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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿94

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第94回全文無料で皆さまにお届けします。

第93回から続く

{先日引用しました、Game of Tradesさん~引用(この寄稿の中で繰り返し)~「2021年12月以来、アメリカ株から最大の資金流出。投資家は、2022年のベア・マーケット前、大規模にアメリカ株から資金を引き出したわけですが、その時と同じ事をまたしています。2022年の繰り返し局面に私達はいるのでしょうか?」~略~そして「1981年以来最も深い10年債と2年債の逆イールド(逆イールド・カーブ~(短期金利の水準が長期金利よりも高い状態のこと)で、米経済はリセッションの瀬戸際」こういうところを、今一度、押さえるだけ、押さえておく事、大切だと思います。}

過去の寄稿やスペースで、バンカメのストラテジスト、マイケル・ハートネットさんの言葉をお借りして「米金融当局が引き締めを終了するにはリセッション(景気後退)とクレジットイベントが起こる必要があり、それが新たな強気相場の始まりをひき起こすことになる」という表現を引用使用してきました。また、それとは別に、金利引き上げを継続している局面でベアー・マーケットが終わるというのをこれまで見たことがありませんと述べました。

一般的な順番


これらの表現の背景にある考え方と致しまして、一般的な順番と言うかそのイメージを述べますと。ここでは、それが起こる、起こらないという予想の話をしているのではありません。ごく、基本的な、それが起こる場合については、こういう順番・イメージですかね~という話をしています。

逆イールド(短期金利の水準が長期金利よりも高い状態のこと)、それでリセッションすなわち企業業績悪化、クレジット・スプレッド上昇クレジット・イベントが起こるという事になるというイメージ、順番です。クレジット・スプレッドの上昇というのは、それが起こる時、急激に起こりますから。

クレジット・スプレッド(与信スプレッド)とは、企業などの返済リスクに応じて「上乗せ」される金利の事です。スプレッドというのは異なる2つの債券の間での利回りの差の事です。異なる2つの債券間の利回りの差はイールド・スプレッド。例えば、債券の利回りと株の配当利回りを比較してその差を述べる場合については、イールド・ギャップという表現になります。

今は、逆イールドは起こっていますが、リセッションが起こっているわけではまだありません。リセッションは多くの人に意識され、視野にも入っていますが(視野に入っていなくてソフトランディング(軟着陸)という方ももちろん多いです)、今はまだリセッションそのものは起こっていない、逆イールドが昨年7月以来起こっているというだけの状態です。

マーケットがこれまで言ってきたところのソフトランディングでオッケー。イエレンQE(量的緩和)。そして、引き締め~より長く、より高く~はFRBの口先宣伝。今年後半金利を下げる。5%超位まで政策金利を引き上げたら、それほど間を置かず、間髪を入れず、景気を刺激も損ねもしない中立金利水準、マーケットが見るのは3%水準まで金利を下げる。これは、別の表現を用いますと、200ベーシスポイント、金利を下げるという事です。そんな、都合よく、なにからなにまで、良いとこどりで行けるとは、僕は考えておりません。200ベーシスも金利下げるというのは、その時よほど景気が悪いんじゃないんですか???Huh???(どう、そうじゃないの?だよね???)と思います。


第77回の寄稿で引用しました~ブルームバーグ記事の引用ですが~「米ISM非製造業総合景況指数、12月は49.6に低下-市場予想55
1/7(土) 0:07配信(ブルームバーグ): 米供給管理協会(ISM)が発表した昨年12月の非製造業総合景況指数は49.6と、前月の56.5から低下した。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は55.0だった。」引用終。

「米供給管理協会(ISM)が発表した昨年12月の非製造業総合景況指数は49.6と、前月の56.5から低下した。」~こういう経済指標が、これほど低下しているわけですから。こういう指標が何かを示唆しているのではと当然考えて見ています。

それで、この寄稿でも何度か過去に引用させて頂きましたジュリエン・ティマーさんによりますと、「サイドラインにキャッシュが山積みになって待機してますよ」との事です~引用~「マネー・マーケット・ファンドの資産規模、現在、4兆8000億ドルで、2020年3月に見られた最高水準と同レベルです。ジュリエン・ティマーさんご自身は、これを時価総額のパーセンテージで見る事を好まれているという事で、それに基づいて見ると、マネー・マーケット・ファンドの資産規模は時価総額の11%の水準にあって、市場が高値を付けていた時の8%(この時最も(現金比率が)低かったのですが)を上回っていますが、2020年において市場が安値を付けた時の17%(この時最も(現金比率が)高かったのですが)を大きく下回っています。理論的には、(株の)ラリーをたきつけて促進さえし得るだけの現金が待機しているという事になるのですが、現在、その待機している現金があからさまに(株の)ラリーを動機づけたり、現金から(株などのリスクアセットへ)逃避しているようには見えません。」という事です。~引用終。

