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サイトリニューアルの提案書をつくる前にやってること

あっというまに2019年最後の営業日です。
今年もたくさんの人にお世話になりました。新しい出会いもたくさんあった。早かったような、思い返すと濃厚だったような。

さて。私はWebディレクターという役割上、ゴリッゴリの制作ディレクションも行いますが、気合い入れて50ページ超の提案書を作ることもあり、年末の棚卸しを兼ねて、私がWebサイトリニューアルの提案書を作る前に基本としてやってるすっごい地味作業について3つのブロックにまとめてみました。
と言ってもそこまで「そんな方法があったのか!」みたいなものではなく、割と当たり前の事をしつこくやってるだけだったりするので、提案書づくりの銀の弾丸を探してるって人は何も言わずスキだけ押してください。

やることその1:ファイルリストを作成し、物理構造を把握

サイトリニューアルの提案をする時、まずやることは「現サイトの理解」。でた。いきなり想像以上に当たり前。まぁ聞いて。
まだ受注前なので、サイトのファイルリストは無い。無いから作る。見積の精度にも関わるので頼むからスキップしないで。

スクレイピングツールでページリストを作成し、ディレクトリ階層を整理してファイルリストに整え、ディレクトリ(コンテンツ)毎に階層化する。1000ページ超のサイトだと少々面倒だけど、この下ごしらえが大事。

スクレイピングツールはScrutiny7というツール使っています。Macで使えるアプリ。1万円程だけど、それ以上の価値はある。たまにShift-JISのサイトだと文字化けしたりしますが。。
WindowsだとWebサイトエクスプローラーですね。出来上がりのエクセルに不要情報が多いからScrutiny7の方が好き。SEO調査もいっぱいできるし。

やることその2:コンテンツの理解

次にディレクトリ1つ1つ、コンテンツをざっと見て中身の概要を理解し、掘ればキラー化しそうな子がいないか、個別最適化で作りまくって一匹狼化してる子がいないか、フォーマットバラバラになってしまってるけど実は定型化できそうなところがないか、いちいち細かくしつこく見る。

1,000ページ超えてくるサイトとかだとここのフェーズもすっごい面倒で非効率だけど、これサボらずやると次やる事が写輪眼レベルの解像度になるのでこれもサボっちゃ駄目。

更に対象サイトの成果物をユーザー目線、管理者目線、競合目線といろんな目線になりきりながら見て、制作現場担当者目線で見て「このコンテンツめっちゃ頑張ってつくったんだろうな」とか「このコンテンツ面白い!なのになんでこの扱いもったいない!この子もっと可愛がってあげて!」という謎のシンパシーから担当者の過去の奮闘と葛藤に対しての妄想劇場で理解と敬意を膨らます。若干精神性な入りますが、この練り込みは次の3と2を行き来したりする。

やることその3:他サイトの調査

ひとしきり対象サイトを理解したら、次はどこかの青い芝生を求めて競合企業や類似する情報構造をしてそうな企業サイトを見て、参考になりそうな情報設計やコンテンツの見せ方をしているサイトを調べる。間違ってもカッコいいサイトは探すな。目的はそこじゃない。

「その2」で対象サイトのそのものの内容や課題はおおまかに理解しているので、この調査を重ねることでクライアントだけでなく市場全体の理解にも繋がり、クライアントのビジネス課題がより鮮明に見えてくる。

実はこれ副次的な効果もあって、クライアントも「そんなコンテンツがあったんですか」という事や「そこまで調べ尽くしてくれんでもええのに・・」と感謝されたり、競合がやってる取り組みの理解に繋がるので、クライアントと視座を合わせることができ、パートナーとしての共闘体制を組みやすくなる。マジでいいことづくめ。

さいごに

これらの行為は、手書きのノートとか印刷したファイルリストにガンガン書き込むもので、最終的に出来上がる提案書には数ページしか入らないものだたりする。

だけど、リニューアル課題の再定義やプロジェクトゴール設定、そこに持っていくためのプロセスやその後の未来へ向けた秘密のプラン、一つ一つの具体的な施策内容と必要な要素に繋がる。

なぜ既存サイトをしっかり見るのか?というのも、サイトリニューアルは「今あるものを更地にして新しいピカピカのハコを作ろうぜ!」より、「過去に担当した制作会社やクライアント担当者みんなが頑張って作って育ててきた過程の資産として活用できる所に光を当ててレバレッジさせるほうが効率的だし敬意があるし愛を感じるよね!」というのをクライアントと共有したいっていう個人的な想いが根っこにある。


ってこんだけ気持ち色々込めても、取れないときは取れないんだけどね!
そんときはそんときで3年早かったと気を取り直して次行こう次!

最近はTwitter中心に動いています。主にWeb制作や日々触れる情報などから気付きをつぶやいているので、ご興味ありましたらぜひフォローください。