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若獅子・早川健太プロの切れ味鋭い攻め

 Mリーガーになることを期待している若手麻雀プロの一人が日本プロ麻雀連盟・早川健太プロです。

 24歳の俊英。第3期若獅子戦や日テレプラス麻雀リーグ2022で優勝しているほか、EX風林火山主催の「IKUSA」でも準決勝まで勝ち上がりました。

 タイトル戦で役満をあがる強運を持ち、切れ味鋭い攻めが特長です。

◎大逆転の四暗刻で初タイトル

 早川プロの名を麻雀ファンに広く知らしめたのは昨年3月の第3期若獅子戦の決勝です。最終戦(4回戦)の東1局の親で四暗刻の一撃を決め、大逆転で優勝しました。

 決勝は4試合の総合ポイントを競います。

 最終戦を迎え、総合ポイントは渡邉浩史郎プロ59.4、早川健太プロ-3.3、
村上玲央プロ-24.6、佐藤孝行プロ-32.5です。

 早川プロは総合ポイント1位の渡邉プロと62.7ポイント差。この1試合で逆転しなればいけません。

 最終戦は早川プロ、村上プロ、佐藤プロ、渡邉プロの並び順。

 東1局です。親の早川プロの配牌。4筒、7筒を暗刻で持ち、大物手の予感がします。

 早川プロはツモが縦に伸び、6巡目、7巡目に続けて8筒を引き入れ、9巡目に五萬を重ねました。

 いち早く11巡目に4筒・7筒待ちで聴牌したのは佐藤プロです。

 佐藤プロはピンフ・イーペーコーの手です。総合ポイントで最下位に沈んでいます。高い手への手変わりを待って黙聴に構えました。

 一方、早川プロは12巡目に8筒を暗刻にしました。絶好のツモで四暗刻のイーシャンテンです。

 佐藤プロは12巡目に七萬を暗刻にしました。ドラの3索引きを狙って、5筒単騎待ちに変えました。

 さらに、佐藤プロは13巡目に5筒をツモりました。けれども、あがらずにツモ切りました。

 佐藤プロは総合ポイントで1位の渡邉プロとは91.9ポイント差あります。イーペーコー・ツモの500、1000では足りないという判断です。

 この選択が裏目となり、早川プロの超大物手を許しました。

 早川プロは16巡目に四萬をツモり、五萬待ちで三暗刻・タンヤオの聴牌。もちろん、四暗刻への手変わりを待って黙聴に構えました。

  17巡目に待望の六萬を引き入れ、五萬・六萬のシャンポン待ちでツモり四暗刻を聴牌しました。黙聴を続行です。

 早川プロは18巡目に五萬をツモ。四暗刻のあがりで16000オールです。

 早川プロは62.7ポイント差を役満の一発で逆転し、総合ポイント1位に浮上。このリードを活かし、大逆転で栄冠に輝きました。

 初タイトル獲得を華やかな役満で決めるところに、早川プロのスター性を感じます。

◎思いきりの良い絶妙な鳴き仕掛け

 早川プロの攻めの鋭さに魅せられたのは、昨年12月の日テレプラス麻雀リーグ2022の決勝です。

 決勝は2試合の総合ポイントを競います。

 早川プロは1回戦のオーラスに思いきりの良い絶妙な鳴き仕掛けで満貫をあがり、逆転でトップを飾りました。

 決勝はセガサミーフェニックス・魚谷侑未プロ、渋谷ABEMAS・白鳥翔プロ、日本プロ麻雀連盟・早川健太プロ、日本プロ麻雀連盟・和久津晶プロが対戦しました。

 1回戦は魚谷プロ、白鳥プロ、早川プロ、和久津プロの並び順。

 南4局を迎え、持ち点は東家・和久津33800、北家・早川33600、南家・魚谷29300、西家・白鳥23300の接戦です。

 トップ目の和久津プロとわずか200点差で2着目の早川プロ。何でもあがればトップです。

 2試合の短期決戦なので1回戦のトップは大きいです。

 早川プロは1巡目に9筒を重ね、九萬を切りました。

 早川プロは2巡目に白鳥プロが切った7筒をすかざすチー。トイツの9筒を1枚外しました。

 確かにドラそばの7筒は急所の牌です。

 それでも、わずか2巡目に思いきり良く、ノータイムで迷わずタンヤオに向かう決断力と攻めの鋭さは素晴らしいです。

 早川プロは6巡目に7索をツモり、イーシャンテンです。

 9巡目に3索を重ね、めいっぱいに構えました。

 早川プロは10巡目に4索を重ね、3索・4索のシャンポン待ちで聴牌しました。

 すると、3着目の魚谷プロが11巡目に2筒・5筒待ちでリーチしました。

 魚谷プロはリーチ・ピンフの手です。トップ目の和久津プロとは4500点差、2着目の早川プロとは4300点差。ツモって裏ドラが1枚乗ればリーチ・ピンフ・ツモ・裏ドラ1の1300、2600でトップに浮上します。

 リーチを受けた直後、早川プロが11巡目にツモったのが赤5索です。

 早川プロは現物がありません。4索が中筋です。

 無筋の8索を押し、2索・5索待ちに変えました。

 早川プロは一発で放銃すれば、満貫、跳満も十分ありえます。3位どころかラスに沈む恐れがありました。

 それでも無筋を切ってあがりやすそうな聴牌に取る胆力はなかなかです。

 この押しが奏功しました。早川プロは12巡目に5索をツモ。タンヤオ・ドラ2・赤ドラ1の2000、4000(+1000)です。

 早川プロはこのあがりで1回戦のトップを獲得しました。早い巡目の絶妙な鳴き仕掛けから押しきった攻めが見事でした。

 早川プロはオーラスの満貫で勢いに乗りました。3人の強豪相手に最終戦(2回戦)も攻めを貫き、見事に初優勝を成し遂げました。

 場況に合わせ、さまざまな攻めの打ち筋を見せる若獅子・早川プロ。タイトル戦などでさらなる活躍が楽しみです。

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