見出し画像

海王みちるという女、そして彼女が愛した人

セーラームーンS/スターズに登場する海王みちる(セーラーネプチューン)、天王はるか(セーラーウラヌス)を中心に、私的”セーラームーンスターズ”の魅力というか、見解というか、好きポイントをつらつら書いていきます。あらかじめ書いておきますが、中々長くなります。またネタバレを盛大に含みます!ご理解頂いた上でお付き合い頂けたら幸いです。

海王みちるが愛しい理由

半歩後ろにいる女性

しょっぱなから天王はるか(とはるかファンの皆様)に喧嘩を売るような発言をしてしまうけれど、海王みちるは私の心の恋人です。もう、一目見た時からというよりかは、はるかとのやり取りを初めて目にした時から「なんって素敵な女性なの?」と骨抜き。

元よりこの作品に触れる前は、多分私ははるかに惚れると思っていた。私の大好きなロックバンド女王蜂のボーカル、薔薇園アヴちゃんが伊勢丹コラボで数年前に発売されたウラヌスデザインの水着を着ていたし、私はジェンダーを着せ替え感覚で飛び越える人々が大好き。けれどあら大変、なんだか隣の麗人に心奪われちゃったみたい。

あと私結構、公式に推されない人を好きになりがち。アイドルグループだってぜったいと言っていいほどセンターにいる子ではなく、音楽番組でも中々カメラに抜いてもらえない子とか好きになっちゃう。自分では隠れた宝石を見つける天才だと思ってる、だって端っこでも眩しい子って最高!はるみちも、どちらかというとはるかが推されている印象。原作の漫画でも「はるかが陽ならみちるは陰」というキャラ設定を見かけたし、アニメでもサブタイトルでは「ウラヌスたちの最期!」みたいなまとめ方がされる。普通に考えてもはるかの方が他の戦士たちにズカズカ物を言うので目立つし、「美男のような麗人」を放っておけない乙女心は死ぬほどわかる。ここで1つ、私的注釈。たしかにみちるさんってはるかに比べると公式にも推されてないし見せ場は少なめかもしれないけど、この人、誰よりも天王はるかに推されてます。半歩後ろにいながらもその腰には天王はるかの腕が回されている、海王みちるはそんな女性です。

私のなりたい女性像

私は、自分を着飾ることが大好きです。メイクや服、ランジェリー。何故着飾るのかって、それが自己演出の手段だから。なりたい自分になるためにオシャレをする。私には長年揺らぐことない理想の女性絶対比率があります。

美しさ4割、愛らしさ3割、色気2割、毒っ気1割

洗練された美しさを持ちながら愛嬌がある。なのにふと色っぽく、実は毒牙を隠し持っている…そーんな女性になるために生きていると言っても過言じゃないんですけど!!海王みちるじゃん!?って思ったあなた大正解です。みちるさんってずるい女じゃないですか…ずるすぎる…。これはあくまで私個人の意見なんですけど、上の比率を満たす女性って圧倒的にずるいんです…。

何より、彼女はなりたい女性であると同時に、私を肯定してくれた存在でもあるの。これは外面的な話なんだけど、みちるのトレードマーク、ふわっふわのウェーブヘア。韓国のヨシンモリみたいで可愛いですよね。私自身、毛量が多分普通の女性の2倍は軽くあるし、生えぐせがふわっとしててすごいボリューミーなんだけど、もうすんんんごいコンプレックスで…。扱いずらいし、高校時代なんてストレート至上主義みたいな文化があったから縮毛矯正で引き伸ばしまくってたんだけど…。みちるさんって、けっこう毛量多いと思う。ポニーテールした時に、毛先がまこちゃんみたいにスってなってならずに広がってるの。

画像1

アニメって、やろうと思えばなんでも出来るし、みちるだって毛先が細いポニテの作画にできてたと思うんです。けど敢えて彼女のボリューミーなヘアを生かした作画で、きゅん!!ってした。みちるはこれがいちばん可愛い、だから私もこの髪でいいんだ!!って、心の底から思いました、本当に。そんなこんなで彼女は私の真の「理想像」。そして彼女が大好きな理由です。

