流し書き19(サーフィン)
I bet
you won't
L.O.V.E.
me
サーフィン
海は表情が違う。日が替わるごとに
夕陽が穏やかな水面を照らすと、筆触分割の江ノ島海岸がオレンジ色に光る
自分のことを水色だと思い込んでいそうなグレーの海が輝きになる
突風吹き荒れる1月の海岸は、水が砕け散って泡を掻き上げる
息途絶えたマーメイドが海面に押し上げられつつはく泡のように
迎えにきた天使が羽をゆらすと空気にかかる白いもやのように
下手くそなサーファーには乗れる波もないに等しく
私の心もこの街にはないに等しい
そうではないだろうか
貴方がいたずらで枕を隠すので僕は夜が恋しくなって久しい
これ以上ない快晴の海で、僕は荒波に酔いながらまぶたを閉じてみる
海は私から
生を取り上げてくれる、死をつきつけることはせずに。
波が来て、
ゆるい波だったり、
板ごとひっくり返してやろうと躍起になった波だったり、
みんな最後は岸で砕けてのろのろと沖に戻ってくる。
ブラブラと酔って浮かんでる僕
この
波にいつか立って、滑り切ってやろうと輝く心
大きな空を見上げて、空はきっと僕を抱きしめてくれる
そうやって立ち上がった僕の右足がボードの曲線をなぞってやがて縁を舐め
塩っぱい水塊が身体を乾かしていく
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