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「問題」の見つけ方と「課題」の設定を考える

新規事業において「共感」は大切です。ただし、共感を得るためには顧客や市場が抱えている問題を鮮明にとらえ、行うべき打ち手を細かく設定している状態にする必要がありますよね。
「共感」が大切な理由はこちらのnote記事で解説しています

今回は事業活動における「問題」と「課題」の違い「問題発掘」と「課題設定」、そして「仮説思考」について考えを記してみます。

デザイン思考で「問題」を可視化する

ここ最近多くの方から「デザイン思考」で事業検証を進めている、ということを聞くようになりました。ちまたでよく言われているデザイン思考の特長は下記3つです。

  1. 問題解決に向けて最も重きを置く要素は、顧客の「共感」と「満足」

  2. 問題の定義付けと解決意図を明確にした上で、アイデアの創出と組み合わせの試行錯誤を繰り返しブラッシュアップする

  3. バイアスや固定観念を取り去り、前例にも捉われない

つまり、事業創出におけるデザイン思考の役割とは「問題を可視化し、解決に向けて課題を設定すること」なのです。

言い換えると、問題は「解決すべきこと」であり、課題は「達成すべきこと」です。

引用元:4社の企業事例から学ぶ!事業創出の要「コンセプト設定」を失敗させないポイント--「イシューの設定」で現状と理想のギャップを分析 より

上記の図にあるように、目指すべき理想の姿(To-Be)を掲げ、現状(As-Is)を認識したときに初めて問題を可視化できます。そして、問題を分解して、1つの階段に設定したときに、はじめて課題を認識できます。

解決すべきことに対しての課題は無数あります。
その時、どの順番にどう課題を潰すか?ということが大切です

仮説思考で「課題」を把握する

課題を潰すためには「こうなんじゃないか?」という仮説をたくさん持つことから始めます。言い換えると、仮説の「確らしさ」を探りにいくわけですが、
複数ある課題は、連鎖していたり関連していたりするので、
大きく分類してみて、手前からいけそうなことを複数並行して着手しつつ、
少し先にある大きい課題の確認をすることで、全体の傾向の確認/把握をします。

特にこの「全体感の把握」というのが大切で、意外と皆が皆できるわけはないんですよね。思い込みを排除して、木を見て森を見ずにならないようにすることが、この初期の段階では重要です

そして、このフェーズで最も大切なことは、冒頭に挙げたデザイン思考の3つの特長でも良いのですが、とにかく「アジャイルで進めること」なんです。

アジャイルで「課題」を潰していく

アジャイルで進めることがなぜ大切なのか。

合議制を取ったり、社内承認を取ったり、決めることを先送りにしてしまうのを避けてほしいからです。いろんな人にいろんな意見をもらうと、必ず、迷います、ブレます、不安になります。
議論や相談は山ほどすべきですが、課題(イシュー)の意思決定者を1人置いてほしいのです。

大概のプロジェクトの失敗は「デザイン思考が理解できない」とか「アイデアが悪い」とかではなく、
気づきを即座に次の行動に移せず、検討する時間ばかりが過ぎ、それを次のフェーズ(階段)に進められないでいるからなんです

大企業なので致し方ないと仰る方もいますが、僕は必ずしもそうではないと思います。

社内に報告する時の「表の顔」と、プロジェクトメンバーとして顧客と向き合った結果に対して腹を括る「裏の顔」を使い分けてほしいのです。

僕たちキュレーションズのような社外のメンバーができることは、後者の取り組みで得た「確からしさ」を決済者に伝達するために、担当者とともに顧客と向き合い、考察し、検証することです。

事業づくりの打率は「行動しながら考える」でしか上げられない

ぶっちゃけると100件も事業づくりしてきた今でも、動き方の型は持てたけど、当たるプロジェクトを毎回生み出し続けられるようにはなっていないです。座学でお勉強したからってできるようなことでもないんですよね。

「Youtubeで滑走の動画見てないで、ゲレンデの頂上に立って降りてみようよ」
と社内で話すのですが、とにかく行動しながら考えましょう。考えながら行動しましょう。

1時間動画見る時間があるなら、1時間で5本くらいは滑走できるはずなので。

結局のところ事業づくりは、仮説検証のための行動を、いかにクイックに、いかに変えられ、いかに決められ、いかに先に進められるか、でしか成立しないんじゃないかなと思います。

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