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【ミニコラム】旧ソ連の宇宙開発とか宇宙飛行士とかの動画

(お断り:本稿は後でいろいろ手を加えるとか、あるいは書き直して別記事として立てた上でこちらは消すとか、そういったことをするかもしれません。その点、予めご承知おきください。)

本稿ですが、もともとは宇宙開発のいろいろなトピックを取り扱う本格的な内容の文章をイメージして書き始めていました。
しかしそういう内容を一本の長文としてまとめるのは結構大変で、どうも頓挫してしまいそうな気配が。それじゃあんまりなので、一部トピックだけ独立させてでも書いておこうと考えたのが以下の文章です。

(そんなところから冒頭の断り書きともなるわけです。)

さて、宇宙開発の歴史では旧ソ連が数々の偉業を成し遂げているのですが。
日本ではいわゆる「冷戦」の影響とか(※)。
旧ソ連の秘密主義とか。
そういったことが重なって、日本ではどうにも過小評価気味であったり、その中身がよく知られていないように思います。

そんなわけで、もともと想定していた内容から、旧ソ連関連の動画と、それに対する若干の紹介コメントだけで軽い記事を一本仕上げることにしました。


(※)……アメリカのものは何でも良く、ソ連のものは何でも悪い的な政治宣伝。無意識的な影響を受けている人、実のところ今でも決して少なくないと思います。
が、そういうのに踊らされるのは、ソ連のすることなら何でも賛美するというのと「同程度に」愚かしいというのが私の考えです。
もし判断のための材料自体が歪んで伝えられていて──さらにはそれを無頓着に受け入れてしまったなら。そこから出した結論にどれほどの価値や妥当性があると言えるでしょうか。「上の人」があらかじめ用意した結論を丸呑みにしているのと何ら変わらないのでは。
……と言いつつ、一応こちらの方は「自分で考えて出した結論」という意識に誘導されてしまいがちなだけに、よりタチが悪い気もしますが。
なお、言うまでもなく、これは米ソどちらを支持するのが妥当であったかという話とは全く別の問題です。


さて、まずは何も言わずに次の動画を見てください。大して長くありません(ほんの3分半)。
なお別窓で開かないと上下が切れてしまうかもしれません(以下同様)

これはガガーリンの人類初の有人宇宙飛行の50周年記念(つまり2011年)に作られた動画のようですが、実にセンスよくまとまっており、見ていて飽きさせません。
また、宇宙開発関連の動画とかを見るのがお好きな方でも、普段「西側」目線のものばかり見ていたりすると、意外と目にしたことのない素材が含まれていたりするんじゃないでしょうか。

内容、正直私にもよく分からない部分がありますが大まかにはツィオルコフスキー、コロリョフ、スプートニク1号・2号から、ガガーリンの人類初の有人宇宙飛行へという流れですね。
(この動画はいわゆる「公式」のものではないと思いますが、それなりに腕に覚えのある人が作ったんだろうなぁという感じです。)

ところで、そのガガーリンが一度来日していることはご存知でしょうか?
ちゃんとカラーの記録映画もあるのですよ。

«Добро пожаловать, Ю. Гагарин!»
『ようこそ!! ガガーリンさん!!』

この映画、個人的に遺憾な点もありまして、それは私の出身地である名古屋にもガガーリンは立ち寄っているのに、その部分がどうやら全カットであること。いわゆる「名古屋飛ばし」です(苦笑)。

【この辺の話はあとでできれば書き足したい……。】

なお、日本側の記録もネットで少しは見られます。
画像処理がきついのは残念ですが。

以前、別のもっと良いニュース映像もYouTubeにUPされていたのですが(私の記憶では「毎日映画社」のニュース映画)、残念ながら消されています。

順番が逆かもしれませんが、ガガーリン来日についての研究ページもご紹介しておきます。

(1ページ目)

(目次ページ)


最後に、初の日本人宇宙飛行士、秋山豊寛さんの打ち上げの話をします。

初の日本人宇宙飛行士は旧ソ連のロケットで宇宙に行ったことを知らない人も、今では結構いたりするのでは。
それにはもともとNASDA(現・JAXA)の毛利衛氏が米スペースシャトルで先に宇宙に行く予定だったものが、事故によってそれが延期となり、「お国の息がかかっていない」TBSの『宇宙特派員』秋山飛行士が先に宇宙に行くことになったという、珍しい事情があずかっています。
(秋山飛行士の打ち上げは1990年12月2日)

