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夜中図書室

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おはなし
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2021年12月の記事一覧

◆詩◆ふゆのひ

◆詩◆ふゆのひ

はじめに。ちいさい海があって、パラソルがあって、きみがいて、ソーダ水があった。
もう冬なのできみはマフラーに埋もれるように巻かれていて。
小屋で火を焚こうと提案すると、はじめての名案だというように目を輝かせるきみ。
サイコロ状にカットした野菜がごろごろと入ったスープをよそう。パンをちぎってひたして食べる。
置きっぱなしのパラソルに冷たい雨があたるおと。
思えば今年も夏は短かったし、冬は永遠のように

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◆小説◆塔の上の

◆小説◆塔の上の

その塔は引越し先のアパートから15分ほど歩いたところにあった。
何のための塔なのか、検索してみても詳細は掴めず。
周りをぐるぐる歩いてみる。窓のようなものがある。入口のようなものがある。壁面は少し苔むしてヒビが入っている。
のぼりますか。
後ろで声がする。大人なのか子どもなのか、男なのか女なのかわからない人物が、にこにことこちらを見ている。
のぼってもいいんですか。
かまいませんよ。ここの主はとう

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◆小説◆頭の中に住む魚

◆小説◆頭の中に住む魚

木曜日の深夜のことです。
頭の中でこぽこぽと音がして、覗いて見たら銀朱の魚が泳いでいました。
魚は昔の恋人に少し似ていて、私の腕にじゃれついてきたかと思えば、すい、と彼岸に行ってしまったり。
考えるべきことがいくつかあったような気がしましたが、それも魚のつくる水流に飲まれて有耶無耶になってしまいました。
私の頭の中より、大きく清潔な水槽が必要だろうと、裏路地の地下にある暗い水族館に行きました。

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