誤った安心感


これは、、Chedder Flowさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
Chedder Flowさん~引用~「ニコラス・フェレス氏(ヴァンテージ・ポイント・アセット・マネジメントの最高投資責任者)によると、S&P500とハイ・イールド社債は「引き締めサイクルと景気後退の可能性」を考慮しておらず、さらなる売りに対して脆弱になっている状態~略~誤った安心感を持ってますね」

僕も同様の感覚を持ちながらマーケットを見ております。


マーケットが最終的に下落するまでに、2回誤ったブレークアウト


そして、tomさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
2001年、2002年当時と現在を比較しているチャートなのですが、「マーケットが最終的に下落するまでに、2回誤ったブレークアウト~上抜けと見せかけたブル・トラップのような見せかけの上抜けポイントが2回あったわけです。2回目は、マーケット参加者によるgreed(グリード・強欲さ)によるもの」~とtomさんは述べておられます。

なぜ僕が今、こちらを引用させて頂いたかというと、アメリカのオンライン上で、金融関係のコメントをちらほらですが、見ておりますと、もちろん、グリード(強欲さ)をバロメーターとして数値化して計測していらっしゃる方もいますが、とにかく、すごく目につくのは、感情部分を含めた、強気をおっしゃっる方の傲慢な姿勢です(笑)。今、強気にならない、なれない人間は、全部、バカ・アホというノリです。(笑)今、ショートを考える人間は、全部、バカ・アホというノリでもあります。(笑)「あれまあ。僕なんて昨日の前回の寄稿でショート振りたい、積み増したいなどという個人的希望を述べたばかりだったのですが。それは、アホだったんですね」という感じです。(大爆笑)

強欲さという観点からも、このtomさんがシェアしてくださったツィートとチャートを見ていました。

非常に冷静に、紳士・淑女的にマーケットをご覧になり、コメントなどしてくださるアメリカ人の方がWhoa(ありゃ~ · わぁ~、おっと、 おっと)~という一言でいなしておられたり。言葉で、「マーケットに対して、弱気・強気があるのは当然で、それはどっちも一理ありなんだけど、強気を言う人達の傲慢さにはあきれ果てて、嫌になってしまう」と、もっと強烈な言葉で、その傲慢さを批判さえしておられました。bulltards(ブルタードの複数形)という言葉があって、いつもマーケットは上がると思っている人達を揶揄する意味のある言葉ですが、そういう言葉を使用して、その傲慢さを批判している姿さえ、目にしました。(笑)

僕は英語の先生ではありませんが、英語というのは、日本語で言うところの馬鹿とかアホとか、そういう類の言葉が極めて豊富で(笑)。それはもう、いっぱい、いろんな言葉があります。そしてまた、様々な表現方法があります。(笑)

キーボード・ウォリアーズ


一般的に、オンライン上でよく言われるのは、keyboard warriors(キーボード・ウォリアーズ・キーボード上・オンライン上だけに限っての戦士。現実社会では、認知されることもなく、そのような事ができないがゆえ)という言葉です。自分の正体は隠した上で、非常に攻撃的、挑発的なことをネット上に投稿する人を指す言葉です。よく、揶揄として、たとえで用いられます。「あれは、キーボード・ウォリアーズにすぎないだろ。悲しくなるね。惨めだよ。」といった具合です。(笑)今、アメリカの個人投資家さんのそれはもうすごいです。自分と意見が違ったら、その相手を全否定。すぐに、バカ、アホ呼ばわりです。(笑)以前に寄稿しましたが、You can dish it out, but you can't take it.(他人のことをすぐに批判するけれど、他人の批判は受け入れられない人)これが強烈です(笑)。近寄らない、関わらないようにしています(笑)。

ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏はじめ、多くの著名人が、機会あるごとに、アメリカの教育の底上げを訴えかけてこられ、レイ・ダリオ氏は、ご自身でも頻繁に、思考方法やお仕事の進め方の手引きについて様々に発信されておられます。

繰り返しですが(笑)、トランプの悪影響も多分にあるのでしょう。過去この7年間の間に、嫌というほど目にした、自分こそがいつも常に正しい。間違いを認めることなく、全否定。都合が悪くなると、すぐに今度は犠牲者になって、裁判所に駆け込む。

そう言えば、つい先日、裁判所の判事さん(ドナルド・ミドルブルックス判事)から、公式に、トランプ氏とトランプ氏の弁護士に、「ヒラリー・クリントン氏はじめ、政敵に復讐するための軽薄で軽はずみな訴訟及び裁判所の利用は止める事。司法プロセスの悪用・乱用である。という事で、他にも明確にその理由をミドルブルックス判事は述べられ、トランプ氏とその弁護士に罰金約100万ドルを課しました」よくぞ、ミドルブルックス判事、明確に、おっしゃって、そうしてくださいましたという感じでした。(笑)

