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2023年上半期のヨジャドル楽曲を振り返る

2023年もケーポ沼にどっぷりなのですが、上半期もヨジャグル(女性アイドルグループ)旋風はすごかったですね。いわゆる第4世代は出す曲出す曲100万枚を超えるセールスと、このサブスク時代にも関わらず90年代の日本みたいになっていて驚きを隠せません。
そんな凄すぎた上半期に個人的によく聞いた楽曲や気になった楽曲をまとめてみたいと思います。

NewJeans「Zero」

7月に入り「Super Shy」「Cool With You」「ETA」とタイトル曲3連発で話題を席巻しているNewJeansですが、今回は上半期の振り返りということでそこには触れません。
「OMG」はギリギリ2023年なんですけど、「Ditto」からの流れがあるのでこちらも割愛。
ということで前置きが長くなりましたが、個人的にはこのコカコーラのタイアップ曲「Zero」が結構好きでした。
ドラムンベースなのに爽やかな疾走感があるこれまでにない感じの曲だなと思いました。タイアップ曲でもこのクオリティで来るのは本当にえぐい。


IVE「Kitsch」「I AM」

第4世代筆頭格のIVEは今年も健在。ということで先行曲の「Kitsch」とタイトル曲の「I AM」をご紹介。
「Kitsch」は心地よく、「I AM」は超高音が鮮烈な曲で、その対比を含めてこれぞメジャーだなと。
パートの偏りやMVでのウォニョン負傷問題など色々叩かれがちですが、アウトプットとしては流石の一言です。IVEはこのまま王者の道を突き進んでほしい!


aespa「Spicy」

所属事務所の買収問題でなかなかカムバできなかったaespaが夏曲を提げて帰ってきました!
本曲はこれまでのどこかダークなメタバース的なコンセプトは鳴りを潜め、明るくフィジカル感満載な夏曲になっています。カリナ曰く「現実世界に帰ってきて空気がおいしい」そうです(笑)
メタバース的なコンセプトが弱くなった分、ニンニンのパワフルなボーカル、ウインターの高音、ジゼルの英語、カリナの安定感とaespaメンバー本来の魅力がダイレクトに伝わる一曲かなと。


XG「SHOOTING STAR」

日本発のヨジャグルとして活躍中のXG。今回の曲も流石でした。
楽曲もさることながら、メンバーの衣装や世界観も日本のカワイイを韓国だけでなく世界基準でローカライズしている解像度の高さに驚きました。これがちゃんと世界で戦うカワイイなんだなと。


LE SSERAFIM「UNFORGIVEN」「Eve, Psyche & The Bluebeard's wife」

宮脇先輩のルセラも絶好調の上半期でしたね!
この「UNFORGIVEN」も100万枚を突破し大ヒットとなりましたし、後続曲の「Eve, Psyche & The Bluebeard's wife」もダンスがTikTokでもバズりまくってました。
今回で完全にルセラのスタイルが出来上がった感じがします。ボーカルはユンジンとチェウォン、ビジュアルはカズハ、宮脇先輩はパートこそ少ないもののラップで存在感を出し、ウンチェはただただ可愛い(し、アクセントになってる)、といったメンバーのポジションも同時に確立されてきたように思います。


HUH YUNJIN「I ≠ DOLL」

ルセラ繋がりでユンジンのソロ曲もご紹介しておきます。
ユンジンは学生時代に声楽をやっていたこともありボーカル力に定評がありますが、作詞作曲もできるシンガーソングライターでもあるんです。
そんなユンジンのソロ曲「I ≠ DOLL」は外見やメディアの切り取りなど一面的に判断する大衆に対するセンセーショナルな歌詞が心に刺さります。乾いた明るい曲調にグサグサくる歌詞の対比が叙情的で、何度も聴きました。
このMVのアートワークもご自身でされたそうで、マジで多才。


