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スーパーと自宅の間に台所がほしい【3/27】

「絶対に君のことを忘れない」「大切にする」「期限内にちゃんと食べ切るからな」って思いながらスーパーで食材をとり、かごに入れ、購入して家に持って帰る。全部の食材に対して等しくそんな思いを抱いて買っている。

なのになぜか、家に帰るころにはその存在を忘れてしまいがちだ。ひどい。あまりに忘れっぽいので、自分の食べ物に対する「好き」とか「愛してる」って気持ちはまがいものなんじゃないかなって疑ったことが何度もある。というかまだずっと疑っている。

いつになったら食材をちゃんと使い切れる人間になれるんだろうって10000回くらいは思ってきたけど、進歩がないままここまできてしまった。

もう、自分じゃなくて環境を変えた方がいいのかもしれない。スーパーと家との間に台所があったら、食材に対する「使い切るぞ!」って気持ちがめちゃくちゃにあついまんま、調理ができるんじゃないだろうか。いや、でもその場合、作った料理を自宅までどう運ぶつもりなんだろう。

今日は、表面がしなしなとしおれはじめ、危険な様相の汁がでかかっているトマトを「まだ食べられる気がする」というなんの根拠もない直感のもとで調理して食べた。ミニトマトも同様にして食べた。変色しかけていたパクチーとマッシュルームも食べた。ぜんぶスパイスカレーのなかに入れて。封をあけたのがいつなのか思い出せない豆乳も混ぜておいた。

一人暮らしのいいところは、こういう料理を自分の気持ちひとつで勝手に作って、誰の胃腸も傷つけずに生きていけることだと思う。

味はふつうにおいしかった。

こういうときに心の奥のほうで静かに感じている、おっしゃーって口に出すほどじゃないけど、ふふふってにやついてしまうくらいの気持ちは、たぶん、言語化するのならば「達成感」というやつなのかもしれないなと思った。思っただけで、明日にはもう忘れている気がする。

なので、気持ちがまだあるうちに日記を書いた。明日も続けられるのかはよくわからない。


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