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一牌の後先で浅井堂岐雀王に痛恨の裏目【Мトーナメント】

 オーラスに痛恨の裏目となる選択がありました。

 日本プロ麻雀協会・浅井堂岐雀王が2023年7月15日(土)のМトーナメント2023のファイナルステージB卓で総合3位となり、セミファイナル進出を逃しました。

 第2試合のオーラス。堂岐プロは満貫ツモの逆転条件を満たすカンチャン待ちの手で聴牌・即リーチに踏みこみました。けれども、惜しくもツモれず流局して敗退です。

 もし、聴牌に取らず、好形への手変わりを待っていたら、次巡に両面待ちになり、その後ツモって逆転で勝ち上がりを決めていました。

 一牌の後先が明暗を分け、堂岐プロにとって悔しい一局となりました。

 ファイナルステージB卓は渋谷ABEMAS・多井隆晴プロ、TEAM雷電・萩原聖人プロ、EX風林火山・二階堂瑠美プロ、日本プロ麻雀協会・浅井堂岐プロが対戦しました。

 2戦の総合ポイント上位2人が勝ち上がります。

 第1試合の結果は瑠美56.0、堂岐4.9、多井-16.7、萩原-44.2。

 第2試合は堂岐プロ、瑠美プロ、萩原プロ、多井プロの並び順。

 南4局を迎え、持ち点は東家・多井43500、北家・萩原26200、南家・堂岐16600、西家・瑠美13700です。

 綜合3位の堂岐プロは満貫ツモか跳満の出あがりで総合2位の瑠美プロを逆転し、総合1位の多井プロとともにセミファイナルに進出できます。

 堂岐プロの配牌です。タンヤオ・ピンフの狙える手が入りました。

 逆転条件を満たすため、ドラの5筒をツモりたいところです。

 堂岐プロはツモが順調に効きます。1巡目に2筒、2巡目に5索、3巡目に六萬を次々と引き入れました。

  さらに、4巡目にカンチャンの3筒をすばっとツモりました。筒子の「234」のイーペーコーが完成です。

 堂岐プロはドラがなくても、リーチ・タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・ツモで満貫ツモの逆転条件を満たす手になってきました。

 ツモの勢いは止まりません。5巡目に7索をツモり、いち早くイーシャンテンです。

 堂岐プロが8巡目に六萬をツモった手牌です。

 七萬を切ればカンチャンの三萬待ちで聴牌。リーチしてツモれば、リーチ・タンヤオ・イーペーコー・ツモの2000、4000で逆転条件を満たします。

 しかし、親で総合1位につけている多井プロがノーテン・流局で試合を終わらせようと、得意の「配牌オリ」をしていました。

 多井プロから二萬と三萬がすでに1枚ずつ場に切られていました。

 そのため、カンチャンの三萬待ちに不満が残ります。そこで、聴牌に取らずに二萬を外し、両面待ちへの変化を待つ選択肢もありました。

 難しい判断を迫られた堂岐プロ。親がオリに回っているので一局勝負は確実です。カンチャンの三萬待ちでリーチに踏みこみました。

 裏ドラや一発の条件は不要なので、カンチャン待ちのリーチで勝負を懸けるのはよく分かります。思いきりのよい堂岐プロらしい選択です。

 けれども、まだ8巡目でツモもすごく効いていました。場に1枚切れのカンチャン待ちではなく、好形の両面待ちへの手変わりを待つのも十分ありだったと思います。

 三萬は瑠美プロと萩原プロが1枚ずつ持っていて、山に1枚だけ残っていました。

 堂岐プロが9巡目にツモったのが四萬。聴牌に取らず、二萬を切っていたら五萬・八萬待ちで聴牌していました。

 五萬・八萬は山に4枚残っていました。

 もし、堂岐プロの六萬と四萬をツモる順番が逆だったら、五萬・八萬待ちでリーチしていたことでしょう。

 一牌の後先で運命が分かれるところが麻雀の面白さであり、恐ろしさでもあります。

 萩原プロから12巡目に三萬が切られました。堂岐プロは出あがりの跳満の逆転条件を満たさず、あがれません。

 すると、堂岐プロが13巡目にツモったのが八萬。五萬・八萬待ちだったらリーチ・タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・ツモで、セミファイナル進出を決めていました。

 堂岐プロの表情から悔しさが垣間見られました。

 一方、瑠美プロが14巡目にラス牌の三萬をツモり、堂岐プロの勝ち上がりは消えました。

 堂岐プロと瑠美プロの2人聴牌で流局して試合終了。多井プロと瑠美プロがセミファイナルに進出しました。

 ファイナルステージB卓の結果は多井46.3、瑠美11.2、堂岐-18.0、萩原-39.5です。

 さまざまな試合で大活躍の堂岐プロ。Mトーナメントでもその力強い打ち筋で麻雀ファンを魅了しました。

 Mリーガーになって、ぜひМリーグの舞台で実力を発揮してほしいと願っています。 

 

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