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代替動画で読む:岡田暁生「CD&DVD51で語る西洋音楽史」(第1話〜11話)

はじめに


岡田暁生「CD&DVD51で語る西洋音楽史」
については、先に一度、簡略な形で取り扱いましたが、改めて細かく見ていくことにします。

記事の趣意は次のようなものです。

岡田暁生「CD&DVD51で語る西洋音楽史」は名著です。とは言え「CD/DVD をそんなに揃えるのは無理!」。……と思う方のための講読支援記事です(代わりになりそうな動画付き)。

※記事内に貼っている演奏類は、楽団公式動画、著作権切れの録音、著名CDレーベルの公式アップロードなどに限っています。



一連の関連記事(第1話〜45話分)をマガジン(書棚的なもの)にまとめました。以下にリンクを貼っておきます。


また、先行して書いた、吉田秀和『LP300選』についての一連の記事は、姉妹記事──というより一種の「親記事」のような関係になっています。
なので、あわせてそちらも見ていただければ幸いです。


《音楽史の流れに沿って、グレゴリオ聖歌から現代までの作曲家や曲の紹介をしていく。それも、具体的なレコード/CD/DVD の推薦付きで》
……という点では、切り口のよく似た2冊です。実際の内容──語り口、あるいは分析の仕方──においてはだいぶ色合いの違うところもありますが。
(なので、読み比べるのも興味深いです。)



ここからしばらく、凡例的な話になります。
わずらわしい方は少し下の本文まで飛んでください。
(ただ、後で目は通していただければと。)


凡例的なことについて


・凡例的なことは、大筋としては吉田秀和『LP300選』の記事と同じなので、そちらをご確認ください。

・そちら(上にあげた記事)にも書いたことですが。
曲に付す演奏については、楽団の公式動画、著作権切れの録音など、ご紹介することに問題のないものだけを選ぶようにしています。

・以下の私の文章中で「この本」「本書(中)」「同書(中)」「書籍(中)」などとあったら、特に断りのない限り「CD&DVD51で語る西洋音楽史」を指しているものとお考えください。「CD&DVD51」と略すこともあるかも。

・本書で扱っている「本来の」CD, DVD の詳細については、以下のサイトをご覧になるのが手っ取り早いと思います。


あわせて公式サイトもご紹介。


・内容的に、
『LP300選』と同じ/紹介済みだから、そっちで見てね
……で終わらせたいものは、単に「」と書きます。
(この場合、演奏は基本的に本書記載のものとは異なります。演奏まで含めて同一のものを貼る場合、別途その旨記載するようにします。)

・文章の都合などによっては、『LP300選』の記事で貼ったものと同じ動画を再掲することがあります。また『LP300選』で貼ったものとは異なる演奏を、こちらに貼る場合もあります。

・『LP300選』記事では、文中で曲名などに触れられていても、「ノミネート曲」として番号が付された曲以外は基本的にスルーしました。
ただ、本の記述の方向性の違いもありますので。
こちらのほうでは、文中に現れた曲目について、私の一存で「取る取らない」を個別に決めることにします。



当面は《工事中》です。

おいおい、動画を増やしたり、見た目をリファインする「かも」しれません。


第1話〜11話


第1話

1 コーエン指揮/ボストン・カメラータ『地中海のクリスマス』

(パス)……個別の曲目で、演奏があがっているものもあるかもしれませんが、そこまで調べる気が起きず。

(ベートーヴェン「第九交響曲」への言及。)


(極私的な感想ですが。吉田秀和が西洋音楽の楽器、特にヴァイオリンの音の、楽音としての「純粋さ」に感嘆する文章があったと思います。今、ただちには出典を書けませんが。本書のこの章の記述は、そういう美意識とは異なる美意識を打ち出しているようにも読みとれ、興味深い気がします。なお、個人的には、例えばアフリカのポリリズム音楽などの素晴らしさに感嘆できる感性を養うことも、それはそれで重要だと考えています。)

第2話

2 シロス修道院合唱団『グレゴリアン・チャント・ベスト』

グレゴリオ聖歌 済

図版
サン・アポリネール・イン・クラッセ教会(イタリア北部・ラヴェンナ)のモザイク画


ボエティウスの分類する3種類の音楽を描いた1300年頃の細密画


映画『薔薇の名前』に言及。

(予告編 日本語)


(予告編 英語)


第3話

3 ヴェラール&ボナルド『新しい歌―中世盛期のラテン歌曲集』

(パス)……具体的な曲名なし。

第4話

4 ヒリヤード・アンサンブル『神が宿った汝の口づけ―ペロタンの時代』(DVD)

レオナンとペロタンのオルガヌム「地上のすべての国々は」(Viderunt Omnes)に言及。

(ペロタンのほう)


パリ・ノートルダム教会の雰囲気の参考として:


本文で言及のある「ナスカの地上絵」。英語版 Wikipedia の Images がピンときやすいと思うので、下に。



第5話

5 マンロウ指揮/ロンドン古楽コンソート『ゴシック期の音楽』

このCDは、古楽関係ではきわめてよく言及される(聴いていない、では通らないレベルの)定番中の定番というべき名盤です。なので、お持ちでない方はさっさと買ってしまうことをおすすめします。

