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シルバーギャル

日曜日、有名なコーヒーショップ。

ギリシャ神話に出てくる、セーレンがロゴのモチーフになっているお店です。

今日も何をするでもなく、西加奈子さんの小説を読んでおりました。

シルバーカーを手に持ったおばあさん二人。

入店も慣れた様子、ホイールは(カタッ、カタッ)と小さく心地よく床を鳴らした。
歳の頃は85歳くらいだろうか?
随分とお年を召した女性だ。

どちらも白髪で白のニット帽を被っている。
一人は丸い眼鏡をかけており、ぽたぽた焼きのおばあちゃんに似ている。

丸くて小さな背中の二人は、軽く会釈し私の隣の席に腰を下ろした。

あったかいねー、ぽかぽかだねー。 
お外寒かったのよと私に一言。
私も軽い会釈で答えた。
しばらくお喋りしながら、コーヒーを啜る二人。

静かになったので、横目で覗く。
二人とも寝てしまった。

静かな寝息で小さく揺れる。
店内にはお洒落な洋楽が流れる。

Enya  「Only Time」

寝てしまうのも納得の美しい音楽だ。

カフェでお昼寝。
随分とハイカラなお婆さんだな。
彼女たちも、昔はギャルだったんだろうか?

どんな夢を見ているんでしょう?
覗いてみたいものです!

指は小さく幼子のよう。
拝むよな手は優しく、力強い。

じゃあーね、可愛いおばあちゃん。
外は雨、気をつけて帰ってくださいね。

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