(G)I-DLE「Allergy」「Queencard」

僕の最推しグループの(G)I-DLEも絶好調でした!
昨年の「TOMBOY」「Nxde」がコンセプトから何まであまりにも鮮烈だったために、ハードルが上がりすぎているような気もして非常に心配していたのですが、完全に杞憂でした。メンバー件プロデューサーのソヨン様に土下座です。
先行曲の「Allergy」、タイトル曲の「Queencard」は世界観もMVも地続きになっており、テーマは自尊心とされていますが、主にルッキズムについて描いています。
「Allergy」はかつてオーディション番組で容姿を貶され「鏡アレルギー」になったというソヨンの体験から来ている曲。ルッキズムに苦しみSNSの切り取りだけで他人と比較してしまう現代の病巣を、アヴリル・ラヴィーンを思わせる軽快なギターサウンドで表現しています。後半の空虚な「La la la…」のところで僕は泣きました。
「Queencard」では一転して、Blurを思わせる中毒性のあるサウンドに自信に満ち溢れたメンバーの姿を映し、重要なのことはありのままの自分を受け入れることだという力強いメッセージを発しています。ちなみに「Queencard」は韓国のスラングで、クラスなど集団において一番イケてる女性という意味だそうです。
ということで(G)I-DLEは今年もしっかり世の中の不条理と戦っていてくれました。カッコ良すぎる。
とにかくこの2曲のMVはぜひ「Allergy」→「Queencard」の順で見てほしいです。


STAYC「Teddy Bear」

ちょっと(G)I-DLE語りすぎて重たくなったので、STAYCの「Teddy Bear」をご紹介。
見てもらえればわかりますが、ガーリーでポップなサウンド。やっぱりただただ可愛い世界観ってKPOPならではの良さだと思うんです。


YENA「Hate Rodrigo」

元 IZ*ONEのYENAの新曲もそんなガーリーポップが炸裂した楽曲です。
オリヴィア・ロドリゴに憧れる女の子を描いた歌なのですが、見事に権利関係の問題になってMV修正に追い込まれました。中途半端な炎上マーケティングになってしまい少し残念ですが、楽曲はとっても良いので聴く価値あります。


TWICE「MOONLIGHT SUNRISE」

ここいらでベテラン勢も少しご紹介。昨年めでたく全員契約更新したTWICEから「MOONLIGHT SUNRISE」です。
表題曲は「SET ME FREE」だったのですが、先行曲のこちらの方が僕は好みでした。
昔から深くTWICEを聞いてきたわけではないので語るのも烏滸がましいのですが、本楽曲は完全に大人な雰囲気にシフトした感じがして新鮮に感じました。大人の魅力というか第4世代にはない余裕を感じます。


JISOO「꽃(FLOWER)」

BLACKPINKのジス待望のソロ曲が登場!同グループがアジア人初のヘッドライナーを務めたコーチュラでも披露されていましたね。
英語の副題が入っている通りですが、「꽃」は韓国語で花という意味です。
アメリカで撮影されたというMVは映像もジスも美しすぎて息を飲みます。どこか東洋的なサウンドも耳に残りますし、手を広げて花を作るような振り付けも流行りましたね。


FIFTY FIFTY「Cupid」

ここまでは大手のアイドルが多かったのでここからは中小事務所の楽曲をご紹介。
この「Cupid」は弱小事務所発にも関わらず、韓国アイドル最速でビルボードホット100にランクインしてしまったという本楽曲。
パンチの効いた難解な展開の多い今のKPOPの楽曲に比べて、とても聴きやすい楽曲になっています。
残念ながら事務所とメンバーが揉めてしまっており、この先の活躍を見ることは難しそうです。いろんな意味で伝説の一曲かもしれません。


H1-KEY「건물 사이에 피어난 장미(Rose Blossom)」

H1-KEYも中小事務所のアイドルです。
デビュー曲の初動販売量はたったの264枚というところから、この曲は音源チャート逆走し、ついには1位を記録という奇跡を起こしました。
タイトルの日本語訳は「建物の間に咲いたバラ」。過酷な環境でも諦めずに咲き誇りたいという強いメッセージが、様々な事務所で長い期間練習生をしてもなかなかデビューできなかったメンバーたちと中小事務所発というコンテキストと相まって心を打ちます。落ち込んだときに聞くと元気が出ること請け合いな一曲です。
メンバーのリイナは日本語もかなり堪能なので、日本でも活躍してほしいです。

最後に、H1-KEYのメインボーカルのフィソのサバイバル番組でのパフォーマンスをご紹介して終わります。
歌や表情、パフォーマンスの迫力も華があって素晴らしいです。
大手事務所所属だけでなく、こういった埋もれた才能に光が当たる環境になると良いなあと切に思いました。


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