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茶室、サウナ、書庫……「態度を調える」住まいを|ベーシスト/音楽プロデューサー 濱田織人さん

 4月27日にローンチした「NESTING」。カスタマイズ可能な3種類のテンプレートを用意し、あなただけの理想の家づくりが実現できる、デジタル家づくりプラットフォームです。

 今回、今後NESTINGを使った家づくりを検討されている方々へ「理想の家づくり」をテーマにインタビューを実施。大きさや用途が異なる3種類のテンプレートでそれぞれ、いまの住環境や理想の住まいについてお話を伺いしました。

 2人目は、ベーシストであり音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、茶道家、サウナーなどたくさんの顔をもつ濱田織人さんです。趣味や興味関心が幅広い濱田さんは、その「偏愛」に没入するためのSサイズの家を検討中。理想の住まいと暮らしを語っていただきました。

NESTING Sサイズモデル

━━現在のお住まいについて聞かせてください。

 いまは目黒区にある戸建てに、家族で住んでいます。間取りは4LDKですね。生活エリアはずっとこのあたりで、いまの家は2011年に完成しました。

━━なぜその場所に家を建てることになったのでしょうか?

 今の家はもう10年以上住んでいて、特に離れる理由がなかったというのが一番の理由でしょうか。住み心地の良い街です。

 いまの家には満足しています。というのも、家の設計を自由にできる住宅だったんです。建築条件付き土地、というのでしょうか? 土地を購入するときに「ここの施工会社で建ててください」という条件があったのですが、当時の設計担当の方が良い方で、コミュニケーションもうまく取れましたし、土地の売主の都合で、設計期間が延びたこともあってかなり自由に作りました。

 ポイントは、帰ったら必ず誰かの顔を見られるように、玄関から必ずリビングを通る導線にしたことです。あとは細かいところで、洗濯ルームを2階に持ってきたり、孟宗竹のフローリングにしたり、消臭効果のある塗り壁にしたりしました。僕の仕事部屋はベースを弾くこともあるので防音仕様にしています。

━━設計するときは、どのように進めたのですか?

 自分で図面を描いて、それを切り出して立体的に切り貼りしながらプロトタイピングしていきました。「レゴ アーキテクチャ スタジオ」という白と透明のブロックで構成されているレゴを使って、子どもと一緒に組み立てたりもしましたね。

お子さんと一緒にレゴでつくった家は、いまも大事に飾っているそう

 元々建築が大好きなので、数々の建築を見てきた中で湧き上がってきた自分のこだわりをできる限り表現したかったんです。担当者も良い提案をしてくれて、満足のいく家ができたと思います。

 手間がかかったといえば確かにそうかも知れませんが、それよりも自分たちが納得のいく家を建てたかったので、手間については特に何も思いませんし、そのおかげでいまの家には不満なく住めています。しいて挙げるなら客間が欲しかったですが、足りないことを挙げればきりがないですからね。もし家をまた新しく建てるときは、どんな家にしたいのか、想像するのはとっても好きです。

━━家づくりのプロセスで不便に感じたことはありましたか?

 先ほどお話したように、建築条件付き土地だったので、たとえば建材を検討するときには施工会社の契約先からしか選べないなどの制約がありました。幸いにも「この建材でなければいけない」というものはなかったので良かったですが、さらにこだわりたい人にとっては不便だろうなと感じますね。

 あとは土地ですね。家を建てたいとなって探し始めてから、見つかるまでに大体1年くらいかかりました。地元の不動産会社をまわり続けて、エリアと予算が合致するところを妥協せずに探し続けた感じです。

━━もしNESTINGを使った家づくりをするとしたら、どんな家をつくりたいですか?

 つくりたい家がたくさんあって困るのですが(苦笑)、NESTINGのSサイズのテンプレートを使うとするなら、まず浮かんだのは「茶室」ですね。私は茶道家でもあるのですが、お客さまをお招きして振る舞う一期一会の場所を自分で作れたらいいなあと思いました。

 伝統文化は本来ずっとアップデートし続けてきましたが、西洋文化が入ってきてからは維持し残していく方向にシフトしてしまっています。茶道文化も同様で、千利休が今の時代に生きていたらもっと違う茶室を絶対につくっているはず。杉本博司さんの硝子の茶室「聞鳥庵」のように、新しい形の茶の湯を表現する場として使ってみたいなあと思いますね。やはり俗世から離れた場所がいいなとは思いつつ、思い切って都心のビルの中につくるのも面白いかもしれません。NESTINGでつくる家は木造だからこそ、時とともに侘びていく様が美しいでしょうね。

