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優しさとは

みなさん、飲んどりますか、にーとです。
今日もみなさんと同じ夜を、のんべんだらりと過ごしていこうと思います。


バンプオブチキンの『ひとりごと』という曲です。
「ねぇ、やさしさってなんだと思う?」から始まります。

小学校の卒業アルバムに「○○ランキング」というのがあった。
人気がある女の子男の子、足が速い子、絵が上手い子、サッカーが得意な子、頭がいい子、みたいな。
その中に、優しい子ってのがあって、自分はそこに入っていた。
その時からうっすら感じていた、優しいって言葉はすくいきれない沈んでいく個性らしきものをサルベージするための網の目の荒いタモなんだと。

個性とするにはあまりにも心もとなく、あまりにも面白みがない、凡人であることにすこしばかりそれっぽい言葉をあてがっただけの言葉であると、なんなら今でもやんわり思っている。

優しいと言われる自分は、具体的に何ができるのか、優しさとは相対的に評価できて誰かと比べて秀でているからモテる的な、即時でありがたみを感じることができるものなのか、つまるところ誉め言葉として受け取る意味がある言葉なのかよくわからない。

優しさってなんだと思う?って藤原基央からの問いかけに答えは出ないまま生きている。

未だにわかりはしないが、自分が感じた優しさは語ることができる。
まだにーとではなかったサラリーマンだった頃、とてもお世話になった別の会社の人がいた。
分からないことがあった、誰に聞けばいいかもよく分からなかった。
その人に、やるべきことが分からないと、言った。
そしたらその人は「それは僕に聞くことではないし調べればわかる」と言った。
その瞬間は冷たいと思ったが、本当にその通りだとすぐ気づいた。

少し長く入院していたことがある。
その時もその他社の人と仕事をしていた。
入院が長引くと担当医に言われ、仕事に戻れない旨をその他社の人に伝えた。
「それは僕に言うことではない、まずは自社で方針を決めて、その結果を報告するのが順路ではないか」と。
怒るとかではなく、知らない自分に順序を諭してくれるように優しく教えてくれた。
自社に連絡し、引継ぎを決めて再度連絡した時に、その人は初めて連絡をもらったように対応してくれた。
事務的で機械的な言葉の奥にじんわりとした優しさを感じた。

「優しさってなんだと思う?
君が知らないうちに君からもらったよ、覚えはないでしょ?」

誰かからもらった優しさらしきものを優しさだと受け取ることって難しいと思う。あれは嫌味だったのか?とか思うし。
けど、結果的に自分の血肉になり、生きていくために必要な技術になっているなら、それは実は優しさかもと思うようになった。

優しさってなんだろうと今でも考える。
やわらかいマシュマロ言葉を耳に詰め込むことだけが優しさでは絶対ない。
優しさは与える側だけではなく、受け取る側にも優しさを感じて考えることが求められる、一種のスキルだと感じる。

と思うと、
小学校の同級生は俺のことをよく分かっていたのかもしれないな。

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