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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿85

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第85回全文無料で皆さまにお届けします。

第84回から続く


FRB リセッションを十分意識しているはず


本当は、16日と17日の寄稿お休みしようと思っていたのですが。ついつい、ノートしちゃいまして。なんでかって言うと、「市場はリセッションを織り込みに行っているけど、FRBはリセッションを意識していない」みたいなことをちらっと目にしまして。
この寄稿で、昨年述べましたが、経済学の博士号を有したFRBの多くのエコノミスト達は、リセッションに入るのであろうと十分意識しているという主旨の事を述べました。

リセッション云々については、これまでにその定義2つとNBER(全米経済研究所)が使用してるものと全く同じデータを解析してくださった例を用いて過去の寄稿やスペースで述べました。昨年11月時点で、NBER(全米経済研究所)が見るリセッション確率はおおよそ10%でした。
今、とりあえずは、リセッションは置いておいて、ポイントはPIVOT(FRBの政策転換)です。

まずは、FXHedgeさんがシェアしてくださったツィートです。

FXHedgeさんのツィートをそのままグーグル翻訳すると(僕の訳ではありません・そのままが良いかなと思い、グーグル翻訳です)、
米国の2年物利回りは、FRBの利上げサイクルで初めてFEDファンドのレートを下回り、FRBの一時停止/ピボットが確認されました

PIVOT(FRBの政策転換)


市場が何を織り込もうとしているのか。何を織り込みに行っているのか、これが大切です。その織り込みが、正しいか間違っているかは別として。
間違っていた場合は修正されるでしょうから。ポイントは、PIVOT(FRBの政策転換~金利引き上げ停止・金利引き下げ)です。


第83回や第79回から第82回の寄稿を、宜しければもう一度ご覧になって見てください。僕が申し上げてきました事は、この事です。
それで、僕は過去の寄稿でPIVOT(FRBの政策転換)なんて見えませんと述べてきました。また、その理由やその経緯その他についても述べてきました。できましたら、どうぞ過去の寄稿を全てパラっとでもご覧になってみてください。


過去の寄稿ではまた、FRB近年の歴代議長、グリーンスパン議長バーナンキ議長イエレン議長パウエル議長、それぞれについても述べました。また、昨年11月のFOMCの後の記者会見においてのパウエル議長のお話のされ方は、「(経済学の博士号を有したFRBのエコノミスト達やハト派に傾斜したFOMC員会のメンバーの中で)弁護士のリスクマネジメントを見ているよう(聞いているよう)だった」と述べた方の引用もさせて頂きました。

なぜ、このような事を言うかと言いますと、金融市場は織り込み方を間違うからと言って話を済ませてしまうのは簡単です。でも、もうひとつ、踏み込んだところを見ておく必要もあると思います

よく英語で、What am I missing?(何を見落としている?何が足りてない?)とかって言います。
見落としているかどうかわかりませんが、イエレン財務長官の存在の大きさ。

ポイントは、過去の寄稿で述べましたイエレン財務長官ブレーナード副議長のラインなのです。
過去に様々にその都度述べましたが、「昨年2022年初め、ハト派の重鎮であるブレーナード副議長が重い腰を上げてインフレ抑制に取り組むことを表明した」ですとか、イエレンFRB議長時代ブレーナード理事パウエル理事だった事。なぜ、当時のトランプ大統領によって、イエレン議長が異例の1期4年でFRB議長を退任してパウエル議長になったのかその経緯についても述べました。

グリーンスパン議長、バーナンキ議長、イエレン議長は、みんな経済学者で、それぞれの議長時代、そのラスト・ネーム、名字そのものがFRBと言っても過言ではありませんでした。たとえば、グリーンスパン議長が、金融政策秘密主義の時代{今のようにドットプロット(金利予測分布図)やフォワード・ガイダンスがない時代}、こうだ、と言えば、ああ、そうなんだなと。
ここで、組織のリーダーシップ論について触れるつもりはありませんが、先頭に立って陣頭指揮を執るカリズマティックなリーダーとみんなから上がってくる意見をよく聞いて、汲み取って、消化して、咀嚼して、総意のもと、それから、口に出してリーダーシップを取るタイプのリーダーと。僕は、パウエルさんが本来どちらのタイプの人か知りません。ただ、FOMC後の記者会見を聴くたびに、本当にそうであるかどうかは別として、後者として振舞っているんだろうな、そうした方が良い、そうせざるを得ない、何か意図や理由があるんだろうなと推察したりしています。


