生き方が好き
春が嫌いだ。
妙に生暖かいのが苦手だし、なにより花粉がキツイ。
わぁ~、春だね、あったかいね、よかったねぇ~。なんてことはとても思えない。
どぎつい寒さのなかで、暖房を焚き、ひとり黙々とアイスを食べてたい人なのです。
そんなことより。
春と言えば連想する曲のひとつに、「春色の汽車に乗って」の歌いだしでお馴染みの、『赤いスイートピー』がある。
高校のとき、先輩がカラオケの十八番にしてたのでよく耳にして以来、とても大好きな曲だ。
ここの部分の歌詞、ほんとにしびれる。歌詞のどこにも性別を明示することばが登場しないため、どのような関係性の間柄にも通ずるようになっている。まるで令和の恋愛の形を見通したかのよう。
そしてやっぱり極め付けは、「あなたが好き」ではなく、「あなたの生き方が好き」。
パワーワード・オブ・パワーワードだと思う。
恋愛かどうかに関係なく、他者に「生き方が好き」って言われてみたいよ~と思ってずっと生きてる。
思えば、私自身が恋愛するときは、無意識のうちに「生き方が好き」かどうかで判断してるような気がする。
ものの見方とか、スタンスとか。人生観とか。
だから過去がどうであれ、その人の今の生き方を好きになれるかは、かなり大きいこと。
でも自分が好きと思ったその人の「生き方」が虚飾されたものだとわかれば、とたんにすべてが崩れていくことになる。
それでいつしか、「あれ、なんでこんな人好きだったんだろう?」って思うようになってしまう。
と、ここまで書いてみて思った。
これもしや、あなたの「生き方が好き」ってことは、あなた「そのもの」が好きってわけじゃないなと。だって、生き方の変化次第で冷めてしまうんだもの。
だから自分は、あなたそのものを好きになれてなかったんだろうなぁ。
やっぱここは、その人そのものを丸ごと好きになんないとダメなのかもねぇ。
できるのかねぇ、そんなこと。
『赤いスイートピー』は悪魔版もお勧めです。
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