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片想いのその先を知らない

私には26年間、"恋人"がいたことがない。
人の事を好きになれない訳でもないし、今までにそういったチャンスが皆無だったという事でもない。

私は自分が心底好きになった人と、かつ相手も自分を好いてくれてると確信した状態じゃないとお付き合いできる気がしない。友達にこれを言ったら「大抵のカップルは付き合った状態では両想いじゃない事の方が多いよ」って言われて愕然としてしまった。

「付き合ってから好きになっていけばそのままでいいし、好きにならなかったら別れるよ」とのこと。世の中のカップル達はお互い好き同士で結ばれて、なんて奇跡なんだろう、ってずっと頭の中お花畑みたいに思っていた私は、それを聞いた時にこの世の真実を知ってしまったくらいに衝撃を受けたのだ。

片想いはずっとしている。
一度好きになってしまうと、◯年単位の長期戦になるから厄介だ。仲が良ければその分相手との関係性を壊したくないから、私から行動を起こすこともしないし、告白なんて以ての外。

だからその先に進めない。これが俗にいう"こじらせ"?
好きな気持ちがどこかにフワフワ飛んでいって成仏するまで、じっと耐えて待つしかない。

片想いのその先はどんな感じなんだろう。
早く知りたいし、もういい歳なのに、って恥ずかしささえ感じる。初めてに対するの理想ばかりが募る一方で、さっさと捨ててしまいたい衝動にも駆られる。

それでも私は毎朝、駅のホームで君の後ろ姿を見つけても「おはよう!」って駆け寄ることすら出来ずに、見失わないようにその背中を目に焼き付けることしか出来ないのだけれど。