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最強kawaiiボイス 両声類&ボイチェン技術の全て【バ美肉紅白2021レポート】

メタバースの世界では美少女キャラクターとして生活するのがトレンドとなっており「かわいい女性ボイス」を出す為の音声技術が注目されています。この技術をアピールする為の音楽イベント「バ美肉紅白2021」を12/4にメタバース内で開催しました。発声技術を極めて女声を出す「両声類」4名とボイスチェンジャーと呼ばれる機械を使って女声をだす「ボイチェン」 4名がメタバースの覇を賭けて歌唱を披露しました。この記事ではイベントで明かされたその技術の全てを紹介します。

2分半に見所をまとめたダイジェスト動画はこちら。

「バ美肉」とは?

メタバース世界では美少女キャラクターとして生活することが一大トレンドとなっており「バ―チャル美少女受肉」略して「バ美肉」と呼ばれています。ソーシャルVR国勢調査2021によれば、中の人の性別を問わず8割近くのユーザーが女性型アバターを使って生活しているとされています。

メタバースでのアバターの性別 / ソーシャルVR国勢調査2021

「両声類」とは?

トレーニングにより筋肉の力で声帯を制御し、男声・女声を自在に出し分ける発声技術を会得した人の事を「両声類」と言います。

「ボイチェン」とは?

「ボイチェン」とは「ボイスチェンジャー」のこと。ボイスチェンジャーと呼ばれる機械を利用して、元の声にエフェクトをかけることにより可愛い女声等を出してコミュニケーションするメタバースの住人を「ボイチェン勢」と呼びます。

ソーシャルVR国勢調査2021によれば、メタバース内の約5%のユーザーが両声類、約9%がボイチェン。今後メタバースの世界が拡大するとこれらの技術がさらに注目されるのは間違いなさそうです。

メタバース内での音声コミュニケーション / ソーシャルVR国勢調査2021

わざわざ現実と違う声を使ってコミュニケーションする理由の第一位は「男声を女声に変換するため」でした。驚くべきことに中の人が女性の場合も39%がこれを理由として選んでおり、男女共に可愛い声を出したいメタバースユーザーの傾向が伺えます。

メタバース音楽ライブ「バ美肉紅白2021」

バ美肉VTuber8名がボイチェン組と両声類組に分かれて最強の美少女Singerを賭けて競い合うメタバース内の歌合戦イベント。各メンバーが歌唱と技術紹介を披露したのち、来場者の決戦投票により勝敗を決定し、勝者チームがその年の「紅組」となります。今回は第2回開催です。

アーカイブはこちらで全編無料で公開しています。チャプター機能で各ステージのシーンに一発飛びできるので、ぜひご活用ください。

各種メディアでも掲載頂きました!

⚡ボイチェン組⚡

ねむ主催の歌唱コンテスト「ファントムセンス歌ってみた」の総選挙上位メンバーから精鋭ボイチェン美少女シンガーを選抜し決戦に挑みました。

①「人類美少女計画」バーチャル美少女ねむ

ねむは、メタバースでなりたい自分になりたい! ボイチェンだってアイドルになりたい! そんな感情を歌にぶつけました。

バーチャル美少女ねむ

ねむの声帯(ボイチェン環境)は既に製造終了した骨董品のハードウェア・ボイスチェンジャー「Roland M-100FX」 ボイチェンは、人間らしさを保ったまま声をどれだけ高くすることができるかという「パワー」と、歌を歌うときには必須となる遅延の少なさ「スポード」の2つが重要ですが、この2つを両立したものはほとんどありません。M-100FXは、ねむが数あるボイチェンを試してようやくたどり着いた、パワーとスピードを高いレベルで兼ね備えた、たった一つのボイチェン。

ねむの声帯:人類美少女化マシン「Roland M-100FX」

ソフトウェアと違ってオーディオ・ハードウェアの世界では、古いものの方が性能が良かったりします。Roland社は最新の「VT-4」も出していますが、それよりはるかに高い女声パワーをもつ「M-100FX」もその一つ。ハードウェアなので、ソフトのように遅延に悩まされることもなく言うことナシ。

男声と女声は約1オクターブ(=12ピッチ)の差があり、「女声技術」とは簡単に言えばこのギャップをどう埋めるかの戦いです。(実際にはフォルマントや喋り方など、それ以外の要素も色々あります)

女の子の声になりたい3大勢力

ボイチェン勢と一口に言っても、通常トップレベルのボイチェン勢は音声技術(筋肉)も併用していますが、ねむは「人類美少女計画」=「誰でも使えるボイチェン環境」を目指しているため、敢えて地声でしゃべるだけ。今回はボイチェンだけで1オクターブ(=12ピッチ)上げて声を作っています。

②「ボイチェン男の娘」もこねもこ

アニメや漫画でよく登場する「男の娘」ですが、メタバースには本当に存在するんです! もこちゃんは、男の娘要素のある、かっこよさと可愛さを併せ持った独特のクリアな歌声を披露してくれました。

もこねもこ

なんとサプライズで生演奏とのセッションとサポートメンバーとのハモリを披露してくれました。メタバースではネットワーク遅延があるため通常セッションは不可能ですが、高速通信技術「SYNCROOM」を活用したテクニックを披露してくれました。

もこちゃんの声帯はソフトウェア・ボイスチェンジャー(VSTプラグイン)を使用しており、環境に合わせた最高に魅力的な品質の声を追求し、「GForm」(超低遅延でライブ重視)や「LittleAlterBoy」(やや遅延はあるが品質重視)など複数のボイチェンを使い分けています。ピッチは+2.5上げています。

