悪夢は時に甘やかに来る
『エスカレーターを上がってそこに着いた僕は、妙に既視感のある、修学旅行で泊まったホテルのロビーのような広々とした空間を見渡した。
偽物かもしれない大きな観葉植物と、お菓子の入ったプラスチックのカゴーそれは数えきれないほどあるーを置くための大きな棚に気を取られ、名前を呼ばれるまで受付を忘れていた。
「こちらのカゴは山田さんのものになります。名前のシールを貼って、棚に置いてください。届き次第、随時追加していきますので」
「分かりました」
このシステムを知ったのは初めてだったはずだ