茶室モデル

 サウナーとしては3〜4人が入れるサウナを、できれば川沿いに建てたいです。今はご時世的に温泉や銭湯のサウナ内で会話ができないじゃないですか。僕はサウナの中でおしゃべりしたいので、身近な人達を招いてみんなで楽しめるような場所になるといいなと。作るならロシア式サウナで、「バーニャ」をイメージしています。Sサイズのテンプレートならピッタリの大きさですね。

サウナモデル

 まるで書庫のように、本に囲まれた家もいいかもしれません。本の置き場に困っている人が僕の周りに多いので、何人かで共有した書庫を何個か作りたいですね。P2Pのような知を共有し合うことができるハブのような書庫を作ってみたいです。訪れた人が好きな本を置いていったり、逆に持っていったりするのとか楽しそう。場所は色々想像が膨らみますが、例えば京都の哲学の道あたりに、あえて俗っぽい本を置いてみるというのも面白いし、大自然のど真ん中にこもれて、自分と向き合う本がたくさんあるのも楽しそうですね。これが全国各地にあると、その場所によって集まる本に違いが出てきそうですね。

書庫モデル

━━たくさん妄想が膨らみますね。ベーシストとしての家はいかがでしょうか?

 実は10年以上前に、葉山あたりにスタジオを建てようと計画したことがあるんですよ。結局いろいろな理由で頓挫したのですが、その後世田谷区に住んでいた父が七里ヶ浜の海沿いに移住したことを機に、いまは目黒区の家と父の家を2拠点的に行き来しているところです。

 ただ、そこはあくまでも実家。本当はいまだに20畳くらいのリビングスタジオみたいなところで、自由に音を出せる空間をつくってみたいなと思っています。大きい窓のあるスタジオで、外の景色を眺めながらリラックスして演奏したいです。人間が人間らしく暮らすことができる環境。自分の生き様を表現したり、自分自身の態度を調える空間としての家を、いつかつくってみたいです。

 と、やりたいことはたくさんあるし建てたい家もたくさんある。一度に全部は難しいですが、まずはこのなかのどれかを実際にNESTINGをつかってプロトタイプしながら建ててみたいですね。アプリケーション上で、自分の理想の家をプロの設計士の方と共有しながら形にしていけることはすごくいいと思いました。

 NESTINGでは土地情報も提供していただけるようですが、一度家を建ててみた経験から、土地ばかりはご縁だなと改めて思います。土地の雰囲気は人が自然が必ず介在していますから、自分が建てたい家をがっちりと固めて、それが建てられる土地を探すのではなくて、その地域の人や土地に実際に触れ、こそ湧き上がってきた理想の暮らしや住まいが、きっと最適解なんだろうなと思ってます。

 僕は海士町や金沢や日向や京都など日本中に好きな街がたくさんあるので、それぞれに家を持って、各地域との関係性を築きながら暮らせたら最高だと思っています。そのとき、実際に建てる家は先ほど話したものとは違う可能性も大いにあります。NESTINGを使ってそんな柔軟性のある家づくりができると思うと、とてもワクワクしますね。

濱田 織人(はまだ・おりと)◎ ベーシスト、音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、NPO法人SOMA副代表理事、アトリエリスタ、芸術修士(MFA)。スタジオミュージシャンとして演奏活動しながら、作編曲、作詞、プロデュースと幅広く活動。2017年クリエーティブブティック創業後、活動範囲を音楽以外にも拡大し、芸術教育などにも力を入れ始め、NPO運営にも携わる。プライベートでは、裏千家茶道家として初音庵主宰。密かに楽しんでいたサウナの魅力をゆるやかに発信中。鮨とタコスが大好き。フードカルチャー誌RiCE.pressにて「一期一食」連載中

<インタビュー後記>
全国津々浦々、色んな地域に友達がいる濱田さん。茶室やサウナや書庫など、テーマに特化した空間をつくり、友達を招くスタイルにはNESTINGの「S model」がぴったりだと思いました。NESTINGでは、記事内の平面図のようにプロの設計者がサポートしながら、ご希望のスタイルに合わせて空間をカスタマイズすることができます。(将来的にはアプリケーションでも対応予定です)
また、自然豊かな土地の情報も関東近郊を中心に集まってきているので、色んな土地をご紹介して一緒に様々な使い方をプロデュースしてもらいたいです。(山川)

家づくりを直近でご検討中の方のみならず、将来のために話を聞いてみたい、もっと知りたいなどNESTINGにご興味を持っていただいた方は、ぜひお問い合わせください。
問い合わせフォーム

NESTING
https://nesting.me/



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