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麻雀補完計画⑭「和了後も対局が続く麻雀」
四章 和
19条 和の方法
1項 和の種類
和は取札による「模和」と 捨札による「栄和」の2つからなる
2項 和の規定回数
対局者の数から1を引いた回数を原則とする
馬将(令和麻雀改)の以前のルールとの最大の違いは、一局中に何度も和が発生する(四人なら三回)ことです。四川血戦を元にしていますが、四川血戦とも異なり、和が発生した後も和者の手番が続き、同じ対局者が何度もアガることが可能です。
本ルールを採用する運びとなった理由には大きく分けて三つあります。
①「押し引き(駆け引き)」勝負の結果が抽選によって大きく左右される要素を緩和する
麻雀で勝つ為に必要なことは、優れた手順によってより収支期待値の高い手組を作り、より有利な押し引き勝負に持ち込むことに尽きます。
しかし最初に和形を揃えた一人しか点が得られず、どんなに分の良い手であっても他家の和了牌を切れば一方的に失点するルールでは、短期の結果が運によって大きく左右されることは否めません。
この問題の解決策として一局の中で点数移動機会が何度もあれば、運要素を緩和できるのではないかと考えました。
②一局あたりの対局時間が極端に短くなることを防ぐ
「少牌マイティは打ってる時間より積んでる時間の方が遥かに長くてとてもやれない」という意見を頂いた事があるのでそれですね。速度インフレ系の麻雀は全て全自動卓の賜物です。 https://t.co/xxiGjJzW0R
— 卓上のハッケヨイ@少牌人 (@KOTEGAESHI0705) April 18, 2023
現在では対局時間が短い速度インフレ系の麻雀が主流になりつつあります。馬将も一戦あたりの対局時間が長引かないように「連荘無し四局戦」を採用しました。
しかし一戦あたりの時間は短い方がよいと言っても、一局あたりの時間が短すぎては濃密な対局体験が得られづらく、ゲームとして面白くないものになります。特に対局までに一定の労力と時間が要求される手積みの麻雀であれば尚更です。
![](https://assets.st-note.com/img/1682303959865-vs4enC6XVi.jpg?width=1200)
日本における速度インフレルールの流行が全自動卓普及の賜物と聞いて、中国における四川血戦の流行が「青空麻雀」文化から来ていることに気付かされました。様々な人が手積みで打つことを想定するのであれば、ルールはシンプルなものがよいですが、一局あたりの対局時間は短くない方がよい。だから一人和者が出てもすぐに対局が終わらないルールが好まれたのです。
馬将の目指すところは、インフレに頼らず、麻雀経験者も未経験者も揃って楽しめるゲーム。麻雀において楽しい体験はアガることそのものに他なりませんから、早いアガリを目指すか高いアガリを目指すか、はたまた相手のアガリを阻止するか。こうした選択同士を比較する面白さが保たれているのであれば、一局にアガれる回数は多いに越したことはないでしょう。
③麻雀熟練者にも新しい麻雀体験を提供する
20条 和の手順
①手札全体を公開することで和の宣言とする
②和を宣言した後 手札 山札 川札をそのままにして和が成立していることを確認する
③和が成立していることを確認後 和点を確認する
④和点を確認して精算した後 和が規定回数に満たない場合は以下の手順を行った後に対局を続行する
模和 手札から1枚選んで裏向きに川に並べる
栄和 栄札によって馬が完成した場合は 完成した馬を拾と同じ手順で並べた後に 手札から1枚選んで裏向きに川に並べる 将が完成した場合は山から1枚引いて裏向きに川に並べる
21条 和の制限
手札全体を公開した後は模和のみ可能とする
アガった後も対局が続くことで、現行の麻雀ではほとんど使うことがない、「アガリ形が完成したにも関わらずアガリを選ばなかった後」の手組の技術が要求されます。
東風荘は不聴立直出来ました。押しやすいところにあるからうっかり押したことあります。それはそれとして、立直以外に任意のタイミングで手牌を全て公開する「オープン」によって1飜縛りを解消できる(但しツモ和了のみ)というのはどうでしょう。牌を積む麻雀からも沖和(チョンボ)の概念を無くせます。
— ネマタ (@nemata1529) April 10, 2023
また、馬将ではフリテンを採用しませんが、一度手札を公開した後は模和限定(意図的な差し込みが確実に成功することを防ぐため)とすることで、チョンボの概念を無くすと共に、フリテンと同等の状態における手組、押し引き判断のような麻雀熟練者でも選択同士の比較が難しい局面が頻出するようになります。
本ルールはアガリが成立しているかどうかや、アガリが何点なのかを一局の間に何度も対局者全員で確認することになります。確かにそこは面倒なところではありますが、アガリの成立を対局者全員が確認していないことによるトラブルを未然に防ぐことにも繋がります。面白いゲームには面倒くささが付き物ですから、面倒くささがそのまま面白さにも直結するルールでありたいものです。
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