見出し画像

点心師への道⑥点心師初級実技試験、実況中継(2)

こんばんは、茉莉商店の寧々です。上海で点心師試験を受けた時のお話を書いています。最初の記事はこちら👇

点心師初級実技試験、実況中継の続きです~。

2014年・秋

AM8:20
点呼、説明、会場入り。
予想はしてたけど、大雑把な説明で詳細不明…。

試験官、我々の名前のローマ字表記が読めずにワタワタ、
このやり取りで他試験官や受験生に外国人だと注目される。

AM8:30
各自、作業台の前に立ち、道具や材料を用意し始める。試験開始時間8:30のはずなんだけど、すでに時刻を過ぎている

いつ始まるんだろうか??
と、ぽかーんとしていると・・・

各自の場所についたら、はい、準備してー!開始ー!!

??
定刻から5分過ぎているけど…
なんかよくわからないうちに開始(゜д゜;)

「終了は10時35分!!」

時間がテキトーなのは筆記の時もだったけど、
やっぱりなのねー。

気を取り直して、制作開始!!

さて私に与えられた5品の課題はというと…

1、葱油花巻(蒸しモノ)
2、风梨酥(焼きモノ)
3、鸳鸯饺(蒸しモノ)
4、擀面条(製麺)
5、下剂子(生地の作成)

これらを、粉と水から生地をこね、ねかせ、蒸し、焼き、盛り付け、片付けるところまで…
120分で完成させる。

このうち1、2、5は特に問題ないと思われるけど、3、4がちょっと苦手&時間がかかる…。

画像1

作業スペースは十分広く、台の下に荷物を収納する場所もあるので、予想よりも快適に作業を進めることができた。

が、作業台(木の板)に粗いつなぎ目があり、生地をこねているとそこにひっかかるのが微妙にやりにくい。

そして私の真上にエアコン。
これは繊細な点心生地を扱う上で、けっこう厄介な問題。

生地に風が吹きつけると、すぐに乾燥し、仕上がりに影響する。
いつもよりも水気多めのふきんをこまめにかぶせ、対処。
温度&湿度&風に気を配るのも重要なポイント…。

これら会場独特の制作環境に留意しつつ、予め老師に指導してもらった手順を守って、1~5を順に作っていく。

1、2は今までに何度も作ったので、特に失敗することなく、まぁまぁの出来。時間にも余裕がある。

落ち着いて、一番ネックな3の飾り蒸し餃子を作り始める。

飾り蒸し餃子は…当たってほしくなかった品目。。
実はほとんど作ったことがない。

いつもよりも丁寧に成形し、やや気を張っているところに突然・・・

この粉はどこで買ったんだ?
と、ガタイのいい試験官が聞いてきた。

先生おすすめの粉です。どこのか知らない。
と、テキトーに返答すると…

(その先生は)どこで仕入れたんだ?

ええー?まだ突っ込む?

教室で買ったんです、だから知らない
(もう質問やめてーー(;´Д`)ノ)

どこのメーカーの粉だ?

何やら腕組みして真剣な顔で聞いてくる。
もしや、この粉、使っちゃいけない粉だとか…??

だから、知らないんです!

と、やや不機嫌をあらわにしたら、
それ以上聞かずに去って行った。。

どうやら純粋に粉に興味があっただけで質問してたらしい。
(我々が使ってる粉はホテル仕様の上質な粉なので…)

ふぅヽ(;´ω`)ノ

画像2

またまた気を取り直して、成形を続ける。

たぶん試験中の集中力の80%をコレに費やしたと思う…
おかげで、今までで一番の出来!!

よしゃー最難関クリア!!

・・・と安堵するのも束の間、
コレに時間を費やしたせいで、あと2品あるのに残り20分!

じ・か・ん・が・な・い!


AM10:15(残り20分)
最後の2品は基礎力を問うもの。
難しい成形はないので、単純に時間との勝負だった。

4の麺の生地を作り、包丁で切っているところ・・・

この包丁を見せてくれ

(また来たーー(><;))

なんかもう・・・無視した!全力無視!!
無視したことで減点されたら、抗議してやるー!

日本製の中華包丁だから、珍しいんだろうけど、時間ないときにいちいちこないでー。

我々三人だけ日本人だったせいか、
持ち物とかどんな材料を使ってるとか、試験官が興味津々

この時は特に質問なく、包丁を持ってまじまじと観察し、
また去って行った試験官。。

そんなこんなで気付くと、周囲の受験生はほとんど制作が終わり会場を出て行き、残るは私含めてたったの三人。

や、やばいヽ(;´Д`)ノ


AM10:20(残り15分)
4の麺を作り終わり、試験官に提出すると…

これで最後か?まだあるのか?

あと一つあります、と言うと…

早くしろ!時間がない!

アナタ呑気に質問しといてなにー!??

最後の課題は生地をこねあげ、それをちぎって、お皿にのせて提出すれば終了。

蒸したりしなくていいので、落ち着いてやれば特に問題なく短時間で済む。最後の集中力を振り絞り、生地をこねていると・・・

はやくしろ!!

三人くらいの試験官に取り囲まれる。
焦って逆効果ーーー!

そして最後に、普段はやらない痛恨のミス。
6等分して提出するところを、7等分にしてしまう。

余った1つを他の塊にくっつけようとしたら…

No!!

持って行かれちゃった。なぜ最後だけ英語?
これは総重量を問う課題だから、重量が合わないのは致命的。

落ち込む暇もなく、残り5分で全てを片付け、
残り2分のぎりぎりの処で会場を出る。

何とか、時間内には終わったけど・・・
最後の一つが大失敗。。

どうか、他の4品で点数を稼げますように。

教室メンバー全員の合格を祈って・・・
しばし休憩!

結果はまた後日。

茉莉商店・寧々

サポートしちゃう?