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日記 0101-0115


1/1 月

あけましておめでとう2024。家族と過ごすお正月。幼子だった頃をおもうと、その色合いも、話される言葉も、ぜんぜんちがうお正月。家族としての高度成長期を終え、還暦を超えた両親には気張らず焦らず過ごしましょうねという雰囲気が漂っている。茶の間のカレンダーに、いくつか青い丸が付けられているので、これなにと聞くと、父の仕事の日なのだそう。いまは週3くらいで働いていて、勤務日に丸をつけておかないと忘れちゃうのだって。毎月カレンダーをめくって、大事そうに、間違えないように、青い丸をつける父をおもったら、なんだか可愛らしくてしあわせだった。


なんとなく家族の物語が見たくて、「東京物語」をみる。親から子へ、子から親へ伸びる線は切れることはないけれど、思い出と記憶の中でしかその線を見ることはない。切ないねえ、老いた夫婦の、丸い背中を見る。うつくしい義娘はやさしかったけれど、その奥にはひとには言えない淋しさが滲んでいる。それでも、だから、やさしくしたいとおもうのはずるいのかしら?やさしさには、やさしさだけがあるのじゃないのだと、気づいて、言葉にしてしまったとき、ひとは泣く。そうして泣いたそのひとに、わたしもなにか大事なものを贈りたいとおもったよ。


1/7 日

耳の裏が赤く腫れてしまった。それでなのか朝、すこし熱が出た。さわると痛いので、熱を持つ耳の裏に意識を集中させて、ゆっくりゆっくり寝返りを打つ。きょうはお腹だってくだしてしまい、体調が絶不調。初売りに行く予定は中止にして、薬をのんで、本を読むなど。

1/9 火

昨日もハンバーグ食べたのに、きょうもハンバーグが食べたくなって、会社の近くの洋食屋さんでハンバーグランチ。ごはん大盛り、しっかり完食、したためか夜はぜんぜんお腹が減らず、まいばすけっとに売ってたレンチンするだけのスンドゥブにおねぎを散らして食べた。こんなに便利でおいしくて、ヘルシーかつ安価なたべものってあるんだって、感心しちゃった。


1/10 水

誕生日だった。ほんとうに大切なひとからもらうおめでとうほど嬉しいものはない。

だれかが同じことについていろいろ言う。そのだれかの数が多ければ多いほど、そのだれかが有名であればあるほど、重要なことだとおもえてしまうのは違和感。ヒーローと悪者がものすごい速さでもって入れ替わる世の中で、わたしだけの言葉、わたしだけの気持、をしっかり携え生きていきたいと、誕生日の抱負のようなものをおもう。


1/13 土

ちょっといいランチで、ロシア料理を食べました。前菜の、パンケーキのようなふわふわでサーモンとチーズとハーブを包んだもの、ボルシチ、食後のロシアンティーがおいしかった。ロシアンティーというのは紅茶に三種ジャムが添えられていて、茶に入れてもよし、お菓子みたいに食べながら飲んでもよし、という食文化らしいよ。ローズのジャムは、花を食べるというのがめずらしかった。その香りと甘さったら、虫の気持。花にあつまる彼らの気持にうなづきながら茶をすすった。

そのあと映画館。「PERFECT DAYS」をみたよ。東京の公衆トイレの清掃員の、ひっそりとした、けれどもいつだって音楽がそばにある日々。光と影のあわいにあるのが生活で、人生であると、平山を見ているとそうおもう。言葉がなくても伝わるもの、言葉がないと伝わらないもの、その違いってなんだろう。言葉を信じる気持と、言葉に失望する気持と、入れ替わり立ち替わり。おなじ場所の景色が毎日すこしだけ揺れて、変わらないでと願うものも、いつしか思い出の箱にしまわれる。起きて、歯を磨き、労働し、本を読んで眠くなったら眠る。恋のようなものをして、みじめさと不安にそっとふたしてまた起きる。なんて豊かでくるしくて、うつくしいかな!生活万歳!

帰り道、自転車のサドルに氷が張っていて、きょうの寒さを実感する。できれば降る雪がみたかった。


1/15 月

フリーズドライの苺をチョコレートでくるんだあのお菓子が大好きで、コンビニや無印良品でよく買うのだけれど、きょう届いた小包の中身は六花亭のそれだった。さくさくの苺が苺に戻る瞬間、溶けたチョコレートと出会うその奇跡に毎回感謝しちゃう。というのはもしかすると言い過ぎかもしれないけれど、そのくらい、この組み合わせ、苺をさくさくにしてからチョコレートをかけてみましょうと、その発見をしてくれたひと、ほんとうにサンキューです。

六花亭って、名前も可愛いけれど、包装だってこれまた可愛いくて、白地にお花が咲いてるのが上品。レーズンバターサンドも一緒に箱に入っていて、バターは「バタ」、その響きが好きです。


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