見出し画像

マクドナルドの思い出2


高校生の頃、マクドナルドでバイトをしていた。そこは小規模な店で、基本的にバイトだけで店を回していた。
ある日のこと、店に入るとマネージャー(と言ってもバイトの大学生)が真剣な顔で近寄ってきて言った。
「ごめん。バンズ発注するの忘れてた。もう在庫がない」
バンズとは、ハンバーガーに使うパンのことである。え?パンがないのに店開けていいの?看板に思いっきり「ハンバーガー」って書いてるけど?
混乱している間にお客さんが来てしまった。レジ担当は私しかいない。
「えーと、チーズバーガーとぉ、、、」
「申し訳ありません。ただ今チーズバーガーは品切れ中です」
「えっ?そうなの?じゃあハンバーガー」
「申し訳ありません。ハンバーガーも品切れでございます」
「・・・じゃあ何があるの?」
本日の当店は揚げ物専門店と思っていただき、ポテトとナゲットでひとつよろしくお願いしたく。心の中でマネージャーに呪いの言葉を吐きながら、何とかその日の営業はハンバーガーなしで乗り切ったのだった。
数年後、その店が潰れたと噂に聞いたとき、誰のためか分からないがなぜかホッとした。

よろしければ「マクドナルドの思い出1」もセットでどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?