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「LGBTQに理解があります」というひとのうさん臭さ

2021年5月20日、自民党の党会合でLGBTなど性的マイノリティに関して「生物学上、種の保存に背く。生物学の根幹にあらがう」と発言した簗和生衆院議員(42)が炎上している。

そもそも論になるが、人間は総力戦、虐殺、核兵器、環境汚染、避妊など種の保存に背く行為ばかりしている不思議な生物だ。だからLGBTQといった性的マイノリティだけを指して種の保存に背く云々というのは、本質からはずれた間抜けな主張である。多分、なんも考えず頭空っぽで発言したんだろう。

そして性的マイノリティの方々は好きでそういった性的嗜好を持っているのではない。生まれ持った自分自身にもコントロールできない、いわばそのひと自身の本能みたいなものだ。だから、そういったひとに向けて「子供を繁殖させることができない同性愛禁止、異性愛をしなさい」と言ったところでどうしようもない。ここ最近になってLGBTQといった人たちが現れたわけではない。彼らは太古の昔から一定数存在していた。しかし、それを昔は表明できなかったにすぎないし、まわりからは単なる病気や頭がおかしなひととして扱われてきた。それが現代になり、ようやくそういった性的マイノリティの当事者たちが声を上げていくことで社会に少しずつ浸透してきたという闘争の歴史があるのだ。そんな根本的なことすらわかっていないから、単純な差別発言となってメラメラと炎上したのである。

しかし、である。ぼくは「LGBTQに理解がある」というひとも同時にあまり信用していない。そもそも個人ベースで他人の性的嗜好にそこまで配慮する必要なんてあるだろうか。男が男のことが好きだと聞いても「へーそうなんだ」でおわるし、女が女のことを好きだと聞いても「へーそうなんだ」でおわる。なんら特別な感情はわかない。同性愛だろうとバイセクシュアルだろうと、ひととしてウマが合えば友達になるだろうし、嫌な奴だったら距離を取る。いちいちそのひとの性的嗜好なんて気にしない。他者と接する上で極めてどうでもいいことだ。ただ、国の制度として同性愛でも婚姻することができるようにするとか、養子を取ることができるようにするとか、そういうのは認めていくべきだよねとは思う。あくまで制度設計の問題だ。だから、ぼく個人としては「LGB」に関してはまったく配慮しない(言及しないし干渉しない)。他人の性的嗜好に興味はない。好きにすればいいと思う。ただ「T」(トランスジェンダー)に関しては性自認と身体的性がそのひとの中で異なっていて複雑化しているから、メンタル面や対応に配慮が必要だとは思っている。

そもそも、「LGBTQに理解がある」または当事者なのにも関わらず、ほかの性的マイノリティに関しては「キモい」と平気で言うひとが多いこと多いこと。

例えば小児性愛。これも性的マイノリティである。ただこれは、性的対象が子供になるので被害者が生まれてしまう。この性的嗜好を持って生まれたひとはかなりの苦しみを内面に抱えているはずだ。衝動を抑えられずに被害者を生み、犯罪者となってしまうケースをニュースで度々目にする。

だから、もしあなたが「LGBTQに理解がある」というのならば、こういった世間では認められない性的マイノリティに対しても直視しなければならない。でも、性的マイノリティの中でも同性愛は多数派であり、こういった小児性愛は少数派だから迫害を受けやすい。彼ら彼女らは自分らが犯罪をおかさないために、2次元の世界で非実在を対象とした性愛で抑えている。それに対して「気持ち悪い」というのはどう考えても理解がない。先にも述べた通り、性的嗜好というものはどうにもならない。だからこそ被害者を生んでしまうような性的嗜好を持つ人たちは、被害者を作らないための努力をなされているのだ。

その性的嗜好を受け入れる必要はないが、2次元のショタロリに群がる人たちを「キモい」と人格否定するのはおかしい。単に差別である。以下の記事にも書いたが、「理解がある」=「受け入れる」ではない。そういう人たちの苦悩や努力に対して想像力を働かせつつ、干渉しないが一番良いあり方ではないだろうか。

また、ゲイの男性が集まる場所に女性の異性愛者がやってきて「ゲイのひとと話すのは普通の男と話すよりも楽」というひともたまにいるが、あれもまったく他者の性的嗜好に理解がない行為だ。自分が楽になるために、他人のマイノリティな性的嗜好を利用している恥ずべき行為だろう。当たり前だが、彼ら彼女らはあなたの人生を楽にするためにいるわけではない。他人を自分の都合の良い駒のように扱うことは理解とはもっとも程遠いところにいると自覚し、もっと反省すべきである。

ぼくは他人の性的嗜好に干渉しない。自分の性的嗜好と無関係なのでどうでもいいと思っているからだ。もちろん、同性愛者とは知らず異性愛の眼差しを向けてしまった時は誠意を持って謝る。しかし、やはりぼくは異性愛のことしかわからないから性的なことは、異性愛の目線でこれからも発言していくだろう。

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