トランプ氏が大統領時代、アメリカの方と直接お会いしてお話する機会に、「どうですぅ?トランプさん?」とかって、僕の方から話を振ったりしますと「He is not our president.」(彼は、私にとって(私達)の大統領ではない」という言葉が即座に返って来て、話それで終わり、という事もありました。(笑)
しかしながら、一方で、僕は直接そういう方を知りませんが、「大統領がそう言うから」「大統領がそうなんだから、私がそうしても、そうでも、それと同じでも、いいじゃん」という方々が少なくとも人口の5000万人くらいは、いらっしゃるのではないかと推察致します。(笑)これは、僕がテキトーに数字を言っているのではなくて、元米政府関係者のおひとりが個人のコメントとして、そういう事がもっぱら話題・議論の的になっていた当時、愚痴りを含め込めて「この国には、5000万人くらいどうしようもない○○○なのが、いる」と揶揄・明言されながら、お話されておられました事からです。
MAGA(Make America Great Again)の人達、狂信的なトランプ信奉者、陰謀論者。それを多くの人達が揶揄して、uneducated(無教育で)、gullible people(騙されやすい人達)と呼んだりです。MAGA、狂信的なトランプ信奉者、陰謀論者、キリスト教福音派トランプ支持者、の人達で、米人口の約2割5分くらいというところでしょうか。~米論客の見立てから~
(笑)以前に寄稿しましたが、1月6日議事堂襲撃事件の時、「大統領がそう言うから」という事で、わざわざテキサス州からプライベート・ジェット(機)でワシントンD.C.に飛んで、議事堂襲撃事件に参加して、後に、有罪判決になった、職業は不動産ディベロッパーという女性もいました。その人は、「大統領がそう言うから、行ったのにィ」「なんで私が有罪なの?}って言ってました。(笑)随分当時、この事は当時話題になりました。(笑)もう、言葉もありません。(笑)

昨日の寄稿で述べました~1月24日ジョージア州特別大陪審でのヒアリング~ジョージア州フルトン群ファニ・ウィリス地方検事・地区検事長~特別大陪審の報告書を公開する事に関する法定審問で「将来における被告が公正に扱われるためには、現時点で報告書が公開されることは適切でないと考えてる」「決定が差し迫っている」~かつてロシアとトランプ陣営の2016年大統領選挙の共謀疑惑を捜査したミュラー・特別検察官の右腕で、最高の切れ者と敬われてきたアンドリュー・ワイスマン現ニューヨーク大学法科大学院教授のお話を聞いておりますと。氏は、ファニ・ウィリス地方検事・地区検事長が起訴に踏み切れば、大論争・大騒動が巻き起こるかもしれないと述べておられました。

過去のこの寄稿で、僕が最も尊敬している人のうちのおひとりの話を引用しました。「いずれ、いつか起訴されるのだろうけど、それは、もう、みんながその話題に触れる事もなくなって、みんなが忘れた頃」

どうなんでしょうか?昨日、ティーシャ・ジェームス(レティーシャ・ジェームス)ニューヨーク州司法長官は、トランプ氏とトランプ氏の会社トランプ・オーガニゼーションに対する追及の手を緩める事はない(こちらは民事での捜査、しかし、いつでも刑事にも変わり得る捜査)と再度表明されておられました。

連邦法は連邦法、州法は州法。まずは、州法に基づいて、ジョージア州からと思っているのですが。

連邦法に基づいては、トランプ氏のホワイトハウスからの機密文書持ち出し事件でのジャック・スミス連邦特別検察官の捜査からの起訴をまずは近い将来、見たいというところなのですが、個人的には。

前述のアンドリュー・ワイスマン氏の大論争・大騒動が巻き起こるかもしれないというお話から。昨年2022年4月頃読んだ、アメリカ例外主義(American exceptionalism)というオンライン記事。金融危機当時の金融機関に対するツー・ビッグ・ツー・フェイル(大きすぎて潰せない)にかけて、悲しいかな、まだ、大統領経験者については、ツー・ビッグ・ツー・ジェイルなのではないかと記されていた事(大統領職経験者はその存在が大きすぎて、逮捕して牢屋(ジェイル)に入れられないというニュアンス)が頭から離れません。とにかく、これについては、待つしかありません。

この寄稿では、アメリカの株式市場に関わらず、トランプ氏が現在も共和党支持者の間で最も支持を集めているという事実から(もちろん新しい共和党を望む人達も出てきていますが、今はまだトランプ氏です)、トランプ氏、その関係者、支持者、政治、民主党と共和党など、様々に述べております。そういう中で、下記の債務上限問題関連のニュースには、その都度目を配っています。まず、トランプに乗っ取られたカルトの党、共和党。まずは、落としどころを見つけて、そこで折り合いをつけようというような政治姿勢では、そもそもありませんから。

第95回へ続く
最後に …
これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間

2023年1月19日 第6回スペース 8分間


関連note

私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


🍅注意事項
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投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

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サポート🍓本当にいつも有り難うございます。