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麻雀補完計画⑧「麻雀のゲームとしての立ち位置を再確認する」

6条 目的
点数の大小によって勝負を競う

 「点数の大小によって勝負を競う」。言うまでもないことではありますが、本ゲームが「零和」ゲームであることを示す一文です。また第5条により本ゲームは「有限」なので、必ず最適解が存在します。「二人」「確定」「完全情報」ではないので必勝法は存在しませんが、そもそも多人数(「非二人」)で裏面のあるカードを用いて遊ぶ(「不確定」ないし「不完全情報」)ゲームである以上、必勝法があるゲームにはなりようがありません。

7条 得点方法
札を組み合わせて和(アガリ)形を完成させる

 本ゲームが「ラミー系」のカードゲームであることを示す一文です。

 麻雀に限らずカードゲームは「抽選」と「選択」のゲームですが、「選択」要素を大きく2つに分けると「手順」と「駆け引き」。「トリック系」「ストップ系」は手順重視。「カシノ系」「ギャンブル系」は駆け引き重視。「ラミー系」はその中間です。

 「抽選」要素を大きく2つに分けると、「配牌」と「ツモ」。「トリック系」「ストップ系」は抽選要素を配牌のみに絞れるので、不完全情報ゲームながら実力差の出やすいゲームが多数あります。

 例えば七並べはストップ系のゲームとして日本ではポピュラーですが、札を出す「手順」を覚えることで、手順を知らない人に大勝することが出来ます。しかも手順が大多数のプレイヤーにとって直感的には理解しがたいというのもポイント。他のプレイヤーが出せる札を増やさない階段の次は両端のAKが強く、中央の7はある意味最弱の札。大抵の札は単体で出すくらいならパスした方がマシ。初見でこの事実に気付けた人が果たしてどれほどいらっしゃるでしょうか。端から切って中央を残し、真っ直ぐアガリを目指す戦略が多くの場合に有効になる麻雀とはまるで真逆。しかも麻雀は手順を覚えたところでもう一つの不確定要素である「ツモ」に恵まれなければ勝つことは叶いません。

 「カシノ系」「ギャンブル系」は「ラミー系」同様「ツモ」の要素が非常に大きいのですが、勝負を決める要素を「駆け引き」に絞ることで1戦あたりの対戦時間を短縮。「ベット」の概念を設けることで、実力差があれば長期的には大勝できるゲーム性を生み出していると言えます。

 裏を返せば麻雀は勝つために「収支期待値」を突き詰めるよりないうえに、勝負の結果が抽選によってブレやすく、実力通りの戦績に収束するまでにかなりの対戦数を要求されるうえに対局時間が長いことから、他の系統のカードゲームと比べて運の要素を排除しづらく、実力差を付けづらいゲームと言えます。麻雀をもっと実力が反映されるゲームにしたいという声は多数聞きますが、麻雀が「ラミー系」ゲームの構図を取る以上、ある程度仕方がないことであることは認識しておく必要がありましょう。


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