小学生から始める手帳活用
2020年5月の頭、コロナウィルスの影響で長期休校が決まった、教室の子どもたち(小5以上高3までのクラス)に向けて、お手紙を書き、スケジュール帳を送りました。
そのときの手紙を公開します。小5以上の子を頭に浮かべて、自分が語りかけるように読んでもらえたらと思います。わたしがいつも、どのような言葉を子どもたちに向けているのか、擬似体験できると思います。
また、自分が小5だったら、先生にこのように言われたらどんな気持ちになるか、考えてみて欲しいです。
* * *
muléeパフォーマンスクラスのみなさんへ
こんにちは。
どんな毎日を送ってますか?
今、大事なことは「切り替えて、この生活の中でどう過ごすか」を考えることだと思います。
3月初めから、みんなの生活にもコロナの影響が出始めたね。
先生は、幼稚園の子から大学生まで、連絡を取って話を聞いているんだけど、いつも、大学がいちばん初めに何かが決まり、2週間か3週間経ってから小中高校が同じように決定する、ということが続いています。
今、大学は、MちゃんもRちゃんもAさんもSも、9月半までのオンライン授業が決定しています。
(ちなみに、Rちゃんは大学から10万円もらったらしいよ!!スゴー!Sはタブレットと毎月10ギガもらったし、正ちゃん(Sのお兄ちゃん)は、3万円もらったらしい!)
みんなの学校はまだ、5/7からどうするかも決まっていないところもあるよね。
そんなとき、「なんも連絡ないから、5/7までは休んで〜〜、そのあとは〜どうするんだろ〜〜?わかんなーい」って過ごしてるのか、自分で先のことを考えて予測して過ごすのか、大きな違いがあると思うの。
みんなには、決定に従って動くだけではなく、自分の人生をどんな風に設計して生きていくのか、少しずつ考えて暮らしてほしいと思っています。
なんでかっていうと、「決定」って言ったって、こんな騒ぎは、今まで誰も経験したことがないから、「偉い人の言う通りにしておけば幸せになれる」ってことは誰にも分からないわけよ。
じゃあ、どうしたらいいかっていうと、やっぱり、ひとりひとりが自分で考えるしかない。
ミューレでたくさんのイベントを作って行動してきたみんななら、きっとできると思うから、「従う」だけじゃなくて、「自分で決めて暮らす」ってことを、ぜひ、やってみてください。
そこで、今年、パフォーマンスクラスで使おうと思っていた教材をみんなに送ります。
スケジュール帳です。
本当は、年末のイベントに向けて、レッスンの計画を自分で立てるってことをやってみたかったんだけどね。
スケジュール帳ってね、大人になって仕事するようになったら必ず必要になるものなんだけど、そのときになって「さぁ、使って!」って言われても、どうやって何を書けばいいのか、案外、分からないんだよね。
けど、使い慣れていたら、当たり前に使える。
つまり、練習が必要というわけ。
みんなに少しずつ、練習してほしいから配ります。
スケジュール帳を使いこなすコツは、毎日開くこと!
まずはコレ↑。
絵でも日記でも、なんでもいいから、とにかく毎日開いて、毎日使うこと。
それが最初です。
小学生〜中学生には、「マンスリー手帳」を配ります。
「マンスリー」っていうのは、「月に1ページ」っていう意味です。
高校生には、ウィークリー(週に1ページ)、その中でも「バーチカル」というタイプのを配ります。「バーチカル」っていうのは、「垂直」という意味があります。
1日の時間を縦に割ったものです。
スケジュール帳の使い方を教えます。
楽しんでできることからやってごらん。
(1)かわいがる!!
・カバーの中に自分の好きな絵やアーティストの写真を挟む。
・自分で絵を描く
・シール貼る
・マスキングテープでデコる
などなど・・・
(2)年間で決まっている予定を書き込む
・家族の誕生日
・学校の予定
・ミューレの発表会(11/28だよ!)
