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#19 デザイナー夫が開催する「デザイン教室」が第30回を迎えました。参加して下さった皆様に感謝を込めて。

2020年5月に始まったストアカの「デザイン教室・ニューヨークからオンライン出前授業」は、11月21日(土)に第30回を迎えることができました。これまで参加してくださった受講者の皆さまに感謝を申し上げます。授業内容を改良しながら、試行錯誤を繰り返してきた出前授業の7ヶ月を振り返ります。

NYからのオンライン出前授業で目指すもの

講義のタイトル「デザインの仕組」にあるように、デザイナー夫が目指すのは、デザインの基礎的な型を論理的に解説し、その仕組みを考えることです。

(講師紹介ページより引用)
デザインは、日常のあらゆるところで機能しています。でも、いざ「デザインとは何か」と問われると、なかなか良い答えが見つかりません。見た目の良さや使いやすさと関係があるように思いますが、考え方や姿勢とも関係がありそうです。このコースでは、デザインの背後にある仕組みを考えることで、感覚に理論や構造(フレームワーク)を組み込み、デザインを機能させることを学びます。

デザイナー夫自身、デザインを論理的に学ぶアメリカのデザイン教育に出会ったことが、デザイナー人生の始まりに大きく影響したことを実感しています。同時に高校生まで過ごした日本でも、デザイン教育を経験しましたので、「日本とアメリカのデザイン教育の良いところを配合したい」という思いを抱いて授業を計画しました。

この出前授業の対象はデザイナーに限らず、デザインを学んでいる方もそうでない方も含まれています。これまで受講してくださった方の中には、お仕事で「デザイナーに発注する側」である方や、システム開発のお仕事でデザインと関わる方など、デザイナー以外の方もたくさんおられました。多くの方が、「デザインを論理的に学んでみたい」または「体系的にデザインを学びたい」と思って受講に至ったとお話し下さいました。

様々な背景の方が集まりますが、皆さんが共通して疑問に思われている「デザインと才能」についても学びます。その「才能」というミステリーを解き明かすことから授業が始まります。

少人数制だから達成できること

現在開かれている授業の定員は毎回7名です。この少人数制だからこそ達成できる学びの機会を大切にしています。

授業ではデザイナー夫が自己紹介をした後に、参加者の皆さんにもお一人ずつ短い自己紹介をしていただいています。デザインとどのように関わっておられるか、この講座にどんな学びを期待しておられるか、などお聞きしています。それで、前の段落に書いたような参加者の方の受講動機などを聞くことができ、デザイナー夫は、今日のオーディエンスの関心対象を見極めながら内容や時間配分を調整することができます。【デザイナーの妻】の観察によると、時間配分に調整が生じる状況は3タイプあります。

参加者がデザイナーの方で「デザイナーとしての悩み」を共有する場合、話が盛り上がります。
②「こんなことを学びたい」と自己紹介で話してくださった方の心に刺さりそうなポイントが項目にある場合、普段より少し多くの時間を割きます。
③デザイナー夫の専門分野(=得意分野)を説明する際、デザイナー夫が鼻息荒く暴走してしまい、参加者の方からご質問をいただく場合です(笑)。

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授業の最後に質疑応答の時間も設けていますが、講義の途中でも質問を歓迎していますので、補足説明をしながら進むことができます。さらに、説明した理論をゲームや実験を通して実証する時間があるので、用意したワークシートに画面上で作業してもらうこともあります。その際もお一人お一人の作業経過を見ることができます。全員に質問をしてチャットに答えを記入していただくこともあれば、指名してお答えいただくこともあり、それぞれがディスカッションの機会になります。これらは少人数だからこそできることであり、3時間近い授業をお互いに楽しく進めるうえで大切な要素です。

授業の後は、次にご予定がある方は退出されるものの、わりと皆さん残ってくださり、ご自身のお話や追加の質問などをしてくださいます。授業の雰囲気や盛り上がる内容は毎回その参加者ごとに違うので、どの回もとても新鮮で勉強になります。毎回デザイナー夫が緊張するのも、そして同じ授業項目を教えることに飽きがこないのも、この楽しさがあるおかげです。参加者の方も、この少人数の良さを同じように感じていただけたら嬉しいです。

「デザインの仕組」から「デザインの仕組」【前編】【後編】の2部制への調整

2020年5月に講座を開設した際は、「デザインの仕組・デザイン力を伸ばすための基礎を固める」というタイトルでした。定員6名で2時間ほどの授業をしていました。しかし回を重ねるごとに内容はどんどん増えていき、ディスカッションの楽しさも引き続き保ちたいということで、2部制へと再編成しました。

観察日記#9でもレポートしたように、参加者の皆さんからいただく鋭い質問からデザイナー夫はたいへん刺激を受けています。そして、いただいた質問や話し合った内容は、授業の後にデザイナー夫自身が要素分解する材料になったりするのです。「要素分解」というのは、デザイナー夫が授業の中でその大切さを教えている「分析と統合」作業のことです。詳しくはレポート#9で解説しています。

毎回の講義と質疑応答が3時間を超えるようになり、講師・参加者ともに体力的な懸念も出てきました。急ぎ足になってしまう項目が出るのも避けたいということで、授業を【前編】と【後編】に分けることになりました。夏休みの宿題のように、夏の間デザイナー夫はこの再編成作業に力を注ぎました。オリジナルの授業を申し込まれた方が申し込んだ時点での授業内容と実際に参加される時点で内容に違いが出ないよう、移行期間を経て、2020年7月より、以下の項目で新しく2部制でスタートしました。

デザインの仕組【前編】・デザイン力を伸ばすための基礎(創造編)
デザインの仕組【後編】・デザイン力を伸ばすための基礎(デザイン編)

【前編】【後編】それぞれに内容が補強され、毎回いただくフィードバックに基づいた調整も加わり、どちらも3時間ほどの長丁場ですが、毎回とても楽しいです。また細胞分裂するのかしら?👀と心配になった【デザイナーの妻】でしたが、デザイナー夫自身は、こうして授業が精錬され新たな学びを生み出していくプロセスをとても楽しんでいる模様です。一度作った授業を何度もそのまま繰り返せば楽なのでは?と、浅はかな考えを抱いていた私は、デザイナー夫のこういう姿勢を尊敬しています。

今回30回目の授業内容も、29回目から少し変化していました。これまではデザイナー夫が説明していたポイントを参加者に一度質問してディスカッションしてみたり、新しいケーススタディーを追加していたり…毎回少しずつ変わっており、【デザイナーの妻】もボーッとしてはいられません。(zoomのネット回線や画面共有がうまくいっているかなど、バックアップのために【デザイナーの妻】も毎回ひっそりと参加しています。)

これまで30回の授業で、参加してくださった方は166名です。一緒に授業を盛り上げ、良い質問提起をしてくださり、相互に学び合う場を作りげてくださった参加者の皆さんに感謝しています。これからも、コツコツと調整を続けていくであろうデザイナー夫の出前授業を、皆さんに楽しんでいただけるよう精一杯頑張りたいと思います♡(頑張っているのはデザイナー夫です👀)

【デザイナーの妻】は授業30回開催のマイルストーン達成を記念して、何か楽しい夕飯を企画しようと目論んでおります。冬が来る前に、美味しいサンマでも焼きたいなぁ。(アメリカで美味しいサンマをいただくことは、贅沢なことです〜👀)


観察日記#19デザイン教室30回達成のご報告、読んでくださってありがとうございました。

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