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初めまして、文学フリマ。【初出店レポ】

こんにちは、フリーランスでデザインやイラストやってますnenneです。
本当はもっと早く書き上げたかったのに、いざ書き始めるとつらつらと余計なことをたくさん綴ってしまい、珍しく長いnoteです。

さて、少し時間が経ってしまいましたが、5/19に文学フリマ東京に出店しまして、その際ブースにお越しいただきました皆様ありがとうございました!!
初めての文学フリマ、初めての対面イベント、初めての本作り。何もかも初めて尽くし。とても良い経験になったので、次回の自分のために記録を残していこうと思います。
時系列順で、どうぞ。


本作り編 -テーマ決め-

まずは本作りについて。
漠然とエッセイ本を作りたいという気持ちはあったものの、どういう題材でどういうテーマで作っていくか、というのが一番大事。なのですが、ここは今回あまり悩まずに決めました。
テーマは『自身の老い』について。
時々自分の中で、あ、これ書き留めておきたい、この感覚新しいからメモしておきたい、と思ってiPhoneのメモ帳にすごく簡単なテキストで出来事と感情を書き留めておくことがあります。その時に2,3個残しておいたメモの共通していたテーマが自分の年齢的変化について。いくつか溜まったらnoteにまとめて投稿するのも面白いかな、とこっそり考えていたものでした。
そして一緒に出店する友人が、妊活についての本を作るということで、32歳の女二人が女性の年齢的な部分に着目してそれぞれの視点で本を作るのは、面白いブースになるのではと思いました。
結果的に世界観の統一されたブースになり、複数冊同時購入いただけることがほとんどでした。


本作り編 -ヤマダ本-

私が『老い本』、友人が『妊活本』、そして二人で一緒に『ヤマダ本』を作ることと決まりました。
『ヤマダさん、布団で寝てください。』通称『ヤマダ本』。美大生時代に私たち二人がお世話になったヤマダさんについて書いた本で、我々の一押しの一冊。ヤマダさんという不思議であったかくてクセのある宇宙人のようなこの人について、とにかく愛を込めて自由に綴ったもの。
あまりに個人的なテーマに、第三者に読んでもらうためにうまくまとまるか心配はありましたが、完成してみると一安心。共同出展者の友人の本職はライターなのです。導入文、後書き、本文デザインで仕上げてもらい、読み物として面白い一冊に仕上がったのではと自負しております。表紙デザインと挿絵はわたしが担当し、お互いに出来ることを生かしながら、自然と役割分担ができたものよかったです。


本作り編 -老い本-

『自身の老い』をテーマに書き始めた「32歳の希望的観察日記」、通称『老い本』。
なんといっても一人で一冊の本を作るのは未経験。どれくらいの文字量を自分が書けるのか、どんな製本をするのか、お金を出して買ってもらえるような本が作れるのか、不安と疑問がいっぱいでした。
そこでまずはリサーチに向かったのが、今年1月に開催された文学フリマ京都。実際に自分が出店するぞという気持ちで参加したので、ブースの作り方、製本、本の内容、価格設定、名刺のデザインまで、本当にたくさん勉強させてもらいました。
そこで出会ったのが、8ページの折本。A3の紙を折っていって8ページの本を作るという製本方法。存在は知ってはいましたが、内容が充実していればこれでも立派な本になるんだ、という目から鱗。
そもそも初参加の自分が、どれくらいの本を作れるのか全くの未知数。立派な製本をして内容が乏しいものができあがってしまうのが不安でした。
初めて一人で作る本、まずは折本で試してみよう。でもせっかく作るなら印刷くらいはこだわりたい。レトロ印刷さんでリソグラフ印刷をしてみよう。
こうして8ページに収まる内容作りを始めたのです。


ブース作り編

こだわって作りたいと決めていたのは、机の敷くための布。初出店のくせに形から入るタイプ。
注文するという手もあったのですが、ロゴをでっかく書くだけなら手書きでいけるだろうと舐めてかかったらそれなりに苦労したので、参考にされる方はお金と時間の天秤にかけて決めてくださいな。

▽ 手作りの場合の材料と手順はこちら
・布(幅90×縦150)*今回はシーチングという薄手の布をチョイス
・油性ペン ※布用ペンがあればそっちの方が良かったかも
・ロゴを印刷した用紙(A2)*コンビニでA3を2枚出してくっつけました

試し書きなしで一発書きしたらめっちゃ滲んでリカバリーが大変でした。。。


事前にある程度イメージを組み立てていかないと不安なわたしは縮小の設置図を用意しておきました。当日もそれに合わせてセッティングしたので、置き切れない、スペースが余る、といったこともなく程よく置けた印象です。

これが…
こうなる!かわいい! 

