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ながはまよし野(nemo)
2020年4月16日 08:43
2020年4月6日 09:25
2020年3月31日 02:50
2020年1月21日 00:28
土のなか融解するプテラノドンの背骨眠ったままのわたしの瞳、がそれをとらえている緩やかな熱あなたの額と同じ温度同じリズムゆっくり、ゆっ、くりコップのふちを撫でるそうすれば、きっと来てくれるからグッピーの尾鰭をつかまえたと末の妹が手を開いた瞬間赤信号連れていた犬のムックだけもう反対側にいた拝啓、サクマドロップもあとひとつ永久凍土の丘の上ひとり
2020年3月6日 23:35
メルヒェンは埋もれた 古代都市の顔メスですっと切り開いたような ここはトランペット吹きのこどもだけがやってこれるのだが いまは「雨だ」とつぶやく人もなく押し付けるように 滴滲み 不在通知が風にあおられている冬至におきた 裏切りは月面にも似て 優しいジャッカルの 肥大しすぎた影を薄くのばし 残さずたべる足元から 脆く崩れ去っていく 秘密と
2020年3月11日 00:14
無機質な色のキッチンに ことり置かれたまな板 と洗いたての檸檬ひかるナイフが家主の行方を知っている わけもなくわたしは ここに 居て水草の繁茂する アクアリューム体の小さい 一匹の黒い金魚瞳 見つめ返されて のみ込まれる 私の実在ということ顔さえあげればすべてが報われる だなんてと今朝方返却された答案用紙の裏に書きこみ結わえた髪を すこし食み
2020年3月12日 00:36
白鳥たちの鮮やかな デイドリーム 彼らが 北へ飛び立つのを 合図にして遠ざかっていく 冷めた音 とても煩い耳を塞ぎ 力いっぱい走ってふと たどり着く辻 ひとつ影は双方向に のびあなたのものか わたしのものか判然としない春の気配 充ちていく 池の底正しい所作で眠りについて 沈み込む という救済措置のはなし半透明で どこか無責任だと誰かがささ
2020年3月21日 04:20
そこにたしかにあったような気がしていたくすんだ色の写真と 絹製の肌着手触りを 確かめて 思わず唇を触る 癖 どこかでまだ覚えている 夢のこと潜水魚の瞳が こちらを見返すまえにはっ、とする蒲公英の綿毛 陽を浴び 上昇 長く続いた 雨上がった日の 隣人の横顔に似てどこか やましく川辺に影を潜めていた 昨夜の寝言 携えて飛ぶさまは いつになくたのしそう であった一つの
2020年3月16日 00:42
昼下がりの 表情 住宅街では 躑躅のささやきだけがひたひたと波打ち その動きがあたりの透明さを 保っている子どもが来る前の公園に置かれた 滑り台の頂上より匂い立つ かつての指切り昔から決まって破られるのは いつも陽が沈んでから十字路で 見つめあって慄然とする 素肌瞬き一つで 輪郭を見つけて大きなこの手で 触れてしまえばすぐに 壊せそう電柱の影でさめざめと 泣いて
2020年3月25日 20:58
2020年2月19日 01:59
生まれたての微熱は絹糸をたどりアサガオの葉脈を伝いわたしの胸のなかへ帰ってくる「桜貝は あなたのいろ」彼方の群青に呼びかけるはじまりの朝はせーのと声がしたら飛ばなくてはいけない合図の声はまだ一万光年離れた星を飛び出したばかりで安らぎと酩酊がここには蔓延っていたりする明け方と見紛う暮れ方の藍眠っている世界樹は次の踊りを待ちながら葉を揺らすオアシスか