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食べ物どこまで健康にこだわるか

1ヶ月ほど前に人間ドックを受けてきて、先日結果が届いた。胃がんの9割原因と言われているピロリ菌はおらず、40歳以降がんのリスクが高くなる内臓も、腫瘍マーカーや前立腺検査など、全てオールA判定で問題なかった。

しかし、胃炎のあとや腎機能肝臓機能の低下は大いに見られた。これらはこの1年間におけるストレスやPTSDを治すために強い抗精神薬を飲むことで起きた副作用なので、生活習慣でどうこうなったわけではない。ただ、結果的に腎臓や肝臓に負担をかけない食事を心がけるようになった。

みなさんは食事に対してどれくらい健康に対するこだわりがありますか?多分、年齢によって全然変わってくるとは思うけど。

ぼくも若い頃は「Don't trust anyone over thirty」なんて思ったりなんかして、「まあ、ジミヘンもカート・コバーンも27歳で死んでいるし、おれも太く短く生きるんだ」なんつって、音楽やってるわけでもないくせに、いっちょ前にロッカー気取って健康なんかに一ミリもこだわってこなかった。しかし、これが40歳も超えてくると、本当に栄養価でかなり健康状態が左右されるし肝腎機能がヤバいっつーんで、アルコールもやめたし、基本的に白米や肉、生野菜を摂らず、玄米食と温野菜、納豆などの大豆食品をメインの食生活に据えている。

ただ、ぼくはそこまでで十分。それ以上の意識高い健康マニアになろうとは思わない。医師からいただいた心がける食事の基本的なものさえ抑えておけば問題ない。それ以上は趣味の世界だとぼくは個人的に考えている。健康商品や脱石油系化粧品といったものが、なぜ富裕層の多くに流行っているか。それは単純に高いからだ。しかも、そういったものを追求していこうと思えば青天井。いくらでも高級品が出てくる。そういう意味で趣味と言ったまでで、健康に意識高いひとを馬鹿にした発言ではない。要は線引の問題だ。自分の持ちうるリソースの中でどこまで健康的な食事にコストを割けるか。

たとえば遺伝子組み換え農作物は人体に影響を及ぼす可能性があるとされている。しかし、今の日本で遺伝子組み換えでない食材だけを揃えようとするとかなりの高額を支払わなければならない。なぜならば、農林水産省の発表によれば2018年度の日本の食料輸入率は63%。食の6割強を海外からの輸入に頼っている。それら海外の農産物は広大な土地で安定した穀物が採れるように、なるべく害虫がつかないような遺伝子組み換えを行っていたり、大量の農薬が散布されている。そしてたとえ3割の国産だけにこだわったとしても、醤油などの調味料に遺伝子組み換えは使われているし、遺伝子組み換えの穀物を餌としている鶏や豚、牛の肉も駄目ということになってくる。こうなってくると、醤油の大豆にも注意しなければいけないし、グラスフェッドビーフと言われている葉っぱだけ食べさせた牛の肉などかなり高値の肉をチョイスしなければならない。なぜ、グラスフェッドビーフが高いかというと、葉っぱを食べさせて育てるということは広大な牧場が必要ということになるからだ。しかしその結果、広大な牧草地を作るために森林伐採が行われ、環境破壊にもつながってくる。つまり、富裕層でいくらでも金が使えるひととはいえ、自分の健康のためだけにそういった環境破壊まで起こすような食材を食べていいのかという問題も出てくるわけだ。今の環境問題意識から遅れた考え方だ。とにかく遺伝子組み換えも気になったとしても、どこまで気にするのか、人それぞれ線引きが変わってくる。

また、輸入の農作物には農薬がたくさんかけられていて危険だというひとは未だに多い。たしかに一昔前の輸入品のポストハーベスト農薬の散布量はエゲツないものがあった。だって、タンカーで何日も腐らないよう虫に食われないように散布する農薬だ。生産時のそれとは比較にならないポストハーベスト農薬が散布され、それによってサリドマイド児のような奇形児が生まれる薬害も多々あった。しかし、現在は農薬の毒素の残留濃度をきちんとチェック管理している。昔のような危険性はゼロではないがかなり減った。国産安全神話を唱えるひとも、国産であってもポストハーベスト農薬はかけられているのだ。もちろん基準値を超えていないので危険性はほぼないが、輸入品をそこまで目の敵にするほどではない。どうしても国産にこだわりたければ、それはそれでやはりもうミリ単位のリスクの問題で、趣味の領域と言えるだろう。