さて、実はここで大変遺憾なことを書くのですが。
この秋山氏の打ち上げ時の特番「日本人初!宇宙へ」、YouTubeで(何時間もの)番組全体を上げて下さっている方がいたのですが、その動画、気づいたら消えていました。
著作権的にナニナニ、とかあったのかもしれませんが、これは重要な歴史的価値のある映像資料だから永続的に見れてほしかったなぁ……。
まぁ何かのことでまた再UPされることもあるかもと、一応希望は持っておきましょう。

ただそれでも別の方がUPした部分的な動画は一応ネットに残っています。
これも、ここに貼り付けるのは一応避けたほうがいいのかな? 
「日本人初!宇宙へ」で検索すると多分出てくるものと思います。

(今は見られない)フルバージョンの動画について一言しますと。
もちろん(?)当時私は同じものをTVで見ていたんですが。
そこで毛利衛さんも中継で呼び出されてコメントしていたんです(動画で見たら2度ほど呼ばれてました)。

これはさすがにお気の毒ではと。これはどうも印象良くないよと。そんなことを当時の私はリアルタイムで視聴していて思ったのですが。
改めて動画で見たら、さすがにそこは呼び出す側もだいぶ気を使った感じで話していました。
まぁ、そんな風に中継で呼び出すこと自体どうなんだとはもちろん言えるでしょうが。かと言って声をかけないのもそれはそれで「黙殺するなんて失礼」ということになるかもしれず。
あれはあれで仕方なかったのかもなぁ、と今にして考えたりもするのでした。

【「日本人初!宇宙へ」の関連も、後でもうちょっと書き足したいと思っています。】


それから。日本初の宇宙飛行士になりそこねた格好となった毛利氏は、もちろん悔しかったであろうとは想像するのですが。
ただ、もし毛利氏が初の日本人飛行士として宇宙に行っていた場合、帰還後は確実に国家的英雄として祭り上げられる形になったものと思います。
私が見るに、そうならなかったのは毛利氏にとって、むしろ幸せなことだったのでは? これは私、アイロニーとか逆張りとか言ったことではなく、本気でその可能性が高そうと考えているのです。

もちろん、本当のところは誰にも(ことによると毛利氏ご自身にすら?)わからないことでしょうが。パッと見、毛利氏は学究肌の人っぽいので、国家英雄として祭り上げられる人生は苦しいのではないかなぁ。
ガガーリンの生涯などを見ても、なんだかそういう気がするのです。

(ここで別の方面からこの件について述べておきますと。秋山飛行士の日本人初の宇宙飛行はTBS以外のメディアから信じられないほど無視されました──恐らく今日に至るも。この辺り、日本のムラ社会的気質の最悪の側面だなぁと、私は今でも思うのです。お国のお墨付きのある飛行士ならともかく、他社の企画を宣伝するような真似はしないぞという安っぽいプライドでしょうか。別に秋山氏を英雄扱いする必要はないと思いますが、先駆者に対する正当な敬意は払ってしかるべきなのでは。
もっとも、こうした経緯から日本は「国家的英雄に仕立てあげられた宇宙飛行士」などという、怪しげなものを持たずにすみました。このフラットな感じはそう悪くないかも、などと思わないでもありません。)


ところで毛利氏の著書(確か『毛利衛、ふわっと宇宙へ』)に、北大時代に出会ったピーター・ハーイなるヘンなアメリカ人の話が出てくるのですが。
実はその人、後にお固い学術書や次のような割と一般的なエッセイ本を著書として出したり、私の通った大学で英語の授業を持ったりすることになります。

私もそのハーイ先生とはそれなりに親しくお話をさせていただく機会などありましたので。
毛利飛行士は私の知己の知己であると、言おうと思えば言えるのだなぁ、などと脈絡のない感慨を述べて本稿を終わります。

【追記】
ピーター・ハーイ先生の真面目な論文がなぜか全文読めてしまうので、そちらも個人的備忘を兼ねて貼っておきます。戦中の日本映画論、本文は英語。


※トップ画像は秋山豊寛著「宇宙特派9日間」。私、実際にはこの本買わなかったのですが(^_^;)。
あと、秋山氏関連の興味深いnote記事を2つも見つけたので併せてここに貼り付けておきます。