はるみちってえっち

早速セーラースターズを、はるみちを中心に紐解いて行こうかなと思うんですけど、ネヘレニアとの戦いの後、ギャラクシア以降に限定して書いていきます。

とにもかくにも、スターズのはるみちは本当にえっち。Sでのはるみちって、すんごく遠回しにいちゃいちゃしてましたよね、匂わせ程度。なんだかわからないけど2人っていつも一緒にいる、それにすごく信頼し合っている、みたいな。スターズでのやり取りをみて、「え!?もうこの2人寝てるじゃん!!!」っておもわずにいられなかった(表現が乙女失格)。

180話「呼び合う星の輝き!はるか達の参戦」はファン悶絶の回だったと思う。星夜とみちる、互いに色仕掛けをたくらむ中楽屋に来たはるかとうさぎ。みちるははるかを「私の大切な人」と紹介するの。けっこう直接的な表現だなと思うんだけど、素敵だなと。中々言えませんよね、恋人を紹介する時だとしても。これを言い切れるみちるとはるかの関係って本当に愛しい。もちろんその後のはるかへの蕩けるような視線と共に放たれる「(着替え)手伝って?」も、ええ!?!?絶対お着替えできないじゃん!?!?って叫ばずにはいられませんでした。

その次の回、181話「セイヤとうさぎのドキドキデート」、別名「はるかとみちるのドキドキデート」もえっち!週末星夜と待ち合わせをするうさぎちゃんの所にはるみちが来るんだけど、「何してるんだお団子」とうさぎに聞くはるかに「休日の公園にいるのはデートのカップルか鳩だけよ」というとんでもなくかわいいセリフで、私たちはデート中よというアピールをするみちるさん!(ずるい!) 。そしてうさぎとの会話を早々に切り上げ、はるかの腕を引きデートへと戻っていくんだけどこの時の会話が大問題。

「痛いよみちる」
「そう?」
「もっと優しくしてもらいたいな」
「よくってよ、後で2人っきりになったらね」

画像2

大人の会話すぎる…。うさぎちゃんももう見送ることしかできない。

197話「銀河の支配者 ギャラクシアの脅威」にて、ギャラクシアを前に苦戦している時の会話もすごい。

は「まるで刃がたたないなんて、切れ味が鈍ったかな?」
み「刃物のせいにするつもり?」
は「僕の切れ味は、鈍ってないつもりだけど」
み「試してみる?」
は「2人っきりの時、ゆっくりとね」

いったいあなた達は2人っきりのときに何してるの??と思わずにいられない。しかもこの会話に至ってはかなりストーリーの展開的に見てて苦しい状況で繰り広げられるので、感情が色んな意味で追いつきません。高速道路を時速130キロで走る車から放り出された感じ。もしくは双方向から殴られてる感じ。

はるみちってえっち!が伝わりましたでしょうか…。けどここまで色っぽい会話を繰り広げても一切安っぽくならないのは、セーラームーンSでとても丁寧にこの2人の精神的繋がりが描かれているからなんだろうなと思います。

はるかとみちるのお姫様

はるかのお姫様はみちるさんではなく、うさぎちゃん。はるかさんとみちるさんって、関係をカテゴライズするのがすごく難しいですよね。恋人、バディ、運命を共にする人…うーん。やっぱりみちるさんの言う、「大切な人」という表現がいちばん腑に落ちる。はるかとみちるは、プリンセスを守るのが使命であり、そのためならなんでもします。セーラームーンSから、躊躇うことなく自身を犠牲にする姿が目立った2人。スターズ、とんでもなかった。Sでは、はるかがみちるの後を追うんですけど、スターズに関してはもう、死ぬ時は一緒という暗黙のお約束が私たち視聴者にも内緒で二人の間では交わされてました。

ウラヌスとネプチューンがギャラクシアの下僕となる、俗に言う闇堕ち展開があります。寝返ります。しかも、「二人一緒に生き続ける最後の手段」としてこれを選びます。

「ウラヌス、死ぬまで一緒よ」
「あぁ、地獄で会おう」

この2人は、死ぬまでも、死んでも一緒なんです!!!なんて秀逸なやりとり!!!

