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【250字レビュー】おもろい以外いらんねん

大前粟生「おもろい以外いらんねん」

文藝にて読了。どこからがふざけていて、どこからが普通の会話なのかわからない感じの面白さ。滝場は空虚さを笑いに変える、これに乗っかりながら冷静な主人公、これにお笑いが全てといったユウキが絡んでストーリーは進んでいく。話がジェンダーに向かうところもなるほどという印象。ただ、後半はジェンダーの話が大きく、外側からの話になった感じがする。青春小説好きとしては、もう少しそれぞれの葛藤を覗き込みたい。この意味で最後の公園のシーンは、もっとドロドロするのではないか。やや唐突な終わり感はあるかも。

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