見出し画像

しばらく円安が放置される理由

日銀による為替介入のニュースも入ってきたが、しばらく円安は放置されると思っている。その理由を書きたい。

インバウンド消費狙いなら、円安のほうがいいから

年間の訪日外国人数が過去最多の3188万人に達した2019年、円相場は1ドル=110円前後だった。7日につけた144円台よりも30円以上高く、他の条件が同じなら相当の需要を見込める可能性がある。松野博一官房長官は7日午前の会見で、急速な円の下落をけん制しつつも「円安のメリットを生かせると想定している」と語った。

ロイター

外国人観光客の緩和が始まっている。外国人観光客の消費は政府としても歓迎だ。観光業にも追い風だ。円安というだけで、旅行先の日本を選択する外国人もいるだろう。となると、為替介入をして円高にする理由が見当たらない。損をするのは、輸入品の値上げに大して価格転嫁された一般消費者だ。これまでの政策をみてもわかるように、一般消費者を救う政策は打ち出さない。これから外国人観光客が増えて、インバウンド消費が好調ならなおさら円安歓迎だ。政府としてはのらりくらりとかわし、円安容認の動きになる。

根本的な解決は日本も利上げだが

金利が上昇すると住宅ローンを組んだ人が破綻するという。私は住宅ローンというとフラット35のイメージが強い。固定金利だ。だから影響は少ないと思っていた。しかしかなりの割合で、変動金利型を選択しているようだ。

住宅金融支援機構によれば、金利上昇が始まる前の21年10月時点において「変動金利」を選択した顧客は67.4%と全体の3分の2以上であった。しかし、驚くべきことに、最新の調査結果では、目先で金利上昇が発生しているにもかかわらず「変動金利」を選択している契約者が73.9%まで増加しているのだ。

それだけではない。変動型の融資を選択した顧客において48.5%が、物件価格に対する融資の割合が90%を超えているのだ。

住宅ローン契約者で変動金利を選択した73.8%のうち、9割以上の融資率となっているのは44.8%である。つまり足元では、全住宅ローン契約者のうち33%、3人に1人が住宅ローンの破綻予備軍となっている。

仮に金利を上げたとすると、ローンの支払ができなくなり、住宅を売却し、ローンの残債をコツコツ返していくことになる。これから家を買う人も減るだろう。買うにしても安い物件しか売れなくなる。そうなると不動産(売買)業界は一気に冷え込むだろう。賃貸は盛り上がるが。不動産の手数料は、物件価格に対する割合なので、利益が減ることになる。

ヤフーニュース

仮に金利を上げたとすると、ローンの支払ができなくなり、住宅を売却し、ローンの残債をコツコツ返していくことになる。これから家を買う人も減るだろう。買うにしても安い物件しか売れなくなる。そうなると不動産(売買)業界は一気に冷え込むだろう。賃貸は盛り上がるが。不動産の手数料は、物件価格に対する割合なので、利益が減ることになる。

結局はアメリカの金利次第

日本でできることは少ない。というより、円安のほうが政府にとってメリットが大きいように感じる。なので積極的に介入もしない。結局アメリカの利下げ頼みで、それまでのらりくらりと批判をかわしたり、介入やるやる詐欺を繰り返すだけだ。アメリカの金利が下がるのであれば、今度は米国グロース株が上昇する。いずれにしても、ドル買いのポジションを取りつつ、アメリカが利下げしたら株にドルを投入するだけで大きな間違いは侵さない。下手に円高に振れるときの値幅を狙わないほうがいいだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?