あと、すっっごく不謹慎なことを言いますが…

この2人闇堕ちがなんとまあ似合うことこの上ない!!

元来この2人、うさぎにとってはかなり厳しい現実をズサズサ刺してくるし言葉も中々キツい。けどそれは愛ゆえに、だったのがただキツい綺麗なお姉さんたちになって、なんか絵になるなあと思ってしまったあはは(愛は盲目とはこのこと)。

他の戦士のスターシードを奪ったり、「全部お芝居だよね?」と縋るうさぎをはるかが平手打ちしたり、かねてより対立していた星夜とはるかが殴り合いしたりするんだけど、はるかに1発かました星夜に「やればできるじゃないか」と言うんですよね。展開がつらい。完全に敵となるんです。私もうさぎちゃんと一緒に願いました、お芝居であってくれって。だってこのままギャラクシアに手駒として使われて散ってしまうところなんて見たくないもの!でもその反面、この2人に手段を選ばず使命すらも捨て永遠に二人でいて欲しいと願わずにはいられなかった。

198話で、全てが明かされます。ウラヌスとネプチューンはギャラクシアのスターシードを奪うべく服従した振りをしていたの。ギャラクシアの力も2人の精神力には適わなかった。プルートとサターンのスターシードを奪ったのも、うさぎを平手打ちしたのも、星夜を認める言葉を漏らしたのも、全て彼女たちの意思であったことに涙が止まらなかった。そしてなんだか、汚れ役をはるかがみちるの代わりに買って出ているような気がしてならなかった。ここでも自然とアクションを起こすのははるかが多めなんですけど、キャラの設定上ということを抜きにしても、はるかの「付いてきてみちる。でも、全部僕がやる」という言葉が頭の中に聞こえてきたのは空耳だったのかしら。そんなはずないよね、うんうん。

「地獄か…君には似合わないな」

結局2人の企ては失敗し、2人もスターシードを奪われ散り行く時、はるかがみちるにそう言葉をかけます。なんだかこの言葉に、はるかのみちるへの思いがたくさんつまっていて、noteを書いているくせに言葉にできません…。みちるの方がはるかへの想いが強いように一見見えるけど、はるかも負けないくらい、彼女が大切なんだと思わずにいられない。この散り際のやり取り、2人とも瀕死の状態でお互いの体温を求めるんだけど、手なの。ここでも手なの。この2人はキスでもなんでもなく、手でいちばん深いところまで繋がっているの。

み「光が、見える…」
は「暖かいな、みちる…」

ここで2人は光の泡となり消えていくんだけど、この「暖かい」が光なのか、はたまたみちるの体温なのかは、どうやらはるかのみぞ知ることみたい。

おわりに

おいおい結局何が言いたいんだよ、と思った方、はるみちは最高!ってことです。セーラームーンってとってもファンタジーだしフィクションだけど、純朴かつとても大切なことを私たちに教えてくれると思う。月の光は愛のメッセージ、まさにこの作品は月の光。

最終話、流れ星を見つけたほたるに「2人は何をお願いしたの?」とはるかとみちるは聞かれます。

「願うことなんてないわ。だって今が1番幸せだもの」

画像3

そう言ってみちるははるかの肩に頭を寄せる。すごくシンプルだけど、私たちが日頃求めている幸せってこういうことだと思うし、中々難しい。けれど、信じる心があればきっとそんな言葉が自然と口から出る女の子になれる、そう思わせてくれるセーラームーンスターズのお話でした。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?