ちなみにぼくは野菜をほぼ業務用の中国産冷凍野菜で摂っている。「中国産の野菜なんて危険!」って拒否反応起こすひとも多いかもしれないが、格安のファミレスなどで使われている野菜もそういった中国産の野菜がほとんど。みんな意外と口にしていたりする笑。あと、言うほどこれまた昔のように危険ではない。というのも、業務用の冷凍野菜は、現地の工場で冷凍パック詰めされ、そのまま出荷される。つまり、ポストハーベスト農薬が逆に使われないわけだ。先ほども述べたが、今ではポストハーベスト農薬をことさら危険視する必要はないが、冷凍パックのまま運ばれてくるというのは、むしろ良いことのように思える。ぼくはそのリスクでこれほど安価に栄養価が摂れるならむしろありがたいとすら思っている。

ぼくは一ヶ月の食費を2万円以下を目指しつつ上限は2万5千円以内にどの月もおさえている。この計算範囲の中でリスクとコストのバランスが見合う食事を心がけている。だから、最低限、医師から言われたことは守りつつも、それ以上の健康志向でもないし、だからといって栄養価はきちんと考えている。外食もほぼしない。アルコールは肝腎機能低下を抑えるために一切飲まない。

これが1ヶ月の食費に5万かけられる、10万かけられるとかであれば、健康的な食生活でもまた全然違う線引きとなるだろう。

食物や化粧品の安全性を考え、国産の無農薬野菜や脱石油系高級化粧品などを買っているのは富裕層だ。もう十分モノを手にした彼らにとって、金で買えるものはあとは健康くらいだからだ。でも、そこまで健康に気を使っていても、病気になる時はなる。この辺りはいくら気をつけていても運の要素がかなり大きい。むしろ金銭的に余裕ないのに、必要以上にそれらのリスクを恐れてそこだけに拘るのは一般人にとっては精神的にも経済的にも良くない。アルコールやタバコをやめた方がよっぽど健康的である。農薬が入っていても国が定める基準値以下で安価な食物が今では増えてきたので、そこら辺は自分の頭で考え、どれくらい食費にかけられるのかリスクと天秤にかけた上で、自分の食べ物を決めよう。これまたひとの言う事を盲信していると、痛い目に合うのは自分である。自分の口に入れるものや健康に関しても、自分で考えて選択しよう。

ちょっと蛇足になるが、医療もどんな病気になったとしても標準医療で十分とぼくは考えている。大金かけて特殊な治療しても治らないものは治らない。金持ちも医療にいくら金かけても死んでいく時は死んでいく。なので民間の生命保険やがん保険もいらない。ぼくは15年間支払ってきた掛け捨ての保険を解約した。なぜなら、標準医療で高額になっても日本では高額療養費制度というものがあって、国保や社保に入っているだけでそれを受けられるからだ。ましてや医療行為や医療品と認められていないものに関しては、趣味として金かけられる金持ちならいいかもしれないが、お金に余裕のないひとは標準医療を信じてほしい。

むしろ、ことさら不安を煽ってくるような民間の健康食品などは害悪である。不安を煽ることが一番手っ取り早く商品を売ることができるからだ。不安を煽ってきた時点で怪しいと考えていいだろう。また、民間の積立やるくらいなら、国民年金を支払っておいた方が得だ。もうこの辺りは詳しく説明しないが、民間より国の制度の方が信用あるのは当たり前だし、国が立ち行かなくなるような事態になれば、民間なんかその前に潰れている。どうしても入りたいというのであれば、都民共済や県民共済で十分。

これはぼく個人の考えなので、その考えは間違っているとか言われても、それは信じている宗教が違うくらいの意味合いになるので、違う考え方のひとの考えを強引に変えようとは思わない。信仰の自由は守りたい。だから、ぼくの15年近くの古くからの友人でネットワークビジネスで高級な健康商品を売っている仕事をしている子がいるけれど、特に友情関係においてそれを気にしたこともなければ口を挟んだこともない。なので、あくまでこんな考え方もあるよと参考程度にしてもらえたらなと思う。

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