もこの声帯・超低遅延のライブ重視と品質重視のスイッチング

③最強技術の「関西弁デジタル美少女」月山縁

縁ちゃんは、無からキーボードを作り出すほどの技術力を持つVTuber。縁ちゃんは現実の女性のような声を目指しているわけではありません。男女の枠を超えた、ボイチェンだからこそ出せる「デジタル美少女としてのkawaiiボイス」の切ない魅力を披露してくれました。また、可愛らしい関西弁を織り交ぜた歌唱テクニックも見事でした。

月山縁

縁ちゃんの声帯は、ソフトウェア・ボイスチェンジャー(VSTプラグイン)「Grallion 2」を中心に縁ちゃんの超技術でチューンナップしています。ため息などの小さい声も可愛く変換できるのがポイント。そしてなにより大切なスパイスは「かわいくなりたい気持ち」 裏声で常時喋る特殊な訓練をした上で、ピッチを+3.1上げて声を出しています。

縁の声帯:VSTプラグイン「Grallion 2」と「かわいくなりたい気持ち」

④闇の「メンヘラ系最強ボイチェンおじさん」松尾悠里

悠里ちゃんは、ボイチェンとは信じられない程の圧倒的なアイドルボイスで様々な変化する乙女心を見事に魅せつけました。

松尾悠里

悠里ちゃんの声帯はソフトウェア・ボイスチェンジャー(VSTプラグイン)「LittleAlterBoy」 限りなく自然な女声を出すため、気合で+8ピッチを上げた上で、ボイチェンで+4して可愛いボイス到達しています。(かがくのちからってすげー!)

悠里の声帯:気合と機械と私システム

メタバース世界での美少女としての自分と、現実での自分。2つの自分で葛藤する鬱積した思いと執念。その全てを「kawaiiボイス」の研磨に注ぎ込む、まさにメタバースの産んだ闇(病み)のアイドル。将来の夢はボイチェンと一つになることだそうです。

🐸両声類組🐸

hal主催の両声類VR音楽イベント「かえるの音楽会」から厳選メンバーで盤石の最強チームを結成しました。

①13年鍛えた両声類「歌のおねにいさん」hal

halさんは「歌のお姉さん」のような安定して美しい歌声。そして男声・女声を瞬時に切り替えながら歌う高等テクニックを披露し、会場を一瞬で狂乱の渦に巻き込みました。

hal

女声を出す方法は、「13年歌ってれば多分みんな出る」(ただしPDCA大事)! なんという脳筋。

halの訓練方法:13年歌え

②「両声類ガールズバーで鍛えたバブみ」噛ませ戌

噛ませ戌さんは温かみのあるバブみ溢れる歌声で会場を包み込みました。

噛ませ戌

メタバース(VRChat)で毎週水曜に開いている両声類ガールズバー「カストラート」の接客で鍛えた女声とのこと。カストラートには100名を超える両声類が在籍しているそうです。メタバースって本当にすごいですね。

噛ませ戌の訓練方法:両声類ガールズバー「カストラート」の接客

メタバース両声類ガールズバー「カストラート」のCMはこちら。

③理論派両声類「完全合法ろりあにき」あまちじょんこ

5歳児歴10年、じょんこちゃんは、なんとイケボの「お兄ちゃん」を召喚。イケボ男声→綺麗な女声→5歳児ロリボイスと、シームレスにグラデーションで変化する超絶テクニックで全観客を大混乱に陥れました。

あまちじょんこ

しかし、その技術は完全な理論に裏打ちされたもの。女声を徹底的にデータで分析。音声をグラフに変換して可視化することで、よりホンモノに近い完全な女声を出すトレーニング方法を確立しています。

じょんこ:発声力学に基づいた女声

両声類技術のコーチとして音声技術を伝える為のイベントを主催しており、書籍「kawaii voiceを目指す本」も発売しています。

理論を解説した書籍も発売中

④27歳OL「SDGs ~持続可能な女声~」みるにぃ

みるにぃさんは、女声のなかでももっとも難しいとされる「ちょっと低めのハスキーボイス」 そして、圧倒的な歌唱力で会場を沸かせました。アイドル顔負けのキレキレのダンスも見事。

みるにぃ

今流行の「SDGs」ならぬ「SODGs」それは「持続可能な女声」 なりたい声のイメージ「推し」をしっかり定義し、ひたすらその声を目指していく。それはトレーニングという次元を超えて、なんと日常生活を全て女声で過ごしているとか。電話では女性に間違われてばかり。

みるにぃの訓練方法:SODGs ~持続可能な女声~

結果は両声類の勝利!

来場者投票は「32対44」で両声類チームが勝利! 2021年の「紅組」の称号は両声類チームとなりました。長年鍛えた両声類の技術は圧巻。しかしボイチェンも年々技術が上がっており、未来への期待を感じさせる素晴らしい戦いでした。

バ美肉紅白2021 / 集合写真

最後は両声類+ボイチェン全員で合唱!

kawaiiボイスになりたいキモチはひとつ!!! 合唱がシーンがMVになりました!

総視聴者数1,662名達成!

clusterで実際にメタバースの特設開場に来てくれた来場者710名、YouTube LIVEで見てくれた視聴者952名、合計1,662名もの方にご覧頂きました! 今回はじめてメタバースに来る方も多くいらっしゃいました。個人の集まりでこんなビックイベントができるのもメタバースならでは。メタバースの未来を感じさせるイベントになったと思います。みなさん盛り上げて頂いて本当にありがとうございました。

バ美肉紅白2021 / 来場1,662名達成

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