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『博士の愛した数式』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、『博士の愛した数式』を読んだので紹介します。

小川 洋子 『博士の愛した数式』 (新潮社、2005)


読み終えたばかりのテンションで書きます。

第一印象は、この本を読んでいて日本人が書いていると思えないという面白さがあった。
3回くらい、著者が誰かを確かめたと思う。

日本が舞台の物語なのかと疑いたくなってしまったことには、2つの理由がある。

第一に、数式が出てくる度に、神様の手帳を見るとか、あまりにも完璧な数や数式の前で「祈る」というような言葉があったからだ。
数学や数式、あるいは科学となれば、証明したくなるがゆえに、神が出てくるのだろうか。
存在しないことを証明することは、不可能に近い。
しかし、そうだ。
0(ゼロ)があるじゃないか。
本書では、名前も記されていないインドの数学者となっているが、レジェンドでしかない。

もう1つの理由は、固有名詞(名前)が出てこないことだ。
登場人物も少ないので、お陰で非常に読みやすかった。

私(博士の家で働く家政婦)
80分で忘れてしまう博士
息子(博士にルートとあだ名をつけられる)
未亡人

名前が出てこないのだ。

その代わり…というのは語弊があるかもしれないが、数学博士との対話の物語なので数字や数式、数学用語(素数など)などが多い。


博士は事故で80分以上の記憶を、留められない。
事故後の記憶だ。
その事故の前のことであれば、人のことも覚えている。

1から10まで足していく話。
オイラーや、フェルマーの最終定理の話。
息子のルートが野球好きなこと。

どの話も輝くものだった。
上手く表現出来ない自分が悔しい。

個人的な話ですが、私は数式や数字に、鳥肌が立つことがある。
パズルゲームや、数式を夢中で解いている時は至福と喜びだった。
そして、少し前それらに夢中になり本職がどこかに飛んでいきそうだったので、スマホ変更をキッカケに完全にやめた。

数字や数学は、それほどまでに私を夢中にさせる。
夜空の星や、銀河系の星を見て、あまりの美しさにゾッとする。
単純に見ていて美しいと思うからだ。
数字と数式、天体の持つ美しさの共通点がある。
究極的なところにいくと、人智を超えた世界がそこに存在するからだ(持論)。
それは、人の手に及ばない美しさがある。
証明しきれない、手の届かない美しさを持つ。
言葉で表現することが出来ない、力を持つ。
万物の創造主の創作物の一欠片、博士の言う「神様の手帳」のわずかな情報を我々は垣間見ることがある。

博士みたいな人が側にいたら、それはなんて楽しそうな生活かと思う。
静かなことを好み、数学を愛する。
ひたすら研究に没頭したり、”自分の好き”がある人が、やはり私は好きなようだ。
彼らは自分の世界と、博士のように「神様の手帳」の片鱗を見て喜ぶんだから。
そんな幸せはないだろう。

数学を愛する人が、本書を読んでも楽しいだろう。
小説を読みたい人が手にとっても、きっと楽しい。
自分の好きがある人も楽しいだろう。
数学嫌いな人、小説内に図も数式もあるので分かりやすいから大丈夫!!(なはず)
そして、本書を通して「神様の手帳」の一片にふれたら、きっと鳥肌が立つに違いない。

良い本が読めて幸せだー。

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