などなど・・・
自分のなんだから、何を書いてもいいんだよ。好きなアーティストの誕生日とか、好きな漫画の発売日とか。
(3)1ヶ月先までの予定を書き込む
・登校日
・おばあちゃんの誕生日パーティー
・うちのやぎが赤ちゃん産む
などなど・・・
予定がだいぶ細かくなってきたし、どうなるか分からない予定も出てくるよ。
(4)1週間分の予定を書き込む
・宿題しめきり
・9時にテレビ見る
などなど・・・
すごく具体的になってくるよ。
(5)予定に対してやらなくちゃいけないことを書き込む
たとえば、「宿題しめきり」ってあったら、それまでに宿題をやらなくちゃいけないね。(やるかどうかは別だけど)
それって、何日くらいかかりそうなのか考えて、矢印で書き込みます。
(6)予定に対してやりたいことを書き込む
(5)で「やらなきゃいけないこと」を書いたら、残りがどのくらい空いてるか分かるよね。
そこに「入っている予定までにやりたいこと」を書き込みます。
たとえば、「おばあちゃんの誕生日パーティーまでにクッキーを焼きたい」とか。
絶対にやらなきゃいけないことじゃないけど、できればやりたいこと。
(7)いつでもいいけどやりたいことを書き込む
「時間ができたらやりたいな〜」って思ってることって、なかなかできないよね。
それは、「やらなきゃいけないこと」がどのくらいあるのか分かってないから、「暇になったらやろう〜」って思って、いざ暇な日ができても「明日やろ〜」って思って、ズルズルと先になっちゃうから。だから、空いているところに書き込みます。
書いてあるからといって、気分が乗らなかったらやらなくていいんだよ。
やらなくてもいいけど、「今やらなかったら、次、いつまでできないか」っていうのがスケジュール帳を見たら分かるから、「そっかー、夏までできないならやろうかな」って思うかもしれないよね。
(8)天気と体調を書き込む
気が向いたときに「雨」「頭痛かった」とか書いておきます。
すると、あれあれ?なんか、雨降ってるときはいつも頭が痛くなってるぞ、とかだんだん自分のことが分かってきます。
他にもこんなことも分かるかも。
食べたものとお腹壊した日の関係とか。
天気と気分の落ち込みの関係とか。
曜日と疲れの関係とか。
自分の体調を知っておくと、予定を立てるのに役立つから、メモしてみるといいよ。
(9)心に残ったこと、見たテレビのこと、おもしろかったこと、聞いた話、な〜んでも!
先生は、しょうちゃんやしんちゃんが小さかったとき、笑えることが起きたらスケジュール帳に書いておいたよ。
今、読み返しても笑える!
思い出にもなる。
それから、悲しいことや怒れたことも書いておくと、だんだん気持ちが落ち着いてくる。
ものすごく友達に腹を立ててたのに、次の日に読むと「そこまで怒らなくても良かったかも」って思うかもしれない。
自分の気持ちの整理って、すごく大事。
気持ちと予定って、一緒に考えておくと、「予定はないけど、気持ちが落ち込んでるから無理かもなー」って、さらに予定を立てられる。
スケジュール帳って、そうやって、自分で自分を知って、「自分にできること」をちゃんと予定にするためのものなんだよね。
・・・というわけで、ボーッと過ごしていると、曜日すら分からなくなって、な〜んにもしないままに1週間、2週間、えー、何やったっけ?ってなっちゃうかもしれない。
学校の宿題も大事かもしれないけど、それよりもずっと、自分の人生が大事だよ。
今、何をやりたいか、2020年、半年、5月、今週、明日、少しずつ、予定を立ててごらん!!
* * *
その後、どうしているのか、使っているのか、チェックはしませんから、分かりません。
「この大きさ嫌い」「この紙質は好きだな」など、少しずつ、手帳に対して好みができるだけでも良いと思ってます。
子どもたちに送ったのは、無印良品のスケジュール帳です。コクヨのものは、手帳にしては紙質が硬すぎるのと、色がありすぎます。今年の分はもう売っていないみたい。
↑小学生〜中1はB5サイズを送りました。もう売り切れたみたいです。中2〜中3は、A5サイズにしました。
↑高校生に送ったのはこちらです。
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