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夜中詩

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こぼれ落ちるのをすくってゼラチンで固めたやつ
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2017年8月の記事一覧

生誕祭

生誕祭

おまえの足の裏とわたしの手のひらの温度が一緒になる
足の裏と手のひらをぴったりとくっつけた瞬間から
チョコレートのように溶けはじめ
わたしとおまえの輪郭はなくなる
最後に
混ざりあわなかった骨だけがのこる
骨は重なり合い
檻のように茨のように
絡み
縺れ
くぐり抜けて行けるのは
小さく身を屈めた少年だけ

少年はわたしたちの尖った骨で
白い皮膚を裂きながら進んでいく
皮膚を裂き、肉を抉る
わた

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