裸単騎の小四喜にびっくり仰天
雀友から大喜びの連絡が来ました。
「萬子で裸単騎のチンイツ・ドラ3の倍満をツモった」
裸単騎であがることは少ないし、まして倍満はうれしいことでしょう。
けれども、雀友のメールを読んでいて、プロの試合で観戦したもっとすごい裸単騎のあがりを思い出しました。6年前の第1回モンド杯チャレンジマッチで木原浩一プロが魅せた裸単騎の小四喜です。
「プロの試合でもこんなことが起こるのだ」と、びっくり仰天したのを鮮明に覚えています。
懐かしい木原プロの強烈な一撃を振り返ります。
水巻渉プロ、山口大和プロ、木原浩一プロ、滝沢和典プロの並び順。大和プロは当時、フルネームで活動していました。
南1局を迎え、持ち点は南家・大和42100、東家・水巻30200、西家・木原21800、北家・滝沢5900です。
木原プロの配牌です。東、南、西がトイツで小四喜を狙えるチャンス手が入りました。
1巡目に9萬、2巡目に役満につながる待望の北をツモり、6索と6筒を続けて外しました。
萬子のホンイツと小四喜の両天秤で手を進めます。
木原プロは4巡目に西をポンしました。
西は自風なので萬子のホンイツには見えるものの、役満の手だとは読みにくいです。
6巡目には南をポンしました。東・南・西・北で場には北が1枚しか切られていません。他家の警戒が一気に強まりました。
木原プロが西に続いて南を鳴いたのを見て、親の水巻プロは「小四喜も十分ありえる」と厳しい視線を送りました。
それでも水巻プロは強気の姿勢を崩しません。8巡目にいち早く聴牌。チートイツのドラの2萬単騎待ちでリーチに踏みこみました。
けれども、2萬は大和プロが1枚、滝沢プロが2枚持っていて、山には残っていませんでした。
大和プロは8巡目にリーチした水巻プロの現物の6萬を切りました。
木原プロはこの6萬をすかさずチーしてイーシャンテンです。
東か北をツモったり、東が鳴ければ小四喜の聴牌です。山には東も北も2枚ずつ残っていました。
滝沢プロが11巡目に東をツモりました。木原プロを警戒してさすがに切りません。
しかし、リーチしている水巻プロが14巡目に東をツモ切りました。木原プロが鳴いて裸単騎の北待ちで小四喜の聴牌です。
プロの試合で裸単騎の役満の聴牌を見たのは初めてでした。とてもあがりそうな気がして、わくわくしていました。
木原プロが16巡目に力強くツモったのが北です。
木原プロは8000、16000の小四喜を見事に決め、一気にトップ目に浮上しました。
めったに見られないあがりを目の当たりにして興奮し、その直後に雀友たちに連絡しまくったことは忘れられません。