とは言え、一応、代替になる動画を、以下に見つくろってはみます。
(マンロウ盤を「当然」お持ちの方も、別演奏で聴くのは、それはそれで興味深いでしょうし──自分自身も含め。)

アレルヤもてほめ歌え(Alle, Psallite Cum Luya)

いま愛は嘆く(Amor potest conqueri / Ad amorem sequitur)
(パス)

五月にはつぐみが歌い(El mois de Mai / De se debent / Kyrie)
(パス)

第6話

6 オルランド・コンソート『フィリップ・ド・ヴィトリとアルス・ノヴァ』

文中に記載のある「第一曲」は、
フィリップ・ド・ヴィトリ「乙女に求愛する者たちよ/乙女のいと美しい姿/喜べ、栄光の乙女」(Vos quid admiramini / Gratissima virginis species)
(古楽の曲名は多くの場合、曲冒頭の歌詞を便宜的に「曲名」として用いますが。この曲の場合は、各声部バラバラの歌詞を歌うので、こんな表記になってしまうということなのでしょうね。)


図版
ボード・コルディエのロンドー《美しき善き賢き人》 "Belle, bonne, sage" の楽譜と演奏



アヴィニヨン教皇庁の雰囲気の参考として:



第7話

7 メイソン指揮/クレマンシック・コンソート『ギヨーム・ド・マショー:ノートル・ダム・ミサ──中世のマリアの祝日』

(マンロウのCD『宮廷の愛 Vol.1 ギヨーム・ド・マショーとその時代』への言及。)

マショー:
『終わりこそわが始まり』済
『ノートル・ダム・ミサ』済

モーツァルト「戴冠式ミサ」K317(日本語訳付きの動画を優先で)


グルーバーのクリスマス曲「清しこの夜」 "Stille Nacht, heilige Nacht" への言及



第8話

8 ヒリヤー指揮/ヒリヤード・アンサンブル『ザ・ヒリヤード・アンサンブルの芸術』

デュファイ:

ミサ《もし私の顔が青いなら》(Missa Se la face ay pale)
(デイヴィッド・マンロウによる上記曲のCDの推薦)
(同じく、ヒリヤード・アンサンブルによるライブ録音の推薦。Guillaume Dufay - hilliard live4)

ミサ《ロム・アルメ》(Missa L'homme armé)
(抜粋)


ダンスタブルの合唱曲
(パス)

「グリーン・スリーヴス」 "Greensleeves" への言及


フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の雰囲気の参考として:



第9話

9 アンサンブル・クレマン・ジャヌカン『ジョスカン:ミサ《パンジェ・リングア》』 済

10 アンサンブル・クレマン・ジャヌカン『ブリュメル:12声のミサ《見よ、大地が多く揺れ動き》』

曲は多分これ。


11 ヒリヤード・アンサンブル『ゴンベール:ミサ《メディア・ヴィータ》』

次の動画はミサ曲ではなく、タイトル元になった曲か?


オケゲム《レクイエム》
(抜粋)


ピエール・ド・ラ・リュー《レクイエム》
(パス)

ジョスカン:
《アヴェ・マリア》 "Ave Maria"
次の曲か。


《わが子アブサロン》 "Absalon fili mi"
次の曲か。


ゴンベールの宗教合唱曲を集めたCD『カール五世の宮廷の音楽』(ネーヴェル指揮ヴェルガス・アンサンブル)への高評価。

ヒリヤード・アンサンブルによるゴンベール作品の録音への高めの評価。

第10話

12 ヒリヤード・アンサンブル『ジェズアルド《レスポンソリウム》全曲』

曲は多分これ。クラシック曲の廉価盤CDレーベルとして著名な Brilliant Classics があげている動画。

(動画の概要欄に曲ごとのトラックリストが貼られており、そこから個別の曲の頭に飛ぶことができます。)


図版
カラヴァッジョ『聖ペテロの磔刑』c.1600年


ストラヴィンスキー《ヴェノーサのジェズアルド四百年祭のための記念碑》
(上記曲について、デニス・ラッセル・デイヴィス指揮のCDの紹介)

映画「Gesualdo: Death for Five Voices」ヘルツォーク監督 Werner Herzog

(予告編)

同監督の他作品『アギーレ 神の怒り』『フィッツカラルド』への言及も。


言及のある芸術家などの名(主に音楽家以外):
ボッティチェリ
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ミケランジェロ
ティントレット


第11話

13 サヴァール&ヘスぺリオンXX『Music in Europe 1550-1650』(5枚組CD)
 (パス)

14 スティング『ジャーニー&ラビリンス』(DVD)
スティング(歌)/エディン・カラマーゾフ(リュート)

本文中の説明
《伝説的なロック・グループ、ポリスのヴォーカリスト/ベーシストのスティングによるダウランド歌曲という、異色のDVD》

図版
ティツィアーノ『奏楽』1511年

フェルメール『恋文』1669〜70年頃


ジャヌカン《鳥の歌》

(クレマン・ジャヌカン・アンサンブルによる上記曲の有名な録音への言及。)


(グレン・グールドの録音『バード&ギボンズ作品集』への言及。)


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