MotoGPの見方〜バイクレースを観戦してみよう!〜
こんにちは。
最近、すっかり暖かくなりましたね。
私は、心地よい風を浴びながらのバイクライフを楽しんでいます。寒さに震えながら乗るのも良いんですけどね。笑
さて、バイクに乗る機会が増えるのは我々だけではありません。
2021年シーズンのMotoGPも、ヨーロッパラウンドに突入しましたね。
今回は、2021年のMotoGPを一緒に楽しんでもらえるように、MotoGPが一体どんなもので、どんな魅力があるのか、書いてみます。
記事の最後では、MotoGP公式YouTubeチャンネルがアップしているレース動画を紹介しています。記事を読んでイメージがついたら、そのかっこいい世界に触れてみてください!
※写真はすべてMotoGP公式サイト motogp.com より引用
MotoGP公式ロゴ(ロードレース世界選手権)
MotoGPってどんなもの?
MotoGP(モトジーピー)とは、世界最高峰の舗装路でのバイクレースです。
「F1」と言われると、世界一速い車のレース!となんとなく想像する方が多いと思うのですが、そのバイク版がMotoGPですね。
ライダー、マシン、タイヤなどすべてが「世界最速」を求めていて、バイクの最高時速は350kmを超え、バンク角は64度にもなる、世界一速いバイクが争っています。
バンク角… バイクが直立している状態を0度、バイクが横倒しになり地面と水平になった状態を90度とした指標です
世界各国を転々とし、2021年は15カ国で19レースを戦います。毎レースの順位に応じてポイントが付与され、年間で一番多くのポイントを稼いだライダーがチャンピオンとなります。
肘を地面に擦るくらいバイクを傾けます!
MotoGPの魅力とは?
さて、このように説明をされても、「ただバイクが走っているだけなのに、何が面白いの?」と疑問に思われるでしょう。しかし、スペインでは視聴率が20%を超える大人気スポーツなんです。半沢直樹と同じくらいの視聴率。もちろん、日本でも毎年開催されています(2020年はコロナの影響で中止)。
そこで、10年以上MotoGPを見続けている私が思う、MotoGPの魅力について解説します!
1、圧倒的な速さ!
なんといっても、バイクの速さ!1000ccのバイクですが、最高速度は350km/hオーバー、パワーは250馬力を超えます。最低重量は157kgとなっているので、パワーウェイトレシオは0.628(kg/ps)にもなります。ちなみに、フェラーリ812スーパーファストという、現時点で最も速いと言われている車でも2.04だそうです。MotoGPマシン、速すぎる!
パワーウェイトレシオ... 「軽い体でどれだけ力持ちか」を示す指標です。値が小さいほど性能が良いことになります。野球なら吉田正尚、相撲なら炎鵬、バスケなら富樫のような選手です
機械を使ったスポーツだからこそ、人間の力を超越した世界での戦いが繰り広げられています!
2、メーカー間、ライダー間の熾烈な争い
日本からはヤマハ、ホンダ、スズキ、イタリアからはドゥカティとアプリリア、オーストリアからKTMが参戦しているMotoGP。それぞれのメーカーが威信をかけて最速を争うのです。メーカーが本気で作ったバイク、見てみたくありませんか?
また、ライダー間でも熾烈な争いがあります。
絶大な人気を誇るバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)や、4連覇しているマルク・マルケス(ホンダ)、若手では2020王者のジョアン・ミル(スズキ)やファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)など、世代を超えたライバル関係にも注目です!
3、転倒のリスク
世界最高峰といえども、バイクのタイヤは2つなので、転倒もよくあることです。
相手よりも前でゴールするために、ブレーキをぎりぎりまで遅らせたり、なるべく早く加速を始めたりするのですが、限界を越えれば転んでしまいます。転んでしまえば、どんなに差をつけて1位を走っていても、完走していないのと同じ扱いです。本当に最後の最後まで安心はできません。
過去には、最終ラップに優勝を争っていて転倒なんてことも…
「転ぶ」という二輪の乗り物の特性が、レースを面白くしているわけです。
有力選手が一気に4台リタイアなんてことも
レースの見どころ👀
では、実際にレースのどこに注目すればいいのか、具体的に紹介します!
1、スタート
22台のバイクが一斉にスタートし、1コーナーに飛び込んでいく場面は圧巻です。
スタート〜1コーナーは各車の間隔が非常に近いため、レース中で一番順位が変わりやすい瞬間と言えるでしょう。ロケットスタートを決めれば大きく順位を上げられる一方、失敗すると後ろに下がってしまい、追い上げが大変になってしまいます。また、他車と接触して転倒、なんてことも起こり得ます。
全員を満遍なく見るもよし、推しの選手に釘付けになるもよし。とにかく、レース全体の流れを決める一番重要なシーンなので、見逃さないようにしましょう!
2、長いストレート
コースにより長さは異なりますが、長いストレートは追い抜きが見られることが多いです。
例えば、あるコース※では、ドゥカティのバイクは362km/hの最高速度を記録。ホンダは351km/h、ヤマハとスズキは348km/hでした。
つまり、ドゥカティのバイクに乗るライダーは、ストレートを走るだけでアドバンテージがあるということになります。転倒の心配がないため、リスクを負わず追い抜きが可能です。
また、前車の後ろにぴったり付くと空気抵抗が減るため、より速度が伸びやすくなります(スリップストリームといいます)。これを利用して追い抜くシーンも多く見られます。
直線での速度差を活かしたオーバーテイクに注目です!
