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拝啓、愛しきぬいぐるみたち

2022年2月22日寅(ネコ科)年スーパーネコの日に便乗して、大好きなネコのぬいぐるみの話でもしようと思う。

4年前、インターネットで見かけたあるネコのぬいぐるみに一目惚れした。澄んだ大きな青い瞳、真っ白な毛、あんまりに可愛い。可愛すぎる。まさに私の理想のネコのぬいぐるみ。喉から手が出る程欲しくてたまらず、4年間ずっと雑貨店などを探し回った。それでも出会えない。どのブランドやお店のものかといった情報も無い。諦めかけていたが、最近、やっとそのぬいぐるみのブランドと作っている会社が判明し、公式通販サイトでついにお迎えできた。

素敵なラッピングに包まれてお家にやってきたそのぬいぐるみに、ルミちゃんと名付け、私の愛するお友達の仲間入りをした。

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少し早めの自分への誕生日プレゼントとしてルミちゃんをお迎えした。もうすぐ20歳の誕生日。成人間近なのに欲しい物が子供の頃から全く変わらないのは最早笑い飛ばしてしまえる。私は自他ともに認めるぬいぐるみ好きだ。バカバカしいと笑われても構わない。心から愛せる、大好きなものがあることは誰よりも幸せなことだから。

日本製の高品質な手作りのぬいぐるみは初めてお迎えしたが、リボンをほどいた瞬間、素人でも分かるほどに、瞳の輝きといい手触りから愛くるしい表情まで丁寧に丁寧に作りこまれていて感動した。これで私とルミちゃんはいつでも一緒だ。嬉しくて頬が緩んだ。

私がすっかり心を奪われてしまっているルミちゃんの話は少し置いて、私とぬいぐるみの関係について書き綴りたい。

幼い頃からぬいぐるみが大好きだ。

ぬいぐるみが好きな理由は、それはそれは語りきれない程たくさんある。何とかまとめると、「ふわふわの手触りと愛くるしい表情、否定も肯定もせず、ただずっとそばにいて安心感をくれる存在だから」とよく答える。

私は精神に障害と病気を抱えており、また、自殺未遂の後遺症で腰痛、フラッシュバックに悩まされている。腰には生々しい傷痕が未だ残る。今も様々な薬が手放せない。親しい友達を作ったり、人間関係を上手く築くことが昔から本当に出来ない。

これらはぬいぐるみが好きなことと直接的な関係は全く無いが、ぬいぐるみセラピーなるものまであると言うから、癒し効果はある程度立証されているのかもしれない。(私の勉強不足なので断言は出来ない)個人的な感想、ぬいぐるみで寂しさはかなり紛れる。人とのコミュニケーションが苦手なため、寧ろぬいぐるみに話しかけるほうがよっぽど楽しかったりする。

「20歳までには死ぬ。首吊りも飛び降りもODも駄目だった。なんで死ねないの。きっと死ぬ時この世には未練なんてない。生きる方が苦しいに決まってる。」

といつの日か日記に書いたが、20歳の誕生日祝いだとすっかり浮かれてぬいぐるみをお迎えし、その子を抱っこして満面の笑みを浮かべる人が書いた日記とは思えない。

20歳までに死ぬって夢は叶いそうにない。

だってこの世に未練だらけだものね、お迎えしたばかりのルミちゃんや他の大好きなぬいぐるみたちとのお別れなんて、嫌だもの。

本当は生きたいのに希死念慮や自殺衝動に苦しめられる。薬飲んでるのに死にたいなんておかしいよ。そんな自分が許せない夜だって沢山過ごして、もがいてきた。今でも人がすごく怖い。本当は、他人の悪意に負けない強い心を持ちたいのだが。

人が怖いとは言いつつも、どこかで人の繋がりは感じていたい。最近、お迎えした子ネコのぬいぐるみの会社に感想とお礼のメールを送ったら、代表の方から返信が届いた。「無事にお届けできて安心するとともに気に入っていただけたご様子をとても嬉しく思います。こうしてお客様からいただく声が何よりの励みとなります。」といった趣旨の丁寧なメールだった。画面越しではあるが、不思議と暖かい気持ちになれた。大好きなぬいぐるみや、好きなものを通して人と繋がることが出来るのは、何とも言えぬ幸せだ。生きる理由にもなりうる。

今日も愛しいぬいぐるみたちの頭を撫でながら、眠りにつこう。そして一緒に朝日を迎えよう。その朝日が絶望でも希望でも、ぬいぐるみたちはずっと、私に優しく微笑んでくれるから。

朝日に照らされるぬいぐるみを眺めながら、そんなことを考えている。ぬいぐるみを抱きしめる手に、力が入る。そこには確かに、温もりがある。

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