ベン・バーナンキによって宣誓させられるイエレン


ここのところ、直近、イエレン財務長官の留任のニュース、これはとっても大事なニュースですと、債務上限問題でしたから、2回続けて引用寄稿させて頂きました。今、バイデン政権で、アメリカを動かしているのは?その中心人物は?笑顔でニコニコして。細心の注意を払って、慎重に慎重に発言できる人。Think big, Act big. 大きく、大きく大局を考えて、スケール大きくふるまえる人。2009年金融危機冷めやらぬ中、サンフランシスコ連銀の総裁としてその手腕をフルに発揮した人。FRB議長と財務長官の両方の職責に就いた唯一のアメリカ人。イエレン財務長官です。
ラリー・サマーズさんも本人が望めばそれができたのではないかと思われる人ですが、俺様、サマーズ様の天才肌(様)なので、FRB議長の職には興味ないとか言っちゃて。余談はさておき、イエレン財務長官なのです。


間違う事もあれば、賢い事もある市場。イエレン財務長官ブレーナード副議長のライン。ブレーナード副議長につきましても、この寄稿で事あるごとに触れてきました。このラインを舐めてはいけません。ましてや、今、共和党側は、下院議長の椅子を手に入れるために、極右勢力と取引して、その取引内容さえ開示しない、ケビン・マッカーシーという、中身が空洞な、野心だけの倫理観の欠落した男が下院議長ですから。当然、財政保守・強硬派の言いなりになる事は十分に考えられます。少し、話がそれましたが。
とにかく、イエレン財務長官。そしてブレーナード副議長。そのハト派ぶり。アメリカン・ピープル(米国民)のため。新興国など国際情勢を十分に考慮して。
この寄稿でも、イエレン財務長官は今や大政治家のようだと僕は述べました。
僕などにその存在の大きさをを読み取る事はできません。

いっぽうで、パウエル議長が昨年8月の終わりにジャクソンホールで8分間スピーチした時のポイント3つの3点目(詳しくは過去の寄稿をご参照ください)。FRBとして、70年代の失敗を教訓とする。(あの失敗は繰り返さないという事)この寄稿でも事あるごとに触れましたが、70年代、インフレ抑制の手を緩めて、インフレがさらに勢いを増してぶり返して戻って来て。それを1979年から1981年の終盤まで約3年間金利を引き上げ続けてインフレを退治したと歴史に名をのこしたポール・ボルカー議長です。この時、70年代半ば、やはり当時マーケットが壊れて、そこでPIVOT(政策転換)があったわけです。マーケットが壊れたり、リセッションがあるとFRBは過去PIVOT(政策転換)してきました。


ポール・ボルカー


2年物国債の利回りに、とにかく注目


第80回の寄稿からの引用です。
{第80回の寄稿で述べましたが、「市場にある期待、楽観、希望的観測、と申しましょうか~(5%超に金利を引き上げた後、さほど時間を置くことなく、間髪を入れず、景気を刺激も損ねもしない中立金利水準、たとえば市場が見ているのは、3%近辺までFRBが金利を引き下げる)・(ディスインフレの明らかな証拠も出てきているし)」それでアメリカのトレジャリー・2年物国債の利回りに、とにかく注目する。まあ、それ(2年物国債の利回り)につきましては分からなくはないですが。FRBもこれに常に注目していますから。それで、「FRBは、口ではそう金利引き上げて、引き上げた高い水準でしばらくの間維持するって言っているけど、おそらくそれは口だけだって。いずれ、金利下げざるを得なくなるんだから。マーケットが正しいのよ。正しいそっちをもう織り込んで行かないと。乗り遅れるよ」とマーケット(市場)が言っているようでもあります。}

