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音楽教室ミューレ/おさんぽリトミック

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わたしが主宰している音楽教室ミューレとおさんぽリトミックについての記事です。
運営しているクリエイター

#音楽教室ミューレ

サティさんはかわりもの

エリック・サティの生涯を考えると、涙が出ます。「家具のように何気なく存在するもの=BGM」としての音楽を推進したサティさん。聴衆が静かになると「聴くな!」と怒ったって。 活動内容は「他の作者の作品をこきおろす」という宗教を作ったんだけど、信者はサティさんひとりだったそうです。 こうして外側から見えるサティさんを語ると、気難しく、近寄るのが嫌な面倒くさい人格が見えてきます。 けれど、そのサティさんの心の中に、こんなに美しい音楽が流れていたのだと思うと、サティさんに「音楽」

レッスン中、他のものに興味を持つとき、どうしたらいい?

浜松市で0歳〜3歳親子にリトミックを教えています。 レッスン中、教室のさまざまなものに興味を持つ子がいます。 それは当然で、この年齢では、叱る必要も止める必要もありません。なぜなら、この子たちにとって、「学び」はレッスンだけではなく、ありとあらゆる体験だからです。先生が提供するレッスン以外に、周りの環境やお友だちなどから学べることがたくさんあります。 それに、この子たちはまだ「レッスンに来ている」という自覚を持つことができません。なので、「なぜダメなのか」という理解がで

つないでいく想い〜生徒が本の感想をくれた!〜

著書を発行してから、保護者様はもちろん、生徒たちからもたくさん感想をもらいます。嬉しい反面、少しどきどきします。「本当のわたしの言っていることと、本の内容が違っていないかな」と。 でも、すごく嬉しいことに、20年前から15年間通って卒業してくれた保護者様から、「15年前から、先生の言っていることとぜんぜん違わなかった」と言ってもらえて、とてもホッとしました。 とはいえ、わたしも未熟な頃から少しは成長しているし、見聞は広がっているので、考えを改めた部分、アップデートした部分

お買い物ごっこで税金を集めたら、とんでもないことが起きた

子どものための教育活動家、坪井佳織です。浜松市で音楽教室を20年間やる中で、子どもの教育について日々模索しています。 子どもが本物のお金でお買い物ごっこをしたらどうなるか音楽教室ミューレで、本物のお金を使って、お買い物ごっこを催しました。その経緯と内容はこちらをお読みください。 本物のお金を使うことは去年からの試みでした。今回、初めて、わたしの提案で「利益の10%を税金として納税する」というシステムを作ってみました。 想定外の利益が出てしまったら、子どもはどうしたか実行

子どもが本物のお金でお買い物ごっこをしたらどうなるか

子どものための教育活動家、坪井佳織です。浜松市で音楽教室を20年間やる中で、子どもの教育について日々模索しています。 お買い物ごっこのはじまり毎年、子どもたちが主催でお買い物ごっこをやっています。かれこれ15年くらいになるんじゃないかなぁ。最初は、衣類やおもちゃの「ご近所お下がり文化」を復活させることが目的でした。それから、近所のお兄ちゃんお姉ちゃんが持ってた、使いかけのシール、錆びついた超合金など、子ども心に「いいなぁ」と憧れたものをもらう場にするため。ペットボトルのキャ

ミューレ住宅フェスティバル

10年以上前、急に思いついて、ダンボールで家を作る遊びをしました。そのときの計画から実行までの様子です。こんな風に、突発的に遊ぶ文化があり、保護者様が全力で協力してくれていました。今も、ノリは近いです。 2010/10/01 イベントの持ち物小学生の生徒を対象にした「おたのしみ会」を開いた。 元々は、研究科が「みんなでキャンプしたい」と言い出して、なんとか実現できないか、いろいろ話し合って、「おたのしみ会」ってことに落ち着いたのだ。いわば、子どもから自然発生したイベント。

じょうずな体験レッスンの受け方

浜松市で0才〜18才の子どもたちにリトミックを教えています。 わたしの教室には、1年を通して、たくさんの親子がひっきりなしに体験レッスンを受けにいらっしゃいます。みなさんは、何を目的に、何をしに体験レッスンを受けに行かれていますか? 今日は、先生の立場で見たじょうずな体験レッスンの受け方をご紹介します。0才〜5才くらいまでの子についておはなしします。 何をするか分からない初めての場所で楽しめる?みなさんは、これから何をするか分からない場所に連れて行かれ、「さぁ、好きなら

中学校で英語を嫌いにさせないために、小学生にガッツリ文法を教えてみた

浜松市の片隅の音楽教室で英語を教えてます(リトミックの生徒にのみ)。文法大好きです。論文を読み、和訳するのも大好きです。子どもに文法を教えるのも得意です。 英会話教室に一度も行ったことがなく、公立の授業でのみ学び、しゃべれるようになったので、学校英語も大好きです。 中学のカリキュラム変更で英語嫌いが増えている近年、「日本人は6年間も英語を勉強しているのにしゃべれない」ということが問題となり、中学校の教科書がガラリと変わりました。「話す」「聞く」に重点が置かれるようになりま

教えない音楽教室をテスト運営してみた

音楽教室を開いてから、今年で18年になります。どうしたら子どもたちに音楽を教えられるか、一生懸命工夫して、勉強してきました。 ここ数年は「教えない教育」について考えています。 今は子どもたちがインターネットを自由に使い、自分で学ぶ方法を取得すれば、いくらでも無料で学ぶツールがあります。昔は東京に行かなければ受けられなかった授業がオンラインで全国に配信されたりします。 でも、その世の中にあっても、伸びる子と伸びない子がいます。 わたしは今こそ、上の記事で唱えた「衝撃的な

小1の女の子がレッスン中に泣き出したわけ

世の中には、子どもを「こういう風にすれば、スムーズに言うことを聞かせることができる」というノウハウがあふれています。 求める人がいっぱいいるからです。 わたしは、それは人間を育てる教育だとは思いません。 人間を育てる教育は、もっと泥臭く、自分も悩み、ぶつかりながら、考えて考えて、心を動かして、最後まで答えなんか分からないものだと思います。 答えのない問いを投げかけるだけ投げかけて、子どもは大人からぶつけられた問いを「なにくそ!」と思いながらひとつひとつ、実体験として味

自分らしさ

2019年10月20日(日)、やらまいかミュージックフェスティバルに出演しました。 やる気はあるのだけど、「やる気があります!」という表現が素直にできない子がいました。そのことを、環境に恵まれていないからだと思い込んでいる節がありました。だから、なかなか殻から抜け出ることができず、よく練習中に泣いていました。自分が思ったようにコトが運ばないことにストレスを感じていたからです。 わたしは慰めも励ましもせず、まずは、味わうことや自問、内省する時間をかけるしかないと思っていまし

ディズニーランドで歌います

わたしが歌を教えている子どもたち、音楽教室ミューレのクワイヤクラスとパフォーマンスクラスが、東京ディズニーランドで歌を歌うことになりました。 吹奏楽やチアダンスなどがよくディズニーランドで演奏したり演技したりしているのを目にしたことがありませんか? 歌で合格している例はほとんどなく、難しいだろうなとは思ったのですが、せっかくディズニーの曲をメドレーで上手に歌えているので、チャレンジしてみることにしたのです。 浜松からですから、ただ行って帰るだけでも相当なお金がかかります