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レッスン中、他のものに興味を持つとき、どうしたらいい?

浜松市で0歳〜3歳親子にリトミックを教えています。

レッスン中、教室のさまざまなものに興味を持つ子がいます。

それは当然で、この年齢では、叱る必要も止める必要もありません。なぜなら、この子たちにとって、「学び」はレッスンだけではなく、ありとあらゆる体験だからです。先生が提供するレッスン以外に、周りの環境やお友だちなどから学べることがたくさんあります。

それに、この子たちはまだ「レッスンに来ている」という自覚を持つことができません。なので、「なぜダメなのか」という理解ができません。

わたしの著書から少し抜粋してみます。

ミューレに通う子どもたちを観察していると、2才のころには面白いほど特徴が分かれます。
 
教室は南面が天井まで全部窓になっていて、国道に面しています。近くに消防署や病院、資材置き場などがあります。すると、救急車や消防車、大きなトラックなど、いろんな車が通ります。レッスンそっちのけでジーッと見ている子がいます。

連れてきたお母さんから、うんざりした顔で「先生、この窓から外が見えないようにカーテンを引いてもらえませんか」と言われたことがあります。駆け出し先生のころは、「そうだよな、なるべく子どもが集中できる環境を作らなくては」と思い、カーテンを引こうと考えたこともありました。

けれど、夢中で車を見ているのは全員ではないのです。15人のクラスでひとりかふたりです。これはこの子の特徴で、きっとカーテンを引くのがよい対応ではないだろうと考えました。
 
ある子はスピーカーや音響機器のボタンが大好きで、触りに来るのを楽しみにしていました。ある子は待合室の絵本を何冊も読まないと帰ろうとしませんでした。ある子はわたしがピアノを弾く手元をじーっと見ていました。ある子は壁に片手を付け、何周もぐるぐると教室を歩くことにハマっていました。ある子はお絵描きが大好きで、クレヨンを離しませんでした。

〜中略〜

観察をしていると、どの子も2才には「この子はこれが好きね」ということがはっきりと表れています。

坪井佳織著『好きなことだけすれば子どもは伸びる』より

いかがですか。

もしかすると、「この子はレッスンに集中していない。どうしたらいいんだろう」と悩んでいるかもしれないポイントが、宝物に見えてきませんか?レッスンより何より、この子の人生を考えたとき、「今、目の前に興味を持つもの」の方がずっとずっと大切なんです。

もし、わたしが「子どもに車が見えないようにカーテンを引く」ってことをやっていたら、どうでしょう。なんだか、「あなたの好奇心なんて、意味がないの」って、真っ暗にシャットアウトしてしまったようです。

では、「じゃあリトミックに連れてきた意味がなかった」のでしょうか。

それは違います。みなさんがリトミックに連れてきたからこそ、「いつもと違う風景の中の車」が輝いてみえたのです。子どもにとっては、うしろで活動しているお友だち親子も、なんだか鳴っているピアノも、知らない教室も、いつもと違う窓も、全部込みです。

それに、音楽習得という意味で言えば、この年齢の子のお耳は大人と違って、あらゆる音を拾いますから、その場にいるだけでもいいんです。

似たような年齢のお友だちに出会うこと、空気中に漂う音の波が耳に届いて鼓膜を震わせること、「音楽のお部屋」に身を置くこと、どれも生まれて初めての、貴重な音楽体験です。

先日、サーラ音楽ホールのレッスン中に、重ねて置いてあるパイプ椅子軍団(30脚くらい積み上げてある)が気になって、近寄って観察している子がいました。別な子が、「なにがそんなに面白いの」という様子で近寄りました。3〜4人の子が、パイプ椅子の山に夢中になりました。

レッスン後、スタッフが「片付けましょうか」と言ってくれました。わたしは少し考えて、「危なくないので、このまま置いておきましょう」と答えました。危ない場合は、可能な限り、片付けるようにしています。

だって、3〜4人の子たちは、次にレッスンに来たときに、楽しみにしていたパイプ椅子軍団がなかったらがっかりするじゃありませんか。この子達には「パイプ椅子込みのリトミック」なんですよね。

レッスン中に他のものに興味を持ったときは、「危険かどうか」だけ、見守ってくださるとありがたいです。

わたしは、レッスン中にスカーフやボール、小さな楽器などを使います。子どもたちにとって、それは良くてパイプ椅子がダメな理由はないですよね。

他にもこんな記事があります。ご参考にお読みください。

わたしの教室では、発達に合わせて少しずつ「レッスンを受けるルール」を教えていき、小学1年生では他のものがあっても「今はこうする」ということが理解できるようになります。


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