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【和訳】この少女の裏には誰が隠れているの?:仏紙リベラシオン

フランスの有名新聞「Libération」 で、私「バーチャル美少女ねむ」のVTuber伝道活動「人類美少女計画」とテーマ曲「ココロコスプレ」が特集されましたー!

記事の和訳が出来ましたのでぜひご覧ください。

日本のVTuberについての軽い紹介記事かと思いきや、私の活動「人類美少女計画」について、性やアイデンティティの観点からの深い洞察がなされた意義深い記事になっているので必見です! この分野の本場であるフランスの方に考察してもらえるのは、本当に感動です。

※「Libération」(リベラシオン) は1973年に実存主義のサルトルがパリで創刊した、フランスの伝統的な日刊紙だそうです。
※フォロワーさんに翻訳してもらいました。不正確な部分もあると思いますが、御容赦ください。
※翻訳記事の掲載について原文の記者さんより許可を頂いています。

※元記事(リベラシオン):

※こちらの記事、note CXOの深津貴之さん、ジャーナリスト・評論家の佐々木俊尚さんに紹介して頂きました! noteの編集部のおすすめ記事にも選ばれました!


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この少女の裏には誰が隠れているの?

アニエス・ジアール

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日本で今、オンラインインフルエンサーを務めるのはバーチャル配信者(Tuber)、つまりアニメキャラに扮した人間です。その素顔は誰も知りません。アイドルの新ジャンル。誰も正体を知らないアイドルなのです。

主催する人気のYouTubeチャンネルでは、ねむは美少女です。ボイスチェンジャーを通して話す時、その合成的で高音な音声は、元気で可愛い少女のイメージそのものです。実生活では、ねむは会社員として働き、ビールを飲んだり仮想通貨について話したりするのが好きな人物だそうです。ねむは日本のスターです。2017年から活動する彼は、全人類が彼の様にオンラインの分身が持てる様に、そしてより良い社会、「秘密」を重んずる社会を実現するために戦っています。二重生活を送るために、誰しもが複数の隠されたアイデンティティを持つことができる社会を作るために。


VTuberエヴァンジェリストのねむ

grape JapanのライターBen Kとの興味深いインタビューの中で、ねむは「元々アバターがアイデンティティに及ぼす影響に興味がありました」と話します。そのために、のちにVTuberと呼ばれる新技術であるリアルタイムアニメーションを使って、ねむというキャラクターを作りました。ねむが自らを撮影しカメラの前で動けば、画面上で"彼"のアバターが動く。「しかしある日、実際に美少女に変身して自分に語りかけていたら、新しい自我が目覚めたような感覚に陥り、その日の夜には配信を初めていました」。歴史上に残るその夜、ねむは個人として世界初のVTuber (原文では"VTubeuse", VTuberの女性形) になったのです。


自分のバージョンをジャグリングする

現在このジャンルの絶対的スターであるキズナアイと違って、ねむはVTuberとして運営企業に所属せず、個人で活動しており、モデラーと協力して自由にモデルを変えることができます。必要に応じて、ねむは自分の外見を若く見せたり大人っぽくみせたりするし、状況に応じて自身の姿を変えています。「幼い自分、しっかりした自分、強い自分、弱い自分がいて、気分によって色々使い分けています。(中略)それによって少し性格も影響を受ける気がします(中略)衣裳も同様です。(中略)くつろぐときはパーカーとか、ゆるい服に着替えます。」


着替えるようにアイデンティティを変える

着替えるようにアイデンティティを変える。誰だって一度はその様な夢を見たことがあるでしょう。2017年にはVTuberはまだ一握りでした。しかし、人気の度合いを基準にVTuberをランキングするUser Localという日本のウエブサイトの最新のデータによれば、その数は今8000人となっています。VRChatでVTuber同士が出会える専用エリアができるほど、この現象のスケールが大きいのです。そのアバター専用ティンダーとでも言うべき場所で、お互いの正体が誰なのか分からないことは重要でしょうか? もし相手が美少女の姿であれば、それはその人の真実の一部ではないでしょうか?「HMD(Vtuberのヘッドセット)を被って「バーチャル美少女」ねむの姿になると、バーチャル世界で美少女アイドルに変身した自分になります。(中略)話し方も変わりますし、アイデンティティも変わりますが、記憶は連続しています」ねむはそう語ります。


VTuber:「嘘」の文化か?

