。
寿人プロはあがれずに流局。手を伏せて自身のトップを確定し、全員ノーテンで対局を終えました。
この瞬間、瑞原プロのМVPが決定しました。優しい笑顔で瑞原プロと握手し、栄冠を称える沢崎プロに感動しました。歓喜で少し涙ぐみながら沢崎プロにお礼する瑞原プロがとても素敵でした。МVPにふさわしい品格を感じました。
瑞原プロは今季、強運に恵まれただけではなく、持ち前の巧さに勝負どころで踏み込む強さが加わったことが好成績につながったと思います。
小林剛、朝倉康心、石橋伸洋の3プロとチームメイトになってさまざまなことを学び、力強い闘牌を見せてくれています。セミファイナルでの活躍が楽しみです。