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王様席の風景

某方の回転寿司の話を読んで何か思い出したので
先月ぐらいのちょっとニヤニヤしてしまった話でも。



私は近所に友人もおらず、親類はつついても一緒には来ないので
たいてい、「ひとり寿司」をします。

寂しいというよりむしろ、
土日など混雑してても、カウンターに1つでも席が空けば
「1名様ご案内ー」ってすぐに席に通してもらえたりするので
待つ機会は少なく、実は快適だったりします。

で、田舎の店舗で平日の日暮れ、ガラガラしてる時間帯に行くと
カウンターの一番奥のほう(上流)に案内されることが多い、
つまり目の前に流れてきたものを 片っ端から私が押さえてしまえば
下流の方は何も受け取ることができない、という王様席ではないか。

いやいやオーダーすれば誰でも何でも受け取れるだろ。
が、ときどき、タッチパネルのオーダーリストには載せられていない、
数量限定のレアお品が、「レーンにだけ」流れてくることがありますよね。

私が最近特に好きなネタはサンマです。(生でも炙りでも)
一度、旬な季節に炙りサンマをオーダーしたら
しぬほど美味かったので、それ以降ハマってしまって
タッチパネルではまずサンマの姿を探すようになりました。

その日はサンマはリストには載っておらず
レーンにだけ、数分間に1個の間隔でサンマが流れていました。
最初は横に誰も座ってなかったので、堂々とサンマを奪い
王様席を満喫していましたが、やがてお隣に
おっちゃんの2人組が座りました。

おっちゃん方は、あれはうまそうだ、これは物珍しいな、と
流れてくる魚の種類に逐一語りながらネタを拾っていました。
たぶんこの人達は、サンマ拾ったら喜びそうだよなぁ。

これは私の個人的なおかしなこだわりですが、
外食屋で、女子会みたいに溜まり、食事とは関係のない世間話
(特に悪口)を延々と話し、待ってるお客を差し置いて
長時間居座ってる割には お皿のほうは全然進んでいない、
…というタイプの食べ方を見るのが、なんかモヤモヤしてしまうのです。

食うときには、「今まさに食ってるものの話」を
うまいとかまずいとか言いながら食い、済んだらササっと席を立つ、
食べるための外食をしてほしい、となぜか思ってしまいます。

ファミレスもお寿司も喋るための会席で、食事はオマケ みたいな
やり方は そりゃもったいない、と常々感じてしまうのです。
(どんだけ食うのが好きなんだよ。だから丸くなったのだ。

まぁとにかく、食い物そのものに興味を持ってるおっちゃんに好感が
持てたので、私は王様席の権力をいっとき放棄することにしたのです。


果たして、私の目の前をサンマが流れていく。
でもたぶん取りそうだよなこの人。取るだろきっと?


取った━━━━(゚∀゚)━━━━!!


心理テストでも的中させたかのような妙な喜びと、
貴重なサンマを1つ逃してしまったという残念感がミックスされ
何かよくわからないけど愉快でした。


2回目も「たぶん拾う」と脳内で500円賭けてサンマを見逃すと、
やはりお隣が見事に取った━━━━(゚∀゚)━━━━!!
って一体何やっとんじゃ私は。誰から賭け金貰えるんだよ。
食べることに集中し、済んだら席を立つがモットーなのに、
誰にも悟られぬまま ひとり賭け事をしているなんて…


しかも……


この2回目を賭けた後は、待てど暮らせどサンマが流れてこなかったのだ。
食っておけばよかったんだろうか! だって仕方ないじゃないか!


まぁなんでしょう 皆様も、
いつどこでおかしな観点で人間観察およびセルフ賭け事されてるか
わかったもんではありませんので、付近に大食らい痴女がいないかは
十二分にお気を付けくださいまし。


#寿司 #日記 #ひとりごと #ジョーク


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