※ 2021年開幕戦カタールGPのFP4での記録です。
3、コーナリング
ストレートの後の低速コーナーや、コーナーが連続する部分などは、ライバルと差をつけやすいセクションです。
前のライバルを抜くときの定番は、ブレーキングで内側に入り込む(インを差す)です!もちろん、曲がりきれなければ抜き返されてしまいますし、転倒のリスクもあります。2台のバイクが横並びのまま右に左に走り抜けていく、手に汗握る攻防に、見ているこちらもドキドキします(ちなみに、バイクが横並びになって走ることをサイドバイサイドといいます)。
ヤマハやスズキは、最高速度がそこまで速くない分、コーナーでの乗りやすさが持ち味のバイクになっています。そのため、コーナーが多く直線が短いコースではヤマハやスズキが上位に来ることが多いです。
一方、ドゥカティなどのバイクは、コーナーはヤマハやスズキに比べて苦手ですが、ストレートでは圧倒的です。よって、ストレートが長いコースではドゥカティが上位を狙ってきます。
4、最終ラップ最終コーナー
ライバルを追い抜く最後のチャンス、それが最終周の最後のコーナーです。
逆に、ここで追い抜けば、相手に仕返しのチャンスを与えずにゴールできるわけです。
ライダーとライダーの意地のぶつかり合い。バイクの接触も厭わず追い抜きを仕掛けるシーンが見られることが多く、最後まで見逃せません。
むりやりインにねじ込む追い抜きは、レース後に議論になることも少なくありません…
MotoGP以外のレースでも、上のようなポイントが見どころになることが多いように思います。
推し選手・チーム・メーカーを見つけよう!
どのスポーツ観戦でも、推しの選手を見つけられると楽しさが倍増しますよね。
そこで、個人の独断と偏見で、注目の選手と、その選手のチーム・メーカーを紹介します!
マルク・マルケス#93(スペイン・レプソルホンダ・ホンダ)
言わずと知れた圧倒的チャンピオン。2013年にMotoGPデビューし、2013/14/16/17/18/19と、4連覇を含む6度王者です。
彼の特徴は、逆境での強さ。
過去には、最後尾スタートになったのに1周目で22台抜いたり、転んでも転んで無かったりしています。1人だけゲームの世界だとか、アナザープラネットだとか言われるくらい速いです。何を言っているのかわからないと思いますが、この動画を見ればわかります。
ちなみに顔は海猿の伊藤英明に似ています。
バレンティーノ・ロッシ#46(イタリア・ペトロナスヤマハSRT・ヤマハ)
生きる伝説と呼ばれるライダーで、2001/02/03/04/05/08/09と7度チャンピオンを獲得しています。MotoGPはロッシなくして語れません。
世界中にファンがいて、どの国のレースにも黄色い46シャツを着た応援団がいるはずです。そんな私もロッシの大ファンで、部屋にはロッシグッズが溢れています。
毎年イタリアでのレースの時には、サーキットが黄色に染まります。
そして42歳の今も現役を続け戦い続けています。がんばれロッシ!
タカアキ・ナカガミ中上貴晶#30(日本・LCRホンダイデミツ・ホンダ)
現在最高峰クラスに出場している唯一の日本人ライダーです!
自己ベストは4位。白と赤のゼッケン30が表彰台に登るシーンを、今シーズンこそ目撃できると思います!
ジャック・ミラー#43(オーストラリア・ドゥカティレノボチーム・ドゥカティ)
先日のレースで優勝した、破天荒なキャラで有名なドゥカティのライダー。
表彰台に登った時には、なんとレース後の自分のブーツにシャンパンを入れて飲む「シューイ」を披露します。他のライダーやF1にも広がっていますが、やりたくない人も多いはず…笑
この動画の4:03からシューイが見れます👀
ライダー一覧はこちら
この他にも総勢22名のライダーが争っています。自分の乗っているバイクのメーカーで決めるのも、顔で推しを決めるのも良いきっかけです!
MotoGPについてもっと知りたい!おすすめコンテンツ
YouTubeには、MotoGP公式の動画がアップされています。下に、おすすめ動画を貼っておきます!
バイクの色とメーカーの関係は、基本的に青がヤマハ、オレンジがホンダ、赤がドゥカティ、水色がスズキ、ということをまずは押さえておくと良いと思います。
英語実況ですが、その興奮度合いが伝わってくると思います!
まとめ
以上、MotoGPの見どころについて紹介いたしました。次回の記事では、MotoGPの視聴方法や、MotoGP観戦経験のないアンバサダーがどのように楽しんでいるかをご紹介します。
また、本記事投稿の翌日5月28日からは、MotoGPイタリアGPが開催されます。MotoGPは動画配信サービス Hulu にて予選と決勝を視聴することができます。少しでも興味を持っていただいた方は、2週間無料で観ることができるため、ぜひご覧ください!
※写真はすべてMotoGP公式サイト motogp.com より引用
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