夜という名の海
眠っているきみが
すこしわらった
僕はお茶を飲みながら
眠れない夜を過ごしている
きみの呼吸
きみの温度
ざわざわとした昼間より
感じ取れるものを拾ってみる
眠れないんだ
と言ったら
眠らなくてもいいよ
と言ってくれたね
きみは昼の住人で
僕の住まいは夜にある
きみも僕の寝顔を
こんな風に見ていたことがあるだろうか
ねえ、どんな夢を見ているの
吐息は静かな海になり
僕はゆっくりと漕ぎ出す
悲しみも喜びも溶けだした夜という名の海へ
果てに出会って一緒に朝食を取ろうね
焼きたてのパンにたっぷりのバター
熱い紅茶と林檎のジャム
夢の話を聞かせてね
僕の航海日誌を見せるから
空は薄いピンク
もうすぐ会える
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