第79回の寄稿で、ISM(Institute for Supply Management)(非)製造業景況感指数とPMI(Purchasing Manager's Index)購買担当者景気指数を例にあげました。
「最も直近の過去10年単位の時代(量的緩和の時代)においては、こういう景況感を表す指数が弱いとFRBは景気刺激、緩和傾向にあり、株上昇というストーリーが生きて来ました。そういう時代なんでしたっけ?と市場に尋ねてみたくなる時もあります」と述べました。

PIVOT(FRBの政策転換)なんて、今あり得ないでしょ


もちろん、僕の思考や見方にこれまでから、なにも変化はありません。今まで通りで見ています。パウエル議長の言った事を素直に聞いて。PIVOT(FRBの政策転換)なんて、そんなことないでしょ。今あり得ないでしょ、って思っています。

ただ、イエレン財務長官の存在の大きさについては、僕は、ここは分かりません。一言で言うとbeyond me(私の想像できる範疇を超えています)です。(笑)

ニコニコ笑いながら、満面の笑顔で、「インフレ抑制にリセッション(景気後退)は必要ない」とおっしゃられる方ですから。

ここを今後見落とさないようにはしたいですね。イエレン財務長官の存在の大きさ。今は、とにかく、先日NEOさんがまとめてくださったアウトライヤー寄稿のFOMC関連を本当にベースに、マーケットを見ています。

そして、昨日引用しました、チャート上に引かれた赤い線、そこからの動きを見ています。もちろん教科書では、あの状態になった時には、それは、弱気相場の継続と見るのが教科書上はそうなのでしょうが。そこは、何が起こるかわかりませんから。だから、予測は嫌なのです。事実とやり取りしたいのです。ただ、読めない、見立てができない事もあります。ここがもどかしいところですね。さはさりながら、これまでから、目線やスタンスに変更はありません。

方向性で言うなれば、バンカメのストラテジスト、マイケル・ハートネットさん、ここから10%下落。S&P500で3600レベル。でもこれだと、昨年10月の底は抜けないという事になります。そして、モルガンスタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソンさん。マイケル・ウィルソンさんのコメント報道につきましては、過去に2回連続で寄稿させて頂きました。

何を見落としているのか、何が読めないのか


今日、この寄稿で筆をとったのは、アウトライヤーのお休み緊急寄稿ならぬ、アウトライヤーの「のんびり、何を見落としているのか、何が読めないのか寄稿」です。(笑)まあ、自分が見ているところやその根拠を少しでも具体的にお伝えさせて頂けましたらと思いまして、ノートさせて頂きました。(笑)

何がこの寄稿で言いたいかと申しますと。それが来るのか来ないのか、いつ来るのかは別としまして。市場も、FRBも、リセッションという事は十分、意識する事は、意識しているのです。意識しているからこそなのです。過去、そういう事になった時、FRBは前述のごとく、PIVOT(政策転換)をしてきたわけです。それで、今回も、それを市場が見越して、そのPIVOT(政策転換)を織り込みに行ったと見られているわけです。だから、前述のFXHedgeさんのツィートなのです~そのままグーグル翻訳すると(僕の訳ではありません・そのままが良いかなと思い、グーグル翻訳です)~「米国の2年物利回りは、FRBの利上げサイクルで初めてFEDファンドのレートを下回り、FRBの一時停止/ピボットが確認されました」

その上で、僕が今思っていることは、PIVOT(FRBの政策転換)ですとか、業績発表に対する楽観論ですとか。どうなんですかね?そうなんですかね?と思って、???と一緒にいるわけです。昨年来、第4四半期の業績発表時それすなわち、今からこれからと、第1四半期の業績発表時、この春先は大切だと述べてきました。まず目先足元、第4四半期の業績発表に注目するとともに、PIVOT(FRBの政策転換)を見越している市場に対して疑問符を投げかけながら市場を見ているという姿勢です。


第86回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間


関連note


私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅


弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。



🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


サポート🍓本当にいつも有り難うございます。