【250字レビュー】1R1分34秒

文藝春秋にて読了。詩かツィートのような短い一文のリズムや率直な感覚表現がピュアな感触。カメラに饒舌に話す感じも子供みたい。スレるギリギリのラインで一貫したあるべき姿を模索する葛藤か。友だちの作る映像はボクサーのロマンを写しているのかもしれない。実際には最後に混乱しながらこの映像をみて自分に挑む。弱さをないがしろにしない誠実さ。ボクサー以外ではあり得ない自分とボクサーとしてはやれない自分が同居。取り繕いやノイズを省き、ただ飢餓感を勝つことに収斂させていくことで今の自分を保とうとする危うさ。若い誠実さの物語。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?