各本の紹介パネルは友人が作ろうと言ってくれて、そんなものが必要とはわたしは思いつきもしなかったのですが、実際置くと離れていても目に留まってとても良きでした。それぞれのアイデア詰まったブースになりました。


当日 -セッティング-

10時半会場、12時開始。セッティングに1時間半もあるなら余裕と思うなかれ。文フリ初心者の我々はバタバタ。
ただでさえ狭い90cm幅のブースに二人入って、スーツケースまで持ち込んだのでお客様から見える表だけでなく裏側も整えるのに必死。なるべくスムーズに商品受け渡しができるように電卓やペンなど必要なものだけ出して、在庫や名刺も取り出しやすい場所に置いて、ブースを整える以外にも裏側を整えるのも大事なんだなぁというのは出店側になって初めて気づくこと。
必要かもしれないとあれこれ持っていったので、何かがなくて困るということはなかったのですが、物が多くて管理が大変でした。なんせ狭い。
次回はもっとコンパクトにならないか考えてみます。


当日 -販売開始-

時間通り12時に会場。最初は人気ブースに人が集まるので、人はぽつぽつ。ゆっくりスタートかなと思ったのも束の間。あっという間に会場は人が埋まって、前半2時間は本当にてんやわんや。目が回るとはこのこと。本が一番売れたのもこの時間でした。

さて、一番最初のお客さんは共同出展者の友人のお友達。こちらを目指して来てくださったそうで、相方の本だけでなくわたしの本も一緒に3冊まとめてご購入くださいました!
「じゃあ3冊ください」初めてそう言われて、一瞬フリーズしてしまいました。
3冊ください…とは…買ってくださるという意味でしょうか…と、信じられない気持ちで脳内パニック。二人であわあわとお会計して本と名刺をお渡しして、うっかり特典のステッカーを渡し忘れてしまうところでした。
お客様が去ってから、うわーー売れたね!嬉しいね!嬉しすぎるね!と友人と感動を分かち合う。初めての気持ち。ぶわーっと高揚して、どきどき。
誰にも見向きもされなかったらどうしよう。誰も手に取ってくれなかったらどうしよう。前日は不安で押しつぶされそうだったのに、その後もたくさんの方に手に取っていただいて、わたしたちが予想した以上にたくさんの方にご購入いただきました。

「SNS見ました」「WEBカタログでチェックして」「見本で見て気になって」「今朝のリール動画を見て」「通りすがりに気になって」「ポストカードの色味が目に留まって」
ご購入の理由をきくと、様々な理由で立ち寄ってくださったのがわかります。
特にSNSでの宣伝、頑張ってよかったー!と実感。朝向かう途中の新幹線の中で作ったリール動画を見て来てくださったというのは特に驚きました。ギリギリまで発信してよかったと、本当に思いました。

ご購入いただく方はやっぱり同世代の方が圧倒的に多かったです。『老いの本』も『妊活本』も同世代の方で気になって、と2冊セットでご購入いただきました。
対して『ヤマダ本』はわたしたちもどう魅力をお伝えしたらいいか、前半は試行錯誤。最初はご購入につながることは少なかったのですが、お客様とお話ししながら伝えたい言葉を探していって、後半は一番手に取っていただけました。
どんな本だろうとぺらぺら見るだけでは伝わりにくいので、本の魅力を短い言葉でどう伝えるかはすごく重要。説明して、ふふっと笑ってもらえると、よかった伝わったかなと少しほっとします。
そして『ヤマダ本』は男性に見ていってもらうことも多かったのが意外な発見。わたしたちのブースの中で、読者層を広げてくれたヤマダ本。ありがとうヤマダ本。

後半は人がぽつぽつと減ってきて、売上のほとんどは開始2時間。後半は少し落ち着いて他のブースを回ったりすることもできました。
会場を回ってみると本当に魅力的なブースばかりで、こんな中でよく我々のブースに辿り着いてくださった。ご購入してくださった。と改めて奇跡のような出会いに感謝してしまいます。

素敵な出会いを本当にありがとうございました。

#文学フリマで買った本
どれもすてきで、今少しずつ大切に読ませていただいています。

終了後

終わってみたらあっという間。
早朝に関西から新幹線に乗って東京に到着、そしてあわあわしている間に一日が終わってしまった。今年の年明けに計画を立てて、そこを目指して準備して、それが終わってしまった喪失感。なんだか2,3日は脱力状態が続いていました。
でもそこで終わらないのが文学フリマ。購入者の方々がSNSで「#文学フリマで買った本」でタグ付けしてくださるのです。これがめちゃめちゃ嬉しかったです。当日買ってくださるだけじゃなく、ご自宅に帰られてからその日の購入品をずらりと並べて、その中に自分が作った本もあって、気に入って買ってくださったラインナップに含まれているのが実際目に見えて。帰ってからもこんな感動があるのかと。
ご紹介くださった皆様、本当にありがとうございます。


通販開始

日程の都合などで会場に来られないという方もいらっしゃったので、現在minneにて期間限定で老い本、ヤマダ本、ポストカードセットの販売を行っています。
6月中旬頃までは出品してる予定なので、良ければ覗きにきていただけると嬉しいです。

*6/18追記
ヤマダ本、売り切れました!ありがとうございました!!
老い本とポストカードは6/23(日)まで販売中です◎良ければご覧ください。


今回かなり長く書いてしまいましたが、 文学フリマ初出店の振り返りは以上です。
ずっと手探り。何もかもが不透明。探り探りの出店でした。
が、なんとなく全貌は見えた!はず!反省点も改善点も見つかりました。
次回の出店の向けて、夏頃に友人と構想を練って、また何かお届けできればと思います。

文学フリマ東京38にて「nenneとkehai」のブースにお立ち寄りくださった皆様、ご購入くださった方々、本当にありがとうございました。
次回1月の文学フリマ京都に出ます。(まだ申し込み開始してないので、正確には、出たい、ですが)
また次の会場でお会いしましょう!

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