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自分の写真機材を知ること・ソフトもハードも #翔ルーム添削結果 004

何事もまず己れを知ること。写真は結局のところその人の感性です。上手くなるためには、どうしたら良いのか?今回はそんな点を考えながら添削していきましょう。

■ 写真上達の秘訣

さて皆さん、自分の機材をどこまで理解していますか?例えばISO感度、最近のカメラであれば設定としては相当な値まで上げられますが自分の作品としての限界値は別なはずです。

自分の場合ミラーレスでよく使うSONYのα7R3はISO102400までいきますが、自分の作品として使う写真ならせいぜい800までが限界かなと思っています。その値はアウトプットの形態に依ります。最終的な見せ方をB0サイズのプリントとしている場合、SNSやウェブサイトで見せる場合でも違ってきます。

ある人がOKだというものも他の人がNGを出すことがあるということ。絞り値はどうなのか、ノイズの特性はどうなのか・・・自分の限界値をしっかり見定めないとどんなにいい機材でもポテンシャルを100%発揮できません。

投稿作品

最近、平面構成の写真にも興味がありチャレンジした一枚です。
圧縮効果を狙ったため望遠端で撮影しました。
夕方に撮影したため、ISO感度を意識しつつF値を絞り、
パンフォーカスな描写をさせることで一枚の絵のような感じに
なるよう仕上げてみました。

作者コメント

■ ディテールの限界値

冒頭になぜくどくどと機材の限界値について言ったかというと、今回の作品を見てディテール、特にビルの壁面あたりの描写に破綻が見られたからです。これも先に述べた通り私からすると、ですが。

感度を上げるとディテールが失われていくのは、簡単にいうとRAWであれjpegであれ受け取る光量が少ない分「増幅」させる時の悪影響です。それに加えて各社カメラや現像ソフトの画像生成の傾向にも依りますが、それら総合的に見て三脚でじっくりと撮ったものと比べると画質が落ちてしまうのです。よく言う「塗り絵」的というやつです。

こちらはRAWデータをそのまま展開した、画面中央あたりの拡大図です。いかがでしょう?

Adobe Camera RAWにて現像

本来壁面にはないうねうねとした模様や擬色が出ています。この写真は曇天の日に撮られたものだと思いますが、やむなく上げたISOの影響はかなり大きいです。将来的にソフトが進化し、かなりの高感度でも問題なく現像(可視化されたデータ)できるようになるかもしれません。しかし、そうした時もしっかりと光量が多い=情報の多いデータの方が優位なのは言うまでも有りません。

感度以外にも自分のレンズは絞り値がいくつから周辺がしっかりするか、f4とf8ではどのような描写の違いがあるのか、自分なりの認識を持つことが重要です。ソフトとハード、それぞれの限界値を知ることは機材のポテンシャルを引き出すコツです。ではどうやってその限界値を知ることができるのでしょうか?

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