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光る冷静な黙聴の一撃 浅見プロが中田プロとのトップ争い制す【Мリーグ】

 デビュー戦の勝負どころで冷静な黙聴の一撃が光りました。

 2023年9月26日(火)のMリーグ2023-24レギュラーシーズン第11戦。赤坂ドリブンズ・浅見真紀プロがBEAST Japanext・中田花奈プロとの新Mリーガーのトップ争いを制し、勝利しました。

 浅見プロはリーチ回数ゼロ。それでも巧みな打ち回しで細かく4回のあがりを重ねて勝利。南場で決めた黙聴からの2回のあがりが秀逸でした。

 第11戦はBEAST Japanext・中田花奈プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まりプロ、渋谷ABEMAS・白鳥翔プロ、赤坂ドリブンズ・浅見真紀プロの並び順。

 今季からMリーガーとなった浅見プロと中田プロがともにデビュー戦でいきなり対決しました。

 最初に抜け出しのは中田プロです。東2局にチャンス手をしっかりと仕上げました。

 中田プロは裏ドラが1枚乗り、リーチ・タンヤオ・ピンフ・ツモ・赤ドラ1・裏ドラ1の3000、6000です。

 中田プロがトップ目を守って迎えた東4局。

 持ち点は南家・中田35000、北家・白鳥24200、西家・高宮20800、東家・浅見20000です。

 ラス目で親の浅見プロが強気な鳴き仕掛けで悪い流れを一変しました。

 3着目の高宮プロが6巡目に5筒・8筒待ちでリーチ。

 トップ目の中田プロはひるまず、危険牌を続けて押し、10巡目に聴牌。5索・8索待ちで追っかけリーチしました。

 浅見プロも参戦です。11巡目に白鳥プロが切った現物の3筒をチー。2索・發のシャンポン待ちで聴牌しました。

 浅見プロは發でしかあがれない後付けです。

 發・ドラ1の2900点の手ですが、2人のリーチをかわそうと、役牌の後付けの鳴き仕掛けに踏みこみました。

 デビュー戦とは思えない胆力です。

 浅見プロは一歩も引かず、厳しい牌を続けて勝負。中田プロが15巡目に發をつかみ放銃。浅見プロは發・ドラ1の2900点(+2000)です。

 中田プロの独走、高宮プロの反撃を阻止し、流れを引き寄せる価値の高いあがりとなりました。

 浅見プロは東4局1本場も鳴き仕掛けでタンヤオ・赤ドラ1の1000オール(+300)を加点しました。

 勝負どころとなったのは南1局。持ち点は東家・中田30000、北家・浅見28200、南家・高宮27300、西家・白鳥14500です。

 誰もがトップのチャンスのある接戦。親の中田プロがトップ目を必死に維持しています。

 中田プロは連荘して、もう一度リードを広げようと、7巡目に6索・8索・9索待ちでリーチしました。

 ラス目の白鳥プロに絶好の手が入っていました。8巡目に5索をツモった手牌です。

 白鳥プロはタンヤオ・ピンフ・リャンペーコーを狙い、無筋の3筒を外しました。

 さらに9巡目に2索をツモり、無筋の4筒を続けて押しました。

 2着目の浅見プロが9巡目に9筒を暗刻にした手牌です。

 浅見プロは自風の北を暗刻で持っています。危険牌の4索を勝負し、4筒・7筒待ちで聴牌です。

 直前に白鳥プロが4筒をリーチしている中田プロに通しているので、出あがり狙いで黙聴に構えました。

 追っかけリーチしたい気持ちをぐっとこらえ、親のリーチを着実に不発にしようという冷静な判断です。

 すると、白鳥プロが10巡目に7筒をノータイムでツモ切り放銃。浅見プロは北・赤ドラ2の6400点(+1000)です。

 このあがりで浅見プロの持ち点は35600点になりました。中田プロの連荘を阻止し、6600点差で逆転してトップ目に浮上しました。

 浅見プロにとって決め手の一局となったのが南3局1本場(供託1)です。

 持ち点は南家・浅見32600、西家・中田26000、北家・高宮22300、東家・白鳥18100です。

 3着目の高宮プロが6巡目に5筒をチー。三萬・六萬待ちでいち早く聴牌しました。

 
 高宮プロは役牌でドラの白が暗刻の満貫確定の手。ツモるか、浅見プロから直撃すれば一気にトップ目に立てます。

 トップ目の浅見プロが8巡目に1索を重ねた手牌です。

 浅見プロは高宮プロの現物の3索を外し、4索・7索待ちで聴牌です。

 4索は直前に白鳥プロが切っていて、高宮プロに通っています。

 浅見プロはここでも黙聴を選択しました。リーチして手牌にふたをしためくり合いには持ちこみません。危険牌をつかんだときに回れるようにしています。

 トップ目らしい放銃を防ぐ冷静な選択です。

 この3索を2着目であがりのほしい中田プロが8巡目にポン。イーシャンテンです。

 もし、浅見プロがリーチしていたら中田プロは鳴かなかったと思います。

 この鳴きで高宮プロに8巡目に7索が流れました。高宮プロはツモ切って放銃。浅見プロはピンフ・赤ドラ1の2000点(+1300)です。

 浅見プロの持ち点は35900点になりました。2着目の中田プロに9900点差をつけ、ラス親を迎えました。

 南4局は高宮プロと白鳥プロの2人聴牌で流局。

 第11戦の結果は浅見36400(オーラスの供託2000点を含む)、中田24500、高宮20500、白鳥18600です。

 デビュー戦で浅見プロはトップ、中田プロは2位。それぞれ好スタートを切りました。

 特に、浅見プロの胆力と巧みな打ち回しは見事でした。

 


 

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