文章を書く時に心がけていること②

「なかなか更新できず、すみません。。」みたいな書き出しをかなりの頻度で目にする。

確かに、一度更新が滞ってしまったり、といって久しぶりに書く文章が満足のいく出来でなかったりすると、何らかの譲歩表現を加えたくなるのが人(というより平均的な日本人)の性だ。

しかし、何というか「カーテンを開けたら、なんだ今日はどんより曇り空か…」といったような陰鬱な気分になるような気がして、あまり好きな書き出しではない。だからどう、ということもないのだが、それならば私はどのような点に注意して文章を書き出しているのかを記録として残しておきたいと考えた。

私は、文章の書き出しを「清涼飲料水のラッピング」のようなものだと捉えている。
書き出しは「タイトル+本文冒頭」で構成される作品の最外装であり、ここを何とか通過しなければ本文にいくら力を注いでも無意味(飲んでもらえない)である。「飲んでくれたら分かる」が通用しないからこそ、大量の清涼飲料水がわずかな期間で店頭から姿を消すのだ。したがって、何はともあれ書き出しは受け手の目や興味関心を引くものでなければならない。

受け手(ターゲット)の興味を引くためには、まずもって受け手を具体的にイメージしなければならない。例えば、育児について書き出すとき、読者は男性か女性か。既婚か未婚か。年齢、所属、その価値観等々。

以前、「育児は『クリエイティブ』だ、という話。」というタイトルで育児の話を書いたことがある。その際の書き出しはこんな感じだ。

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「『Twitter』だっただろうか、あれは。確か、外資系企業の管理職として働く男性ビジネスパーソンのものだったと思う。

『育児はクリエイティブ。』その"朝どれレタス"のような瑞々しくも新鮮なフレーズに、いたく共感したことを今でも覚えている。そう、育児とは『クリエイティブ』な行為だ。」
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この文章のターゲットとして念頭に置いているのは、実は男性ではない。出産直後の女性にあてたものだ。文章を書いた目的は女性側が男性に育児参画を促すフェーズ(本来そんなフェーズはあってはならないのだが)で、その大変さをただ「大変だ!貴方は分かっていない!」としか言っていない現実が身の回りにあまりに溢れていたため、「こういう説明があれば分かりやすく不和を解消できるものだろうに。」というものを、応急対応として書いてみたいと思った。(恒久対応としては、男性側の育児休暇取得を義務化するなどの制度的な対応も必要だろう。)そういう背景から、キャリアを重ねた私が「育児はクリエイティブな行為だ」と考えを変えたことを掴みとして、ツラツラと文章を書くスタイルをとっている。(ちなみに、ここで登場する外資系ビジネスパーソンとは何ら架空の人物でなく、"とくさん"という実在する人物だ。学びが多いので、Twitterのフォロー@nori76 をお勧めしたい。)

いずれにしても、唯一、コンマ数秒人目に触れる冒頭部分で遠慮していても始まらないのである。親近感があり、先の展開を何となくほのめかす、といってその全貌は半透明のベールに包み込まれた小悪魔のような書き出しを模索していきたい。少なくとも、「文章を書く時に心がけていること」なんてタイトルをつけることは、間違っても避けるべきだろう。

付け加えるのならば、何かの「宣言」をnoteですることも"読んでもらう"という点では、逆効果に作用すると考えるべきだろう。貴方自身がコンテンツ化された何者かであればそれは+(プラス)に働くが、万が一私のような大多数の凡人の類いであるならば「興味を持ってくれる人は持ってくれるはず!」等という期待に間違えても依存してしまわないことだ。少なくとも、謙虚に努力するインフルエンサー以上に我々が傲慢になってはいけないはずなのだ。

その他の細かいテクニックは、まぁその後で良いのではないか。①同様「溶けたアイスクリーム」のような締まらない結論で、②と書きながら③以降の作成を確約できない点も含め、何とも申し訳ない想いだ。

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