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記念日に

記念日に買った
珈琲ミル

少し豊かな時間が
我が家にやってきた

朝、いつもより
5分だけ早く起きて
2人分の豆をミルに入れ
がらがらと音を立てながら
挽く

豆のいい香りが
部屋中に広がる

粉になった豆を
フィルターに入れ
ゆっくりお湯を注ぐと
ふわっとふくらむ

いつまでも眺めていたくなってしまう


そうして
淹れたての珈琲と一緒に
朝食を食べる

今日はちょっと濃いとか
薄いとか言いながら
だんだん加減がわかってくるだろう

純銅製のこのミルが
だんだん10円玉みたいな色に
なっていくのもまた楽しみだ

そんなふうに
ていねいな時間を愉しんでいた

あれから20年近く
経った今

我が家ではこのミルが
今も活躍している
使い古した10円玉みたいな色にも
なっている

朝は忙しいし
ゆとりがないことが多い
それでもこの20年近い間
ほぼ毎日活躍してきた(たぶん)


珈琲の香りは好きだけれど
味の違いや適当な濃さや薄さは
相変わらずわからない

でも
豆をひく、淹れる
その時間が心地いい

朝、珈琲を淹れるのは
もっぱら旦那さまの役割

最近は
数年前我が家にやってきた
サイフォンとともに活躍している
このサイフォンもやっぱり
記念日に我が家にやってきた

20年近くの間(17〜18年かも?)
ふりかえれば
いろんな時があり
その時々懸命に駆け抜けてきた

ていねいな時間を愉しむ
なんて程遠いような日々も
たくさんあった

それでもやっぱり
ていねいな時間を愉しみたい!
そんな気持ちは
ずっと変わらない

これからも続いていくだろう
この気持ちと
珈琲を豆から弾いて淹れる
この習慣は

そんな習慣を大事にして
一緒に愉しんでくれる人がいる
最幸だ

この気持ちを
この習慣を
これからも大切に生きていこう

あらためてそんなことを
想った今日この頃



はじめまして。見に来ていただき、ありがとうございます! 「雨の詩(うた)」https://note.com/nepa88/n/n422be1298f3e を絵本にしたいと思っています。 いただいたサポートは大切に制作活動に使わせていただきます☆