私たち個人は、集団として匿名技術を使っていると言われれば議論の余地があるでしょう。インターネット上のソーシャルネットワークでは偽名を使ってツイートを交換する人もいれば、パソコンの画面に隠れてフェイクニュースを流布させる人もいる。匿名性の恩恵を受けるのは誰だろう? VTuber配信 (原文では"VTubing" = アバターで配信すること) が新しい形の咎めなき「嘘」を助長していると心配されるのは容易に想像できるが、ねむにとってはその逆なのです。「"美少女"のアバターは私自身です。そのことにより、魂の姿でありのままの魅力が解放できると考えています。」ねむは男性も女性も誰しもが自身の多様な側面を自由に表現できる世界を夢みている。来るべきこの世界では、個人は透明性の神話と、その帰結である監視からようやく解放されるでしょう。

自発的透明性=自発的奴隷制

透明性の神話は「隠すことは何もなく」、そして身体が人の真実を反映しているという間違った概念に基づいている。哲学者・精神分析家のアンヌ・デュフールマンテル曰く、「現実であれ想像であれ、増え続ける数のカメラ、デジタル履歴、告白や証言によって伝えられる」 透明性を求める私たちの社会では「密告への誘因は安全な社会と密接に関連している」し、「私たちが昨今、腐敗に対して最も信頼できる保証だと思われている透明性のルール」は、陰険なイデオロギーの風よけにすぎません。『秘密の擁護』において、活気に満ちた言葉で、彼女は幻想に対してこの様に警告する:「透明性は真実ではない」。むしろその逆なのです。

なぜ秘密にしたくないのか?

透明性は義務の問題です。社会(物質主義社会)でうまく生きるためには、確かに自分の好み、性別、好み、地位、または信念を示す必要があります。 ゲームのルールを歪めるVTuberたちは、素顔のままで話すことを拒否しました。 そうすることで、彼らはデュフォーマンテル氏の提唱した「社会のパノプティカル空間」に風穴を開けているのです。 彼らの目標は、秘密を育み、「生命が成長できる避難所の庭」のように育てることです。そういうデュフォーマンテル氏の秘密の概念は、心の底の世界、不可侵で神聖な空間、夢想と何よりも欲望の空間であります。 秘密がなければ、誰も自分自身を創ることも愛することもできないのです。


なりたい自分になる

2020年6月に、ねむはこれを自らの歌を通して表現しようとしました。VTuber界隈で大ヒットした「ココロコスプレ」という曲です。

画面の中にほら 私今日もそこにいるの
誰にも言えない ヒミツのすがた
(中略)
夢みたい 素敵な世界で
うずく胸はたぶん ホンモノなの
もう『わたし』止まらない!

隠すことは必ずしも嘘ではないと、ねむは示唆しています。その考えは、デュフォアマンテル氏の『秘密の擁護』の短くて詩的な文章にも不穏な反響を見出すことができます。彼女が指摘するように、透明性は市民権(義務)の問題であるという点で秘密と区別されます。

「秘密は選択を前提としています。 その秘密を守って「維持」していくことは、必要どころか、私達の欲求そのものなのです」(デュフォアマンテル)

※参考文献:
Being Bishōjo: A dialogue between independent Vtuber Virtual Bishōjo Nem & kigurumi artist Takurō – grape Japan
Défense du secret | Payot
ねむちゃんねる【人類美少女計画】 - YouTube
バーチャル美少女ねむの人類美少女計画
musée du quai Branly - Jacques Chirac - Production - musée du quai Branly - Jacques Chirac - DESIRED IDENTITIES


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この後、リベラシオンで続きの記事が出ました!


バーチャル美少女ねむ

と、いうわけで!!!
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この記事でも紹介された、私がクラウドファンディングで作った曲、なりたい自分を目指す全てのVの者の為の曲、「ココロコスプレ」についてはこちら!

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